歌の練習時間はどのくらい?喉の限界や上達度について解説

歌の練習

2021/08/20

投稿者: 西 貴正

歌の練習時間はどのくらい?喉の限界や上達度について解説

歌に限らず、スポーツでも芸術でも、うまくなるためには練習を重ねる必要があります。

一般的には、練習量と上達度は比例するといいますが、歌に関してはどのくらい練習するのがベストなのでしょうか。

今回は、プロを目指す人の歌の練習時間や、練習時間と喉の関係、練習時間に比例した上達度について、わかりやすく解説します。

歌の練習時間はどのくらいがベスト?

趣味の範囲ではなく、プロアーティストとしてデビューを目指している方は、歌中心の生活を送る必要があります。

ただ、歌中心の生活=1日の大半を歌の練習に費やすというわけではありません。

具体的な練習量は、声帯の強さやライフスタイルなどによって異なりますが、趣味で楽しみたい方なら1日あたり40分~1時間程度、プロを目指す方でも1日1時間~1時間半くらいが目安といわれています。

なお、この練習時間の中には、ウォーミングアップやクールダウンの時間も含まれています。

時間がないからといって、ウォーミングアップやクールダウンの時間を短縮またはカットすると、1時間に満たない練習でも声帯を痛めるリスクがアップします。

ウォーミングアップとクールダウンにそれぞれ10~15分の時間を費やした場合、実際にボイトレや歌の練習をするのは正味30分~1時間程度になります。

歌の練習は毎日やるべき?

歌を上達させるためには、定期的にコツコツと練習することが大切です。しかし、無理に毎日練習しようとすると、知らないうちに喉を痛めてしまう可能性があります。

歌の練習時間と喉の関係については後述しますが、一度声帯を痛めると回復までに時間がかかってしまい、かえって大きなタイムロスになってしまいます。

効率よく歌を上達させたいのなら、1週間のうち1日~2日程度は「休声日」を入れて、喉を疲労させすぎないよう注意しましょう。

歌の練習時間と喉の関係

喉を手で触る女性

半日かけて練習するケースも少なくないスポーツなどの例に比べると、最長でも1時間半という練習時間は、やや物足りなく思えるかもしれません。

しかし、声帯への負担をかけると、3時間も4時間もボイトレや歌の練習を行うのは効果的とはいえません。

特に歌を歌う場合は高音と低音をひんぱんに使い分けますが、音の高低を調節するには声帯の厚さや形状をめまぐるしく変化させなければならないので、声帯に大きな負担がかかります。

長時間歌い続けると、声帯を動かす筋肉が疲弊するのはもちろん、喉の粘膜に炎症を起こす原因となります。

歌の練習時間と喉への影響の関連性を調べた研究によると、一般人の多くは1回あたり1時間程度の練習で疲労を自覚し始め、練習時間が3時間を超えると、約半数の人に何らかの喉の痛みなどの症状が発生したそうです。[注1]

特に女性は男性に比べて毎秒あたりの声帯の振動回数が多いことから、歌の練習にともなう疲労感を覚えやすい傾向にあります。

少々のダメージなら時間の経過とともに回復していきますが、長時間歌う生活を続けていると、声帯ポリープができてしまうおそれがあります。

プロを目指すレベルの方は、通常の人よりも声帯が鍛えられていますが、1日1時間半を超える練習はオーバートレーニングになりますので注意しましょう。

[注1]東京大学医学部耳鼻咽喉科学教室:歌唱者の練習時間と喉頭所見に関する研究[pdf]

歌の練習時間はライフスタイルに合わせて調節が必要

歌の練習時間は1日あたり1時間~1時間半がおすすめと説明しましたが、あくまで目安であり、実際の練習時間はライフスタイルや習熟度に合わせて微調整するのが理想です。

たとえば、元気よく声を出さなければいけない接客業の方や、一日中電話で話し続けなければならないコールセンターのようなお仕事に就いている方は、一般的な人よりも喉を酷使しやすい生活を送っています。

そういった方が1日1時間~1時間半の練習を続けると、喉を痛めてしまうリスクが高くなります。

また、プロを目指して歌の練習を始めたばかりという方も、声帯が十分に鍛えられていない状態なので、いきなり1日1時間の練習からスタートすると、喉に負担をかけてしまうおそれがあります。

このような場合は、慣れるまで1日40分程度の練習からスタートし、喉の調子を見ながら徐々に練習時間を延ばしていくとよいでしょう。

歌の練習時間に比例した上達度

いくら喉のためとはいえ、1日1時間~1時間半程度の練習では、上達スピードも遅くなってしまうのでは…と不安に思う方も多いでしょう。

確かに練習量と上達度が比例するケースもありますが、歌の練習に関していえば、必ずしも練習量と上達度は比例しません。

過度な練習は喉を痛めるリスクを高めるだけでなく、集中力の低下を招き、練習そのものの質が下がりやすいからです。

発声のときは複数の筋肉を使いますが、集中力が低下しているとうまく筋肉を使えなくなり、伸びのある声を出しづらくなります。

筋肉を使わずに喉だけで歌おうとすると、声帯に余計な負担がかかる原因にもなりますので、練習すればするほど上達するという考えは持たない方が無難です。

正しい方法で、集中的に練習すれば、短時間でも効率よく歌を上達させられますので、焦ってオーバートレーニングにならないよう注意が必要です。

短時間で効率よく練習するためのポイント

歌の練習をする女性

歌の練習の質を高めるために知っておきたいコツやポイントを2つご紹介します。

1. 練習するタイミングを決める

プロを目指して日々練習している人のほとんどは、学業・仕事と歌を両立させる生活を送っています。

日中学校や会社に行っている人が、毎日決まった練習時間を確保するのはなかなか難しく、忙しい日々が続くと練習がおろそかになりがちです。

そんなときは、練習スケジュールを時間ではなく、タイミングで決めるのがおすすめです。

たとえば「18時から練習する」と時間でスケジュールを組んでしまうと、残業などで帰宅が遅れた場合、「今日は18時に間に合わなかったから練習はパス」となってしまうおそれがあります。

一方、「夕飯を食べた後に練習する」「お風呂に入る前に練習する」など、練習するタイミングを決めておけば、時間に関係なく一定のタイミングで練習する習慣をつけることができます。

2. 集中できる環境を作る

ボイトレや歌の練習は自宅でもできますが、建物の防音設備がしっかりしていないと、周囲の音が聞こえたり、あるいは近隣の人に気を遣ったりして、なかなか練習に集中できないことがあります。

見慣れた自室だとオンとオフの切り替えも難しいので、たまにはスタジオを借りたり、カラオケルームに行ったりして、歌に集中できる環境で練習してみましょう。

ボイトレ教室に通えば、気が引き締まりますし、プロの指導も受けられて一石二鳥です。

歌の練習は1日1時間~1時間半でOK!過度な練習は逆効果になることも

プロを目指している方は、毎日張り切って練習してしまいがちですが、過度なトレーニングを繰り返すと声帯や喉の粘膜を痛めてしまい、回復までに時間がかかってしまいます。

歌の練習は、ウォーミングアップやクールダウンの時間を含めても1日1時間~1時間半程度に留め、オーバートレーニングには十分注意するようにしましょう。

短時間であっても、集中できる環境下でコツコツ練習していれば、着実に歌を上達させることができます。より効率的に練習したい場合は、プロのレッスンを受けられるボイストレーニング教室に通うことを検討してみましょう。

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