自分の声が嫌い!好きになるためのボイトレ方法とは?

2021/06/08

投稿者: 河野ひかり

自分の声が嫌い!好きになるためのボイトレ方法とは?

自分の声が嫌いだと思ってしまう大きな原因は、録音をした声と、自分自身が認識している声とが違うため、違和感が生まれるためです。自分の録音した声を客観的に聞けるようになると、好きになれるだけでなく、歌やスピーチの上達にもつながります。自分の声を好きになる方法と、ボイストレーニングについて解説します。

自分の声を嫌いになる原因は録音した声と自分の聞いている声の違い

「自分の声が嫌い」「気持ち悪い」と感じてしまうのは、認識している自分の声と録音された声とが違うためです。

録音された声は自分自身が聞いている声ではない

声は空気の振動が音として耳に伝わります。普段聞いている他人の声は純粋な空気の振動のみを耳にしているため、録音をしても同じように聞こえます。

逆に、普段聞いている自分の声は、空気の振動により伝わる音と、骨の振動が直接耳に届く音、2つの音が合わさることで、「自分の声」として認識しています。

そのため、自分の声を録音して聞くと、普段聞いている骨の振動音は聞こえず、空気の振動した音のみを聞くため、「自分の声ではない」という違和感を覚えます。この違和感が「自分の声は変」「嫌い」という思いを持ってしまう原因です。

録音した自分の声を聞きなれていない

普段、空気振動のみの「自分の声」を聞き慣れていないことも、嫌いになる一因です。骨の振動で伝わる声は、空気振動で伝わる声よりも低く響きます。

そのため、録音した自分の声はイメージよりも高い場合が多く、その声に慣れていないことも嫌いになる要因でしょう。

発声方法に問題がある可能性も

また、自分の声を聞いているときに、「滑舌が悪い」「声に張りがない」「語尾を伸ばしている」など、自分では気が付かなかった悪い癖が耳についてしまうのも、嫌いになる理由のひとつです。自分の癖は自覚するのが難しい分、録音で露わとなると、嫌悪感も増してしまうでしょう。

自分の声を好きになるための考え方と方法

スマートフォンに発声する男性

自分の声を好きになることは、歌の上達につながる、自信を持って人前で話せるなど、多くのメリットがあります。自分の声を好きになる考え方と方法について解説します。

自分の声を録音して何度も聞いて慣れる

まずは自分の声(空気振動の音)に慣れることから始めましょう。何度も聞いて慣れしまえば、声自体への違和感が和らぐため、嫌いだという印象も薄くなっていきます。

録音する声は、歌でもスピーチでも問題ありません。できれば、一番上達したい、好きになりたいと思っている音声が望ましいでしょう。

録音をしたあとは、30分程度聞き返してみましょう。何度も聞くことで、自分の声を客観的に聞くことができるようになります。

自分の声の好きなところを見つける

何度も自分の声を聞いて慣れてくると、好きな発声やトーンが見つかるはずです。まずは自分の声の嫌いな部分に注目するのではなく、好きな部分を探してみましよう。

好きな声が見つかったら、そのときの状況を思い出して、何度もその声を練習します。

ここまでできれば、自分の声が嫌いという思いは、だいぶ緩和されているでしょう。

なりたい声のイメージを具体的にする

自分の声を客観的に、違和感なく聞けるようになったら、次は理想の声のイメージを具体的にあげていきます。声優や歌手などの声でも良いですが、その声のどんなところが理想的か、理由を整理してみましょう。

下記のように、書いて整理するのがおすすめです。

  • 今より低い声にしたい
  • 今より高い声にしたい
  • はっきりと喋りたい
  • 通る声にしたい
  • 優しい声にしたい
  • 明るい声にしたい

このときのポイントは、理想的でないからと、自分の声を否定するのは止めましょう。あくまでも「もっと好きになるにはどうすれば良いか」「理想に近づくには何ができるか」と、自分の声を活かすことを念頭においてイメージしてみましょう。

自分の声の直したいところを見つけ修正する

理想の声のイメージが固まったら、次は、自分の声の改善点を見つけます。たとえば、「もっと低めの声で喋ると理想に近づける」、「滑舌が良くなると歌が聞き取りやすくなる」などです。

直したい部分が具体的に見つかった後は、何度も改善を繰り返して理想に近づけていきましょう。このときも、自分の声を録音して修正していくのがおすすめです。

また、修正方法としては、ボイストレーニングなどを活用するのもよいでしょう。

自分の声を好きになるための練習方法

マイクに向かって発声する女性

正しい姿勢や腹式呼吸など、発声の基本となる部分を見直すだけで、声のイメージは大きく変わります。基本を行ったうえで、ボイストレーニングで理想の声に近づけましょう。

正しい姿勢で発声する

声と姿勢は密接に関係しています。声が通らない、響かないときは、姿勢を見直してみましょう。また、顎を前に出して喋るのも良くありません。

下記のように、正しい姿勢を意識しましょう。

  • 足は肩幅より少し広く開く
  • 足の裏全体に体重をかけしっかりと立つ
  • 目線はしっかりと前を向き高さを保つ
  • 頭のてっぺんから足までまっすぐに伸びる線を意識して立つ。

立っているときは体のどこにも無理な力をかけず、リラックスして背骨がS字のカーブを描く状態が理想です。

腹式呼吸

呼吸には「胸式呼吸」と「腹式呼吸」があります。「胸式呼吸」は日常的に行っている胸が動く呼吸です。「腹式呼吸」は、横隔膜を大きく動かすため、腹部が動く呼吸です。

腹式呼吸は胸式呼吸より呼吸量が多くなるため、その分、声量や長さが増します。

声が小さい、張りがない、息が続かないときは、「腹式呼吸」を試してみましょう。リラックスしているときに行う呼吸のため、慣れていないときは仰向けになって練習するとよいでしょう。

  • 仰向けに寝た状態で膝を立て腹に手をあてる(膝を立てることで横隔膜が開きやすくなる)
  • 腹をへこませるように、ゆっくりと6秒程度かけて口から息を吐ききる
  • 腹を膨らませるように、3秒程度かけて鼻から息を吸う

上記を何度か繰り返しましょう。毎日10分程度行うことで、腹式呼吸が身に付くでしょう。

母音法

滑舌が悪く聞き取りづらい場合は、言葉の母音のみを集中的に発音する「母音法」がおすすめです。母音は日本語のベースとなる音のため、それぞれの発音が明瞭になるだけで、言葉そのものが聞き取りやすくなる効果があります。

たとえば、下記のように練習します。

  • 「おはようございます」を母音に分解する
  • 「おあおうおあいあう」をはっきりと発声する
  • 次に「おはようございます」を発声する

これを何度か繰り返します。母音を発音する際は、それぞれの音が持つ口の形も意識するとよいでしょう。

母音法は、滑舌の改善だけでなく、しっかりと相手に聞き取ってほしい言葉(名前や挨拶など)にも使えるため、即効性がある点も魅力的な練習方法です。

自分の声を理解して理想の声に近づこう!

自分の声が嫌いになるのは、普段自分が聞いている声(骨伝導と空気振動)と、録音した声(空気振動のみ)に違いがあることが原因です。

克服するためには、何度も録音した自分の声を聞いて慣れてから、客観的に好きなところ、直したいところを見つけることがポイントです。

滑舌や腹式呼吸など、ある程度自分で練習して克服できるものもありますが、声優や歌手など、さらに上を目指している方は、本格的なボイストレーニングを受けることもおすすめです。

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大阪出身。ビジュアルアーツ専門学校音響芸術学科卒業。

専門学校では、ボイストレーニングのベースとなる音楽理論、作曲理論、楽曲アレンジ、歌の伴奏等で必要なピアノのアレンジ、コードワークなど主に学ぶ。

卒業後、ボイストレーナーとして突き詰めるため、各分野のエキスパートに師事。並行して、ミュージシャンとしても本格始動。舞台やCM・テレビ番組などに楽曲を提供する一方、ボイストレーナーとして大手音楽スクールでレッスンを始める。テレビ番組にもボイストレーナーとして多数出演。
(ピアノ講師としてテレビ番組「お願い!ランキング」にも出演)

主な指導対象生徒は、大手事務所所属アイドル、俳優、舞台役者、声優、タレント、モデル、シンガー、バンドボーカリストから、保育士、僧侶、講演家、学者まで多岐に渡る。

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