「ロングトーンとはどんな歌唱法?」
「ロングトーンは何秒続ければいいの?」
「ロングトーンのコツはあるの?」
このような疑問を持つ人もいるでしょう。
ロングトーンは表現力の幅を広げてくれる魅力的な歌唱テクニックで、身につけたいテクニックの1つです。この記事ではロングトーンの練習方法やコツ、参考にしたい歌手を紹介します。ロングトーンについて知りたい人はぜひ参考にしてください。
ロングトーンとは、一回の呼吸で同じ高さの音を長く発声し続ける歌唱法です。音程を揺らさずまっすぐ一定の高さを保ち続けて歌います。「声を長く伸ばす」テクニックですが、超絶技巧の1つとして数えてもよいほど、難易度が高いテクニックです。
ロングトーンはカラオケの評価基準にも採用されています。
ロングトーンの習得は、歌の上達やカラオケの点数アップを狙う人にとって重要なテクニックなのです。
ここでは、ロングトーンの練習で得られる効果について具体的に解説します。
ロングトーンの練習によって、息(呼気)を効率よく吐き出せるようになります。そのことから、長く伸ばすときに音程がブレなくなったり、安定した声量を出せるようになったりします。
長く安定した声を出す練習は、難易度は高いものの、発声方法の基礎練習とも言えます。
ロングトーンを効果的に使うことで、記憶に残る歌声にする効果が期待できます。ロングトーンは、盛り上がるサビや余韻を残したい曲のラストによく使われます。
クラシックではオペラの見せ場の1つとしてよく用いられるため、必須と言えます。好きな歌手の歌い方を研究し声の太さや明るさ、口の開け方や息の量など参考にしてみてください。
ここでは、ロングトーンが上手くなる練習方法について具体的に解説します。
ロングトーンには安定した呼吸が大切です。声を出す前に呼吸法を練習すると最後まで歌いきる声量が出せるようになるでしょう。
長く息を吐くには、横隔膜を使った腹式呼吸がポイントです。腹式呼吸は、吸った息をコントロールしながら吐き出すのに適した呼吸法です。少し前傾姿勢を取ってみると、肩が固定され、呼吸と連動し、お腹が動くのがわかるでしょう。その状態でできるだけ長く息を吐き出すことを繰り返します。
タイムを測って、一秒でも長く吐き出せるようにする練習も効果的です。
ちなみに、息を吐き出す方法も大切です。
おすすめの吐き出し方を2つ紹介します。
1つ目は「歯と歯を合わせて、その間からスーッと吐き出す」方法です。
英語の発音における「s」の音です。無声歯茎摩擦音とも呼ばれています。
2つ目は「口と喉を開けて、喉の奥で息を吸って吐く」方法です。
喉の奥で呼吸をすると、ひんやりと冷たい感触が得られるはずです。
その際に、「あっ」と破裂音が生じないよう気をつけてください。
ゆっくりと息を吸い込み、大量に息が吸えたと思ったら、同じように静かにゆっくりと吐き出す。これを繰り返すことで、吸える息と吐ける息の量が増します。
腹式呼吸については、以下の記事でも詳しく解説していますので参考にしてみてください。
【あわせて読みたい】お腹から声を出す方法やボイストレーニングのコツを解説
腹式呼吸で長く息が吐けるようになったら、リップロールにチャレンジしてみましょう。リップロールとは唇を震わせる運動です。習得すれば歌に適した息の量が吐けるようになる効果が期待できます。
リップロールは、唇を閉じたまま口から息を吐く練習から始めます。唇が上手く震えるようになったら声を出し、さまざまな音程を出してみましょう。
リップロールについては、以下の記事でも詳しく解説していますので参考にしてみてください。
【あわせて読みたい】リップロールの基本的なやり方やおすすめの練習法を紹介
シンプルな話ですが、長く安定して息を吐くためには、吐き出せる息の量が多いことも重要です。
そのためには吸える息の量を増やすこともポイントです。
ボイストレーニングではありませんが、有酸素運動などによって心肺機能を高めることは歌を歌う際にも役に立ちます。
健康状態に気をつけながら取り入れてみてください。
ここでは、ロングトーンを出す5つのコツを具体的に解説します。
ロングトーン習得のために、ぜひ参考にしてみてくださいね。
逆説的ですが、ロングトーンができている時は首周りの力が抜けています。
そのため、普段から首に力が入ってしまう方は敢えて別の場所に力を入れて発声してみると上手くいくかもしれません。
お腹や唇などに力を入れるだけで成功する方も少なくありません。
ロングトーンのとき、首やあごが上下に動いてしまう人は要注意です。
パフォーマンスとして体を動かしながら歌う方でも、ロングトーンのところだけは静止して声を出すことに集中してみるのも、成功度が上がる秘訣です。
体幹を鍛えるとお腹に力をいれることで声が支えやすくなります。
部位によって鍛え方が異なりますが、インナーマッスル(腹横筋)と呼ばれる部分を鍛えると効果的です。
安定したロングトーンが出るようになるだけでなく、姿勢がよくなり声量アップにもつながるので、体幹トレーニングを取り入れましょう。
【あわせて読みたい】ボーカルと腹筋の関係を正しく理解して歌唱力を上げるには?
自分でロングトーンを練習するなら、録音アプリの利用がおすすめです。音がずれていないか客観的にチェックできます。定期的に録音し、トレーニングに生かしましょう。
「ロングトーンを自分で練習するのは難しい」と感じる人にはボイトレ教室に通うのもおすすめです。講師が歌声を分析し、ロングトーンの習得に必要な練習を考えてくれます。プロの目でチェックしてもらえるので、正しいトレーニングが身につくでしょう。
ボイトレ教室ではプロの指導によるトレーニングが受けられ、効率よく練習できます。独学で上達を実感できない場合も、ボイトレ教室の利用を考えてみましょう.
ロングトーンを効果的に使うには、上手な歌手の歌い方を参考にしましょう。ここではプロのボイストレーナーも認めるロングトーンが上手い歌手について紹介します。
ここでは5人の男性歌手をピックアップしました。
【西川貴教】
圧倒的な声量で迫力ある歌声の西川貴教さん。ロングトーンが無理なく歌えるのは声量や音程がぶれず安定しているためです。筋トレや健康管理で長時間のライブに耐えられる体作りをしているのも、安定した声の秘訣かもしれません。
西川さんの曲でロングトーンを参考にするなら「THUNDERBIRD」「FREEDOM」がおすすめです。
【優里】
ハスキーな歌声で高音から低音まで力強く歌い上げる優里さん。自らのYouTubeチャンネルで20秒超えのロングトーンを披露しています。歌の中でも音程のブレがなく声量豊かなロングトーンを使いこなしているのが魅力です。
ロングトーンが印象的な優里さんの曲は「ガリレオは恋をする」「恋人じゃなくなった日」「ビリミリオン」です。
【玉置浩二】
圧倒的な表現力で聞く人を魅了する玉置浩二さん。ぶれない声でどこまでも響くロングトーンが特徴です。
ロングトーンのお手本となる玉置さんの曲はたくさんあります。中でも「君がいないから」「夜想」のロングトーンは必聴です。
【Official髭男dism 藤原聡】
高音やファルセットが魅力的な藤原聡さんは、楽曲で伸びやかなロングトーンを披露しています。声量を保ったまま高音が出せるので、ロングトーンでもしっかり声が出ています。
藤原さんのロングトーンを参考にするなら「Pretender」「夕暮れ沿い」がおすすめです。
【Luciano Pavarotti】
オペラ界の巨匠として知られるLuciano Pavarott(ルチアーノ・パヴァロッティ)さん。圧倒的な声量と息の長さで、聴衆を魅了するロングトーンが特徴です。
パヴァロッティさんのロングトーンは、豊かな響きと安定した音程が特徴で、聴く者を圧倒します。
パヴァロッティさんのロングトーンを参考にするなら「ネッスン・ドルマ」や「オー・ソレ・ミオ」などがおすすめです。
ここでは5人の女性歌手をピックアップしました。
【平原綾香】
平原綾香さんは、低音部の深く響く歌声が特徴的です。やさしさを感じる歌声は聞く人の心を癒します。
平原さんの曲でロングトーンの参考になるのは「Jupiter」です。音程の変化が少ないので練習曲にもぴったりです。
【中島美嘉】
中島美嘉さんは共鳴を生かした歌声が特徴の歌手です。ロングトーンを使った曲も多く、参考になるでしょう。
中島さんの曲では「雪の華」「STARS」のロングトーンがお手本になります。高音が出しやすい人の練習曲にもおすすめです。
【Lisa】
「鬼滅の刃」などアニソンで有名なLisaさん。明るく力強い歌声でアニメの世界観を表現する人気アーティストです。
Lisaさんの曲でロングトーンのお手本にするなら「紅蓮華」「炎」がおすすめです。力強い発声で見事なロングトーンを披露しています。
【絢香】
裏声でも力強く歌い上げる絢香さん。ウィスパーボイスも使いこなし、表現力豊かな歌声が特徴です。
絢香さんの曲でロングトーンのお手本になるのは「三日月」「にじいろ」です。声が低めな人の練習曲にもおすすめです。
【JUJU】
明るく軽やかな歌声が魅力的なJUJUさん。1つの音を長く伸ばすなめらかな歌い方が特徴です。
JUJUさんの曲では「やさしさで溢れるように」がロングトーンのお手本にぴったりです。伸びやかなロングトーンを目指す人の練習曲にもおすすめです。
ロングトーンを使いこなすと聞き手の心に余韻を残す歌い方ができるようになります。表現力の幅が広がるほか、カラオケの点数アップにつながることからぜひ練習したいテクニックです。
自力でロングトーンを練習するには、安定した呼吸を意識しましょう。長く吐く練習からスタートし、出しやすい声で安定した声量が保てるようトレーニングします。チューナーアプリや録音アプリを使って、理想のロングトーンに近づけているかチェックするとよいでしょう。
「ロングトーンを自力で習得するのは難しい」と感じている人は、ボイトレ教室がおすすめです。プロの講師が必要なレッスンを考えてくれるので、効率的なトレーニングができます。ボイトレ教室を選ぶ際は、講師の質や費用、通いやすさもチェックしましょう。
新宿・渋谷・池袋・赤羽エリアのボイトレ教室なら、Beeボーカルスクールがおすすめです。経験豊富なプロのインストラクターの指導で歌唱力アップが実感できます。個別カウンセリングで歌の悩みを相談でき、目的に合ったカリキュラムを組んでもらえるのも魅力です。
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