響きのある声の仕組みや上達するためのポイントを解説
上達への近道
2021/08/18
憧れのアーティストの歌を歌っても同じような声にならない、響きのある声を出せないとお悩みの方のために、響きのある声の出し方について解説します。
声質は変えられないと諦めている方も多いかもしれませんが、響きのある声は声の出し方次第で作り出せます。
響きのある声について理解し、的確なトレーニングを実践しましょう。
響きのある声の仕組みについて
響きのある声を出せるようになると、喉のダメージが軽減し、少しの発声でも相手にしっかり届く歌声を手に入れることができます。
響きのある声の出し方を理解できていないと、なかなか響きのある声になりません。喉を傷めてしまうこともあるでしょう。
響きのある声とはどのような声でしょうか?それは喉に負担がかかっておらず、うまく共鳴ができている声になります。
人間の声には響くポイントが大きく3つあります。1つ目は鼻腔という鼻の中の空間。2つ目は口腔という口の中の空間。
この3つの空間をバランスよく共鳴させることによって、美しい響きのある声が生まれるのです。
響きのある声を出すためのトレーニング法
響きのある声を出すためには、体の中の2つの空間を意識してトレーニングしてください。
口腔で声を響かせるトレーニング
口の中で声を響かせるトレーニングです。口の中にできるだけ大きな空間を作ることで、通常の話し声や出しやすいトーンの音でも、より響きのある声になります。
口の形は、あくびをするときのような口の形にしてください。鏡で口の中を見て喉の奥が見えていればOKです。
そのまま中間くらいの高さの声を出し、いつもより響いていることを確かめてください。
このとき、喉の奥にある軟口蓋を少し高めに上げるよう意識しましょう。そうすることで、さらに口の中の空間を広げることができます。
歌っているときは常に軟口蓋を高くあげることを意識しましょう。
口腔で音を響かせると、さまざまな音程で響きのある声を出せます。
声が響く感覚を掴みやすいトレーニングなので、低音、高音問わず響きのある声を出せるようになりたい方は練習を重ねていきましょう。
鼻腔で声を響かせるトレーニング
鼻腔で声を響かせるのは、発声する口を使わないのでイメージしにくいかもしれません。
鼻腔での声の響かせ方は少し難しいため、3つの練習方法を紹介します。
1. 鼻歌を歌う
鼻の空間で音を響かせるイメージを掴むためにおすすめのトレーニング方法が鼻歌を歌うことです。
鼻歌はハミングともいわれ、プロのレッスンのなかでもよく使われる立派な練習方です。
口を閉じた状態で、鼻から音を出して歌ってみてください。鼻の奥で音が響いているのがよくわかります。
Mの子音を出すイメージで声を出してみるとイメージが掴みやすいと思います。
とくに高い音を出すときに鼻の空間を意識して歌うことで、高音で声が小さくなったり途切れたりしにくくなります。
2. 鼻歌で出す音を変化させる
鼻歌で歌うのは先ほどと一緒ですが、さらに「ンー」と鼻で歌いながら徐々に口から声を出していきましょう。
このときに、鼻歌のときに感じていた鼻の奥で音が響く感覚がまだ続いているようなら、上手く音を響かせられている証拠です。
3.喉を響かせる
喉をしっかりと響かせるためには声帯をしっかりと閉めて声を出してあげる必要があります。専門的な用語では「声帯閉鎖がしっかりとできている」という状態です。
具体的な練習方法としましては、「ハッハッ」と声を出してみてください。その状態が声帯閉鎖がしっかりと出来ている状態になります。
その感覚を掴んでいけるように繰り返し練習されてみて下さい。
声帯閉鎖の練習は間違った方法で行ってしまうと喉を痛める可能性もあるので、慎重に行ってください。
響きのある声を出したいときのポイント
ここでは、響きのある声を出したいときに注意すべきポイントを紹介します。
これらのコツを実践することで、よりトレーニングの成果をいかして響きのある声を出しやすくなります。
1. 舌と軟口蓋の間の空間を意識する
口の中で音を響かせるには、口の形が非常に重要です。口の中に空間を作り、音を響かせるようにしなければなりません。
しかし、習慣づいた話し方や歌い方を変えるのは難しいです。とくに独学でボイトレをしている方は、口の形を変える感覚が掴みにくいかもしれません。
なかなかできない場合は、舌の位置と軟口蓋の間の空間を広げるようにイメージしてみましょう。
軟口蓋をあげて歌うことはとても大事なことなのですが、多くの方は軟口蓋と一緒に舌まで上がってしまい、結果として、口の中の空間が確保できていないことが多いようです。
空間を上に広げるのではなく、上下に広げるイメージを持つと口の中の空間を確保することができます。
2. 鏡を見ながら歌う
自宅で歌う練習ができるのなら、鏡を見ながら歌ってみましょう。
このときチェックすべきなのが、口の形と喉の形です。響きのある声を出すには口をしっかり開くだけでなく、口の中に空間を作らなければなりません。
口をタテに広げて、口の中に入れた卵を潰さないように歌う、といったイメージがわかりやすいでしょう。
声を響かせたいのであれば口の形はヨコではなくタテが最適です。ロングトーンやここぞという場面で、口をタテにして歌えているかをチェックしてください。
さらに、歌っているときに喉が締まっていないか、口全体で音を響かせることができるように、喉がしっかり開いているかもチェックしましょう。
3. 唇を尖らせて歌う
唇を少し尖らせて歌うことで、自然と口の中に空間ができやすくなります。
声の出口も少しだけ小さくなるため、より響きのある声が出しやすくなるでしょう。
口の形をタテにした状態で唇を尖らせて歌うと、普通の口の形、唇の形で歌うときよりも自分の声が違っていることを実感しやすいです。
伸びやかで深みがあり、よく響く声で歌うために、この口の形を覚えておきましょう。
唇を尖らせて歌うことによって、口輪筋といわれる口周りの筋肉も同時に鍛えることができます。この筋肉を鍛えることによって滑舌も向上します。
滑舌が向上すると歌う際の歌詞もはっきりと聞こえるようになるので、さらに歌唱力が向上することでしょう。
テレビなどで好きなアーティストの口の形をチェックするのもおすすめです。歌っている映像をよく観察して、真似するところから始めてみてください。
響きのある声をゲットしよう!
響きのある声の出し方について紹介しました。
プロの歌手のような響きのある声は、体の中で声をしっかり響かせる意識、トレーニングを重ねることで出せるようになります。
「声質が悪いから」と諦めている方も、ぜひ今回紹介したトレーニングを試してみてください。
声が響く場所は鼻腔、口腔の2ヵ所です。どのような声を出したいのかによっても、意識する場所は違います。
自分の歌い方や歌いたい歌、憧れのアーティストを参考にしながら、適切なトレーニングを重ねましょう。
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