高音が裏返る原因や防ぐための3つの対処法を紹介
上達への近道
2021/07/30
歌っていて高音パートに差し掛かったとき、声が裏返ってしまった経験がある人は少なくないはずです。
どうして高音を出そうとすると、声が裏返ってしまうのでしょうか。
今回は、高音が裏返る原因や防ぐための対処法について解説します。
男性にも女性にも共通する原因や対処法ですので、悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
高音が裏返る原因
ちょっと高音を出そうとしただけなのに声が裏返ってしまうと恥ずかしいですよね。
どうして高音が裏返ってしまうのか、その原因を知っておきましょう。
1. 呼吸が不安定になっている
声が出るのは、呼吸をしたときに出る空気を声帯で振動させているからです。「高音を出そう」と意識しすぎると、息を吐きすぎてしまうことがあります。
このとき、呼吸が不安定になり、声がコントロールできなくなって裏返ってしまうことがあるのです。
歌っているときに限らず、緊張していたりテンションが上がったりして、思わずいつもより高いトーンの声が出てしまったことがある人もいるでしょう。
このときも緊張やテンションが上がったことが原因で息を出しすぎてしまい、呼吸が不安定になっているのです。
2. 喉が閉まっている
「高音を出そう」と力んでしまったことで喉が閉まってしまい、声が裏返ってしまうことがあります。
元々あまり音域が広くない人が自分の音域より高い声を無理矢理出そうとするとき、どうしても力が入ってしまうことが多いのです。
喉が閉まっている状態というのは、咳払いをするときの状態と同じです。
喉の奥の空間が狭くなっているのに、そこから声を出そうとしても息がまっすぐ出ず、うまくコントロールできなくて裏返ってしまいます。
カラオケなどで高音パートを歌うとき、無意識に力を入れている人は要注意です。
声が裏返りやすい人は、自分が高音を出すときに力んでいないか意識してみましょう。
3. 発声するときに体がうまく使えていない
発声するときに体がうまく使えないと声が裏返ってしまうことがあります。正しい発声をするためには、背筋を伸ばした正しい姿勢である必要があります。
それにもかかわらず、どこか一箇所にだけ集中していると体のバランスが崩れてしまうのです。
特にお腹・肩・胸・アゴが正しい位置にあるかをチェックしてみましょう。
4. 声帯に疲れが溜まっている
声帯は見えるものではないのであまり意識できないかもしれませんが、歌いすぎや練習のしすぎ、喋りすぎは声帯に疲労を溜める原因になります。
生体の表面には粘膜があるのですが、酷使しすぎると粘膜が傷ついてしまうのです。
頻繁に声が裏返ったり、喉に違和感を感じるときは声帯が疲れているのかもしれません。
また、声帯には筋肉がありますが、この筋肉疲労によっても声が裏返ることがあります。
普段と違う発声練習を長時間したときには特に注意が必要です。
5. 声帯を閉じる力が弱い
私たちが声を出しているとき、声帯はピッタリ閉じている状態にあります。
生まれつきや声帯がダメージを負ったことによってピッタリくっつかなくなると、声帯の隙間から空気が漏れてハスキーボイスになります。
また風邪のときは声帯を閉じる力が弱まっているため、声がかすれてしまうことがあります。
ボイストレーニングを始めたばかりの人のなかには、発声法を意識することで以前より裏返りやすくなった人もいるかもしれませんが、これは喉が鍛えられて慣れてくれば少しずつ改善するようになります。
6. 変声期や喉の異変
変声期は声帯に変化が起こっている状態ですので、通常時よりも声が頻繁に裏返ってしまう人もいます。
これは成長の段階に起きることで医学的な原因なので、トレーニングで直すことはできません。
変声期ではないのに声が頻繁に裏返るという人は、何らかの異変が喉に起きている可能性もあります。
あまりにも声が裏返ることが多いのであれば、一度お医者さんに診てもらうと安心です。
高音が裏返るタイミング
声帯は左右にひだがあり、これを打ち合うことで音を鳴らします。これが声です。
左右の声帯はそれぞれ層になっているのですが、一番下の層が声帯筋束、その上にある2つの層が声帯靭帯・粘膜上皮と呼ばれます。
地声を出すときは一番下の層の声帯筋がぶつかり合って声が出ます。
裏声を出すときは粘膜上皮だけがぶつかり合って声を出すので、地声より柔らかく薄い声が出るのです。
音程を上げて声を出すときは声帯が伸びるのですが、声帯は伸びると薄くなります。
適切に伸ばされず、厚い声帯のまま高音へ昇っていくと、あるところで一瞬声帯が収縮し、その後で対になっている声帯と声帯が離れてしまいます。
これが声が裏返っているときに起きていることです。
高音が裏返ることを防ぐには?
声が裏返ってしまう原因やタイミングが理解できたら、次は高音で裏返ってしまうのを避ける方法を知って防ぎましょう。
1. 正しい発声方法をマスターして息の吐きすぎを防ぐ
緊張しているときやテンションが上がったときに声が裏返ってしまう場合、正しい発声をマスターすることで声の裏返りを防ぐことができます。
正しい発声をするには、まずまっすぐ立って軽く息を吐き、全身の力を抜きましょう。
軽く上目遣いをしながら、舌先は下の歯の裏につけます。下の先に飴玉が乗っていることをイメージしましょう。
そこでアヒル口を作り、声を出します。もし体に力が入ってしまうなら軽く膝を曲げて、力が入りづらくしてみてください。
この方法で発声することで、息を吐きすぎてしまうのを防ぐことができます。
すぐにはできないかもしれませんが、繰り返しこの方法で発声練習をすれば、緊張しているときやテンションが上がったときでも声が裏返りづらくなりますよ。
2. ミックスボイスをマスターする
歌っているときに声が裏返ってしまうのは、地声と裏声の換声点でうまく声を出せていないことが問題です。
地声と裏声の換声点関係なく高音が出せるようになるためには、ミックスボイスをマスターしましょう。
ミックスボイスは地声と裏声の中間で地声のような声量と裏声のような伸びやかさをキープした状態の声のことです。
実はプロのアーティストの多くは、裏声で歌っているように感じられてもこのミックスボイス(もしくはヘッドボイス)を使っています。
3. 疲れているときはしっかり休ませる
声帯を酷使した後や風邪などの後に声が裏返ってしまう場合は、何よりも喉を休ませることが大切です。
喉に疲れを感じるときはしっかり休ませましょう。改善されない場合は病院を受診してください。
高音で声が裏返りづらくすることはできる
声が裏返ってしまうのはしまうのは声帯の仕組みによるものですが、発声法を変えれば高音でも声が裏返りづらくすることは可能です。
普段から意識してトレーニングして、歌っているときも喋っているときも裏返らないように予防しましょう。
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