ロックを歌いこなす歌い方2つの秘訣を詳しく紹介
上達への近道
2021/06/29
プロのロック歌手の歌い方には、ポップスとはまた違う魅力があります。ロックの歌い方はアーティストの個性が際立つため、プロでなくても真似したいものです。
そこで今回は、ロックの基本的な歌い方やロックの歌い方をマスターする方法、発声法について解説します。
ロックの歌い方を自分のものにして、魅力的な歌唱を目指しましょう。
ロックの基本的な歌い方
ロックは特徴的な声で歌うアーティストも多いですが、どんな歌い方が基本なのか知っておきましょう。
1. 基本がないのがロック
ポップスのボイストレーニングなどでは、きれいに歌うことが重視されます。もちろんポップスでもそれを崩すことはあるのですが、ロックの場合はきれいに歌うことを重視していません。
どちらかというと、きれいに歌うという型を崩し、あえてずり上げるように歌ってみたり、音程を外して歌ってみたりという歌い方をします。
たとえば、ロックではわざと裏返らせて歌うこともあります。基本の発声法はあるものの、テクニックを織り交ぜて自由に歌うことができるのがロックの特徴といえるでしょう。
2. ロックっぽい声は人為的に作りにくい
息を混じらせたかすれた声やしゃがれ声、ガラガラの声を特徴としているアーティストもいます。声質によってロックの印象が強まり、魅力的に聞こえるのです。
しかし、「ロックっぽい」といわれるかすれた声やしゃがれ声、ガラガラの声は天性の部分が大きいです。
こうした声は、元々声帯がピッタリ閉じないことで出ます。クリアボイスの人が人為的に出すのは難しいでしょう。
逆をいえば、それぞれの持つ個性を最大に活かした歌い方がロックの基本的な歌い方ともいえます。
ロックの歌い方をマスターするには?
ロックの個性的な歌い方をマスターするには、ロック歌手がよく使っているテクニックを身につけましょう。
シャウト
ロックに欠かせないシャウトですが、音だけシャウトを真似すると喉を痛めてしまう可能性があります。
ロックの歌い方をマスターするためにも、正しいシャウトの方法を身につけなければなりません。
シャウトを身につけるためには正しく声帯を引っ張る方法を習得しなければなりません。声帯はギターの弦と一緒で、緩めれば音程が低くなり、引っ張れば音程が高くなります。
シャウトの場合は高音を使うので、正しい声帯の引っ張り方を習得しなければなりません。
声帯は不随意筋といって自分の意思でコントロールをすることができない筋肉です。
そのため、まずはイメージを持つことが重要です。声帯は仕組み上、前側に引っ張ることはできません。頭の後ろ側へ引っ張っていくイメージを持ちましょう。
軟口蓋と言われる喉の奥の部分を後ろへ引き上げるようなイメージです。そうすることによって声帯も連動して、引っ張ることができます。
また、軟口蓋を高くあげることによって、歌声自体が響きやすくなる効果もあるので、高い声も無理に喉に負担をかけずに歌っていくことができるでしょう。
フェイク
フェイクはメロディーや音程を変えて歌う方法で、原曲を自分でアレンジして歌います。いわゆる「遊び」といわれる要素で、大きく分けると以下の3種類です。
1. リズムフェイク
音程はキープしながらリズムを変える方法です。音の長さを変えたり、拍にメリハリをつけてリズムを変化させます。
フェイクのなかでも比較的取り入れやすいフェイクです。元々のリズムをわざと崩すことで、インパクトを作ることができます。
2. メロディーフェイク
リズムはキープしながら音程を変えるのがメロディーフェイクです。原曲がわかる程度に変えるのがコツで、ピッチを少し変えるイメージで歌いましょう。
3. 装飾音フェイク
メロディーを崩しつつ細かい装飾音を入れていくフェイクです。ロックの場合は声の前にエッジボイスを加えたり、次に説明するがなりを入れて、音に変化をつけます。
がなり
がなり声とはガラガラした声を出してシャウトして、大声で怒っているようなイメージになります。
怒りや苦しみといった表現に効果的で、ロックの世界観を際立たせることができるテクニックです。
一音だけ喉締め声を出す
喉締め声とは声帯を締めすぎたときに出る、苦しそうな声のことです。
いわゆる「いい声」とはいわれない発声ですが、ロック歌手は一音だけこの喉締め声を加えることで、歌にアクセントを加えています。
喉締め声の練習はエッジボイスを使って、声帯の位置を知ることから始めてください。エッジボイスは声帯を閉じている状態で出る声です。
声帯の位置が掴めたら、喉締め声を出したい音のところで声帯に力を加えて、さらに閉じるよう意識しましょう。
わざと声を裏返す
語頭・中間・語尾のどこかで一瞬わざと声を裏返らせるのもロックでよく使われるテクニックです。
このテクニックを使いこなすには正しい裏声の出し方ができることと、地声と裏声の切り替えを自由にできるようになる必要があります。
自分の切り替えポイント(換声点)を把握し、意図的に裏返すのです。
切り替えが自由にできるようになると、声が裏返っても音程を外さずに歌うことができます。
地声から裏声の切り替わりは滑らかにするのがよいといわれることが多いですが、あえて切り替わりに差をつける練習をしてみてください。
ロックの歌い方にかかせない身体の使い方
ロック歌手は強い高音や迫力のある歌声が求められる傾向にあるので、声と同時に身体の使い方も意識しなければなりません。
重要なポイントは下半身です。その中でも意識していただいきたいのは、内転筋という内腿の筋肉と大臀筋というお尻の筋肉です。
この筋肉を意識して使うことによって下半身が安定し、芯のあるつよおい声が出せるようになります。
具体的なトレーニングとしては内腿の間にペットボトルなどをはさみ、それを潰すようなつもりで、声を出してみてください。きっと普段出している声よりも迫力のある声が出るでしょう。
歌う上で力むことは良くないと言われることは多いのですが、大事なことは必要な部分には力を入れ、不要な部分は脱力することなのです。
歌において下半身はとても大切な部分になりますので、日頃から鍛えておいて損はないでしょう。
エレベーターを使わずに階段を使ってみる。少し時間ができたときに10回ほどスクワットをしてみるなど、小さな努力の積み重ねが、良い歌声に繋がっていきます。
ロックを歌いこなすために必要なテクニック・歌唱法を習得しよう
ロックの歌い方をマスターするためには、今回紹介したテクニックを身につけて、歌にうまく組み込んでいくことが大切です。
難しいテクニックもありますが、ぜひ諦めずに継続して練習してみましょう。
ロックの歌い方は間違うと喉に大きな負担をかけてしまいます。最悪の場合、病院行きになってしまう可能性もございます。
必ず正しい方法で練習をして、テクニックを習得し、喉を守りながら楽しく歌ってください。
「ロックのボーカル技術を向上させたい」方は、Beeミュージックスクールの無料体験レッスンへ