声量をアップさせる正しいトレーニング方法3つのポイント

ボイストレーニング

2021/06/08

投稿者: 河野ひかり

声量をアップさせる正しいトレーニング方法3つのポイント

歌をうまく歌うには安定した声量が欠かせません。

普段の会話から聞き返されることが多い、声量が少なくて思うように歌えないとお悩みの方は、声量をアップさせるトレーニングを取り入れましょう。

声量をアップさせる具体的なトレーニング方法から、声量が少ない人の特徴も紹介します。自分はどのようにトレーニングをしていけばよいのか考えてみてください。

声量をアップさせるトレーニング方法3つ

声量をアップさせるには、肺活量をアップさせる必要があります。また、喉の筋肉を鍛えて喉を開きやすい状態にすることも大切です。

声量をアップさせて、今以上にしっかりした発声を目指すためにできるトレーニングを3つ紹介します。

1. 腹筋と横隔膜を鍛える

筋肉のなかでも、とくに声量を左右するのが腹筋と横隔膜です。声量をアップさせたいのであれば、腹筋と横隔膜のトレーニングが欠かせません。

腹筋は一般的な上体起こしやプランクなど簡単なトレーニングから始めてもOK。鍛えすぎると横隔膜を自由に動かしにくくなってしまうため、体に負担がかかりすぎない程度のトレーニングで構いません。

横隔膜は、ペットボトルや風船を使ったトレーニングで鍛えるとよいでしょう。

ペットボトル、または風船を口に咥えて、息を吐いて膨らませます。その後しっかり息を吸い込みます。これを繰り返すことで無理なく横隔膜を鍛えられます。

いつでも簡単にできるトレーニングなので、ぜひいつものトレーニングにプラスしてください。

2. 声量を安定させるロングブレス

ゆっくり呼吸をするだけのロングブレスも、声量をアップさせるために役立つトレーニング方法です。

ロングブレスのトレーニングをすると息を吸う量、吐く量が安定します。歌うときにも声量が安定しやすくなり、より思うように音程や声の強弱、表現をコントロールできます。

ロングブレスの際は、ただ時間をかけて呼吸をするのではなく、お腹がへこむまでしっかり息を吐ききって、お腹が限界になるまで息を吸い込みましょう。

お腹を意識しながらロングブレスを繰り返すことで、どの部分の筋肉が働いているかよくわかります。

3. 口を動かしやすくするリップロール

リップロールはプロの歌手もおこなうトレーニング方法のひとつです。

唇を軽く閉じて、唇を震わせるように息を吐き続けます。一度やってみると、唇をプルプルと安定して震わせるようにするには安定した呼吸が必要であることがすぐにわかるでしょう。

ゆっくり一定の量の息を吐き続けるコツも掴みやすくなるため、ロングブレスと合わせておこなうのがおすすめです。

リップロールをすると、口まわりの筋肉にも刺激を与えられます。

声量が少ない人、滑舌が悪い人、声が通りにくい人は、口をあまり動かさないまま発声しているケースも多いです。

リップロールで口まわりを動かすことで、声量がアップするだけでなく、はっきりと声を出しやすくなります。

声量をアップさせることのメリット

マイクを持つ男性

声量アップは、歌をうまく歌うために重要なポイントです。声量がアップすると、ただ声が大きくなる以外にもさまざまなメリットがあります。

ここでは、声量をアップさせることで得られるメリット3つを紹介します。

1. 声が安定する

声量がアップすると、声を安定させやすくなります。

声量が少ない人は、無理に大きな声を出そうとして必要以上に力が入ってしまい、喉が疲れたり枯れたりして声の大きさにムラができてしまいがちです。

声量をアップさせれば、喉に力を入れずにしっかり声を出せるようになります。「歌い切る頃には疲れ切って声が小さくなってしまう」という悩みの解決にもつながるでしょう。

2. 音程を取りやすくなる

声量をアップさせて、喉に負担をかけずに歌うためには、腹式呼吸がしっかりできていなければなりません。

腹式呼吸がきちんとできるようになると、声を出す量も安定するため、自然と音程を取りやすくなります。

声量が少ないだけでなく、音程が取れないことで悩んでいる方は、まずは声量を上げるトレーニングをしましょう。

3. リラックスして歌える

自然としっかり声を出せるようになると、声量が少なかった頃と比べて喉や体に余計な力が入りません。そのため、リラックスして歌えるようになります。

リラックスして歌うと歌にも余裕が生まれ、強弱をつけたりアドリブをきかせたり、表現の幅も大きく広がります。

「憧れの歌手のように歌いたい」「人に伝わるような歌を歌いたい」という方は、声量アップを目指して練習しましょう。

声量がない人の共通点

マイクを持つ女性

自宅でトレーニングをしていると他人と比較したり先生に指摘されたりすることがなく、自分の声量はどれくらいなのかがわかりにくいです。

ここでは、声量がない人の共通点3つを紹介します。自分が当てはまっているものがない、確認してみてください。

1. 口を開けていない

口をしっかり開かずに声を出していると、口の中で声がこもってしまいます。

自分ではしっかり声を出しているつもりでも、思うように声が聞こえない、普段の会話でも聞き返されることが多いという方は、自分の口の開き具合を見てみましょう。

歌うときだけでなく、普段から口をしっかり開いて発声するように意識してください。

歌う前やトレーニングを始める前に、口を大きく動かして、口周りの緊張を取り除いておくこともおすすめです。

2. 喉が開いていない

喉が開いていないと、思うように声が通りません。喉が開かない原因はさまざですが、まずは喉に力が入っていることが挙げられます。

「上手く歌えない」「声量が小さい」といったことが気になり、緊張しながら歌うと、無意識に体に力が入ってしまい、喉にも影響します。

また、体が冷えている、冷たいものを飲んだ、発声練習なしにいきなり歌い始めたというときも喉が開きにくくなっています。

喉をリラックスさせるロングブレスやリップロールをする、常温の飲み物を飲んでおくなどの用意をしてから歌い始めましょう。

3. 背中が丸まっている

姿勢の悪さも声量が小さくなる原因のひとつです。とくに、普段から背中が丸まっている方は注意しましょう。

背中が丸まると、しっかり息を吸えなくなります。吐く息の量も少なくなるため、十分に声を出せません。

また、首が前に突き出ていると喉も閉まり、声の通り道が狭くなってしまいます。

まずは、普段から背中を伸ばすよう意識することが大切です。肩は落として、胸を開くようなイメージで、美しい姿勢を維持しましょう。

なお、体の筋力が落ちていると、正しい姿勢を維持しにくくなります。きれいな姿勢と声量アップを目指すなら、腹筋を鍛えるのがおすすめです。

声量をアップさせるトレーニングを取り入れよう

声量が少ないと、歌うときだけでなく普段からスムーズに会話ができない、相手に思うように言葉を伝えられないなどの弊害が出る可能性もあります。

声量がアップすれば、歌いやすくなるだけでなく喉に負担がかからない、音程を取りやすくなるなどさまざまなメリットが得られるでしょう。

声量アップのトレーニングは、声が小さい、喉が枯れやすい、もっと豊かな表現力を手に入れたいという方におすすめです。ロングブレスやリップロールで腹式呼吸を強く意識して、姿勢を正すトレーニングを取り入れましょう。

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大阪出身。ビジュアルアーツ専門学校音響芸術学科卒業。

専門学校では、ボイストレーニングのベースとなる音楽理論、作曲理論、楽曲アレンジ、歌の伴奏等で必要なピアノのアレンジ、コードワークなど主に学ぶ。

卒業後、ボイストレーナーとして突き詰めるため、各分野のエキスパートに師事。並行して、ミュージシャンとしても本格始動。舞台やCM・テレビ番組などに楽曲を提供する一方、ボイストレーナーとして大手音楽スクールでレッスンを始める。テレビ番組にもボイストレーナーとして多数出演。
(ピアノ講師としてテレビ番組「お願い!ランキング」にも出演)

主な指導対象生徒は、大手事務所所属アイドル、俳優、舞台役者、声優、タレント、モデル、シンガー、バンドボーカリストから、保育士、僧侶、講演家、学者まで多岐に渡る。

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