歌う前のウォーミングアップ方法やその重要性を解説
歌の練習
2021/06/22
運動をするときと同じように、歌う前にもウォーミングアップが重要です。まずはストレッチで筋肉をほぐし、血流を促進して体を温めましょう。喉が開き、正しい腹式呼吸で発声できます。
発声練習はリップロール、タングトリル、ハミングがおすすめです。喉周りの筋肉をほぐしたり、正しい腹式呼吸ができているかどうかを確認できます。
今回は、歌う前に行っておきたいウォーミングアップの方法や、その重要性、注意点について解説します。
歌う前のウォーミングアップ方法
歌う前は、いきなり歌い出すのではなく、ウォーミングアップが必要です。声帯を痛めず良い歌声を出すためには、次の紹介するストレッチと発声練習をきちんと行いましょう。
4つのストレッチで全身の筋肉をほぐして体を温める
歌う前のストレッチで体の筋肉をほぐして体を温めましょう。ストレッチを行う部位は、次の4つです。
1. 首のストレッチ
首周りのストレッチは、喉元の血流を良くして温める効果があります。
まずは首をゆっくり回します。次に、首をかしげるようにゆっくり倒して数秒間キープし、首の筋を伸ばしましょう。左右どちらも行ってください。
続いて天井を見上げるように首を上げ、あごやのどの筋を伸ばします。最後に首の付根や鎖骨周りを優しくマッサージしましょう。
2. 表情筋のストレッチ
表情筋のストレッチは、声音を使い分けるために必要なウォーミングアップです。まず、「イ」を発声するときの口の動きで笑顔を作ります。続いて、「ウ」を発声するときの口の動きで、唇を突き出します。この2つの表情を交互に行いましょう。今度は、「ア」の口の動きで、口を大きく開けます。最後に「ア」と「ウ」の表情を交互に行います。
3. 喉(舌根)のストレッチ
喉をほぐして発声や発音を良くするために、喉の内側や舌根のストレッチを行いましょう。
まずは全身をリラックスして深呼吸し、舌を前に出して舌根を伸ばします。次に、伸ばした舌を下の歯に付け、口を大きく開けましょう。あくびをするように、ゆっくりと開けるのがポイントです。
4. 肩のストレッチ
歌うときは全身をリラックスさせることが大切です。肩が凝っていると余計な力が入ってしまうため、丁寧にほぐしておきましょう。
肩のストレッチは立った状態で行います。まずは両手をそれぞれの肩に添え、肘を前に突き出します。続いて、肘を内側から外側にぐるぐると20周回しましょう。最後に、今度は外側から内側に20周回して終了です。
5. 股関節のストレッチ
腹式呼吸でより大きな通る声を出すためには、股関節のストレッチで可動域を広げ、体の重心を安定させることが大切です。
まず、座った状態であぐらをかきましょう。次に、両方の足の裏をゆっくりと合わせます。20秒間深呼吸をしてから、今度は上半身をゆっくりと前に倒していきます。股関節が痛いかな?と思うところで体を倒すのを止め、そのまま30秒間キープしましょう。
歌う前に行っておきたい3つの発声練習
ストレッチが終わったら、歌う前のもう1つのウォーミングアップとして、次のに挙げる3つの発声練習を行いましょう。
1. リップロール
リップロールとは、唇を閉じた状態で息を吐き、唇をブルブルと振動させる発声練習です。表情筋がほぐれるだけでなく、横隔膜や喚声点の鍛錬としても効果的です。
リップロールのポイントは、リラックスして行うこと、息を吐く強さや量を一定に保つことです。はじめのうちは頬に指を当てて表情筋を支えたり、唇を濡らしたりするとやりやすいでしょう。
2. タングトリル
声帯周りの筋肉をほぐすなら、タングトリルがおすすめです。喉が開き、滑舌も良くなります。
タングトリルは、上の歯に舌先を軽くあてて軽く息を吐き、舌がブルブルと震えたら成功です。上手くいかない場合は、「らりるれろ」を発音しながら行ってみましょう。
3. ハミング
口を閉じたまま歌うハミング(鼻歌)は、正しい腹式呼吸ができているかどうかを確認するためのウォーミングアップです。
まずは、全身の力を抜いて、鼻先に「ア」や「ウ」などの母音を響かせます。上手くいったら、自分の歌いやすい曲や好きな曲をハミングしてみましょう。このとき、唇の裏や鼻腔が震えるような感覚があれば、正しい腹式呼吸でハミングができている証拠です。
歌う前のウォーミングアップが大切な3つの理由
歌う前のストレッチや発声練習が大切な理由としては、次の3つが挙げられます。
1. 喉に余計な負担をかけて傷めないようにするため
ウォーミングアップをせずにいきなり歌うと、声帯に負担がかかり、喉を痛めてしまいます。喉の筋肉をほぐしたり、発声練習を行うことで、声帯が準備が整えられます。
2. 筋肉をほぐしてリラックスした状態で歌えるようにするため
歌唱に欠かせない腹式呼吸を正しく行うには、全身がリラックスした状態でなければなりません。ストレッチで首や肩、表情筋、股関節などの筋肉をほぐすことで、体が良い感じに脱力し、無理なく声が出るようになります。
腹式呼吸はハミングの発声練習にも必要なテクニックです。
3. 血流を促進して体温を上げる
喉にできるだけ負担をかけないためには、体を温めることも重要です。体が温まっていないうちから歌い出すと、発声が上手く行かず、声帯を痛めてしまう可能性があります。
ストレッチ→発声練習のウォーミングアップで筋肉をほぐせば、血流を触診して体温が上がり、喉も温まります。脳の活性化にもつながるため、明るい表情で生き生きと歌うことができるでしょう。
歌う前のウォーミングアップで注意すること
歌う前のウォーミングアップの際は、次の3つのポイントに注意しましょう。
- 発声練習は姿勢と表情を意識して行う
- 喉声で発声練習しない
- 喉の調子が悪いと感じたら無理せず練習をやめる
発声練習を行うときは、背筋を伸ばし、正しい姿勢で行いましょう。猫背では喉が開かず、喉声になってしまいます。正しい姿勢で全身をリラックスさせて、上顎を使って発声することを心がけましょう。
また、歌うときの表情が変われば、同じフレーズを歌ったときの音の明暗や雰囲気がガラリと変化します。口角の上げ下げ、口の開け方など、表情にも意識を向けてみましょう。
ウォーミングアップ中、喉の調子が良くない、いつもよりも声が出ない、出しにくいと感じたら、無理をせず練習を中断することも大切です。
無理をして声帯を痛めてしまってはせっかくのウォーミングアップも意味がありません。
喉を傷めないためにはウォーミングアップで喉の温めることが大切
筋肉が緊張し体温が上がらないうちに歌っても、思うような声は出せません。喉を痛める原因にもなるため、ストレッチや発声練習で筋肉をほぐし、体を温めておきましょう。
ウォーミングアップの際は、姿勢や表情を意識すること、喉だけで発声しないようにすること、調子が悪いと感じたら、無理をしないことが大切です。
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