発声の種類を徹底解説!声区(レジスター)の仕組みと歌への活かし方とは

上達への近道
笑顔で歌う女性

歌のために使える声は、大きく5つに分類できます。それぞれを習得することで、幅広く歌が歌えるようになります。

私たちの喉にある「声帯」には、振動パターンによって明確に分けられる「声区(レジスター)」というセグメントが存在します。「高い声が出ない」「声が裏返る」といった悩みの多くは、この声区の切り替えがスムーズにいかないことに起因している可能性が高いです。

そこで今回は、歌で使える5つの発声方法と1つの声の表現について詳しく解説します。歌を学んでいる方・学びたいと考えている方は、ぜひ最後までチェックしてください。

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発声の種類を分ける要素

発声の種類を分別する要素は、声帯の「厚み」「長さ」「閉じ具合」の変化です。これらによって、5つのセグメントに分類されます。

声の出し方が異なれば、同じ人が同じ歌を歌ってもまったく違う雰囲気になります。つまり、いろいろな発声方法をマスターすることが、歌の表現力を広げることにつながるのです。

ただし、むやみに独学で練習すると喉を傷めて声が出なくなってしまうこともあるので、十分に注意しましょう。

発声の5つの種類

スタンドマイク

歌声の種類は大きく、「チェストボイス」「ファルセット」「ミックスボイス」「ヘッドボイス」「ホイッスルボイス」の5つに分けられます。

また、表現の1つとして「ウィスパーボイス」についてもご紹介します。それぞれ詳しく見ていきましょう。

1. チェストボイス

チェストボイスは「胸声(きょうせい)」とも呼ばれますが、実際に声が「胸で共鳴する」わけではなく、振動が伝わっている(共振)ような状態です。

声帯は厚く、低域の倍音が豊かな状態です。会話時のリラックスした声の延長で、低く、太めの響きを意識します。実際多くのケースで、話し声とは声帯の状態や共鳴の状況が異なりますが、近い印象ではあるかもしれません。

また、「胸に響かせる」感覚に頼りすぎると、喉を押し下げてしまい、意図せずオペラのような声になってしまうため注意が必要です。

2. ファルセット

ファルセットとは、息が漏れた裏声のことで、声帯の隙間から呼気が漏れている状態です。
歓声など、盛り上がったときに「フー」と高い声を出すことがありますが、あれがファルセットの発声方法です。

ファルセットで歌うと、高いキーの歌でも尖った印象がなく、優しい響きになります。また、喉の緊張を解くためのエクササイズとしても用いられます。

ただし、声帯を閉じる力が弱いため、声量は小さくなってしまうのが特徴です。

3. ミックスボイス

歌手の歌声は「地声で高音の歌を歌っている」ように聞こえるケースがあります。しかし、大抵は地声ではなく、ミックスボイスという声を使って歌っています。地声のような芯を持ち、裏声の柔軟性を兼ね備えているような印象です。

ミックスボイスは、地声と裏声の中間のような声といわれることがありますが、実際にはチェストボイスからヘッドボイスへのシームレスな移行そのものを指します。

そのため、単独の習得を目指すのではなく、チェストボイスとヘッドボイスをそれぞれ完成させることで体得できるケースが基本であるといえます。

4. ヘッドボイス

ヘッドボイスは主に高音域で用いる発声ですが、ファルセットと比較すると声帯をしっかり閉鎖させた状態であり、聞こえ方がまったく異なります。豊かな響きがあるため、声量豊かで、鋭い印象です。

「頭声」と呼ばれることから「頭に響かせるイメージ」が強いものの、実際には頭に共鳴空間はなく、主に鼻腔共鳴の割合を強めます。

ヘッドボイスの発声をベースに、声帯の閉鎖具合、厚み、共鳴スペース(共鳴腔)の体積や呼気圧を変動させることで、ミックスボイスの習得が容易になります。

5. ホイッスルボイス

ホイッスルとは笛のことで、笛のような高音がホイッスルボイスです。人間が出せる最高音域で用いられます。

声帯のごく一部だけを振動させ、声帯の隙間に呼気の圧力を加えることで、笛と同じ原理での発声が可能となります。この音域はとても難易度が高く、喉に過度な負担をかけてしまう方も少なくありません。

しかし、実際にはどの発声よりも力が抜けており、文字どおり笛のような軽い体感を意識することが近道となります。

【番外編】ウィスパーボイス

ウィスパーは「ささやく」という意味で、ウィスパーボイスはその名のとおりささやきのような声です。息の成分を増やした吐息混じりの歌い方であり、「発声方法」ではなく「歌唱表現の1つ」です。

そのため、声帯の状態による声区ではなく、各声区に対して息の比率を高めた「音色のバリエーション」といえます。

自分に合った発声・声区の組み合わせを見つけるコツ

マイクで歌う女性

アーティストの歌い方や発声をそのままコピーするだけでも上手に歌うことはできますが、それでは自分自身の歌い方にはなりません。

自分に合った歌い方を見つけるには、大きく以下の2つの方法があります。

  • 自分に合った発声や声区の組み合わせを知る
  • さまざまなジャンルを試してみる

詳しく解説します。

自分に合った発声や声区の組み合わせを知る

顔や見た目が違うように、声も人によってまったく違います。まずは5つの発声とウィスパーボイスを習得して、それぞれの自分の声質を知りましょう。

世の中にはたくさんのお手本が出回っていますが、実際に自分の発声で確認してみると印象が異なることはよくあります。発声できるようになっても、それが好みの声であるかは別の話です。

実際に出せるようになって、自分の強みとなる組み合わせを見つけると世界が開けるかもしれません。

さまざまなジャンルを試してみる

自分の声の個性を知ることは大切ですが、声質はジャンルによっても合う・合わないがあります。もちろん歌唱表現に制限はありませんが、自分の声に合う・合わないや、好き・嫌いを把握することは強みを把握するうえで大切です。

たとえばゴスペルを歌う場面では、芯は太くても繊細な印象のヘッドボイスよりも、多少声が割れても高音でチェストボイスのような太い声がよく用いられます。反対に美しいR&Bバラードでは、しなやかな動きを求められるフェイクを駆使する場面も多く、ヘッドボイスやミックスボイスが中心です。

ヒーリング系や、過度に「頑張っている感じ」を出したくないような音楽では、ファルセットやウィスパーボイスを使って柔らかな印象を演出することが好まれます。

発声・声区に関するよくある質問

ここでは、発声・声区に関するよくある質問をまとめました。

  • 高音の多い曲で喉が痛くなるのは発声が原因?
  • 声量豊かな人は生まれつき?

ぜひこの回答を参考にして歌ってみてくださいね。

高音の多い曲で喉が痛くなるのは発声が原因?

呼気圧が強すぎるかもしれません。高い声を出そうと息を強く吐くと、声帯はそれに対抗するため強くしまり、摩擦で炎症を起こす可能性が高まります。

高音域では、呼気圧、そして声帯と周辺筋のコントロール力を習得することが大切です。

声量豊かな人は生まれつき?

声量は技術であるため、トレーニングによって声量はアップできます。声量とは「声の大きさ」より、「声を響かせる量」と表現するほうが適しています。

声量は、複数箇所の共鳴腔の体積を拡大させたりコントロールしたりするテクニック、そして呼気のバランス調整によるものなのです。

5つの発声をマスターして歌の表現力を広げよう!

歌を練習する女性

同じ歌い方で歌っても、声が違えば歌の雰囲気はまったく変わります。

まずはさまざまな発声の種類を練習して、自分はどのような歌い方ができるのか、どのようなジャンルが声の個性に合っているのかを見つけましょう。そうすることで歌い方の選択肢が増え、自分なりの歌が歌えたり、歌によって歌い方を自在にコントロールできたりするようになります。

いろいろな発声をマスターするのは難しいかもしれませんが、少しずつ練習して自分のものにし、自分だけの発声スタイルを磨いてみてください。

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