相対音感とは?絶対音感との違いや習得するコツを紹介
上達への近道
2021/07/30
この記事では音感の説明と併せて相対音感と絶対音感の説明もしていきます。
音感とは
音感は、文字通り音に関する感覚を指します。
相対的な音の違い、正確なテンポを刻む能力や音楽のトータル的な音量バランスがわかる能力(メロディに対しての伴奏の音量が適切かなど)、複数人の演奏するなかで楽器の違いなどを判別する能力の総称です。
相対音感とは
相対音感とは、文字通り相対的に音程差を感じ取る能力です。一つの音を聞いた後に別の音を聞き、その音が最初の音とどれくらい離れている音なのかを判別する力のことを指します。
音楽を楽しむには音程の違い感じる必要があるので、音楽を美しいと感じる感性があれば相対音感があるといえます。
楽器を全く弾かないとしても、多くの方がカラオケなどで相対音感の力を使っています。
楽譜を全く読めなくてもある程度正しい音程で歌が歌えるのは基準となる音から相対的に音程を割り出す能力があるからこそ。カラオケは一番身近な相対音感を使った娯楽といえます。
相対音感は誰にでも備わっていますが、精度には個人差があります。カラオケに行っても音程を取るのが難しい、楽器で間違えた音を出してもわからない演奏者もいます。
しかし、相対音感は鍛えることで精度をあげることが十分可能です。楽器の練習とあわせてリスニングの練習をすれば、耳コピの精度や効率が大きく上がります。
絶対音感とは
相対音感は基準の音から音程差を感じる能力です。基準の音がなくてもその音がどの高さの音なのかを判断できる能力を指します。
楽器の音や日常の音などを瞬時にピアノの88鍵に置き換えることができれば絶対音感があるといえます。
高低差も含めてどの音か瞬時にわかるため、耳コピや採譜する機会が多い方にとっては非常に有用な能力です。
しかし、人によってはドアが閉まる音や窓を開ける音などのあらゆる生活音がドレミに置き換えられてしまう絶対音感。
生活のなかにある音は不協和音も多いため、生活しているだけで体調が悪くなってしまうこともあるようです。
絶対音感は必要?
絶対音感は楽曲を正確に聞き取って楽譜に写す時は非常に強いアドバンテージになります。また直感的に音の判別が可能なので、耳コピも得意です。
しかし、現代のポピュラーな音楽は調性があり、相対的に音がわかりやすいことから絶対音感は大きく必要視されていません。
大人になってからの絶対音感習得の難易度も高いので、絶対音感にこだわらず、相対的な音感を鍛えて、演奏に反映させていくことが演奏上達への近道と言えます。
相対音感を身に着ける方法
相対音感は練習をすれば十分身に付けることができます。
ここからは、高い精度の音感を身に付ける方法を紹介していきます。
さまざまな曲を音名で歌う
相対音感を身につけるためにおすすめの方法が、さまざまな曲を音名で歌うことです。
最初はどの音が何の音名か楽譜を見ないと難しいかもしれませんが、訓練を重ねていくうちに音を聞いてそれがどの音なのかわかるようになります。
まずは、知っている歌の楽譜を見て、音名で歌ってみましょう。それに慣れたら、最初の何小節かは楽譜を見て確認し、そのあとは見ないで音名にしてみてください。
これを繰り返し練習すると、自然と音と音名が頭のなかでリンクして直感的に正確な音が歌えるようになります。
演奏に使えるようにするには、考えるより先に楽器や歌に反映させる必要があります。その練習として効果的な方法です。
聴音
既存の楽曲のメロディを聞き取って、正確に楽譜に書き取る練習です。この練習によってメロディの相対的な音の高低差を聞き取ることができるようになります。
空いた時間に好きな曲を聴きながらメロディをノートに写すだけでも音感を鍛えるトレーニングになるのでおすすめです。
慣れてきたら、ベースやコード進行も聞いてみましょう。
さまざまな音の進行を追うことによって、曲の終わりは曲の始まりのコードに帰ってくることが多い、曲の終わりの和音のひとつ前の導音は半音上がることが多いなどの音楽のセオリーが見えてくるので、作曲にも役に立ちます。
初見
いつもの楽器の練習に加えて、楽譜やTAB譜を初見で弾く練習も有効です。
初見では、弾いた音からどれくらいの高低差があるか、常に楽譜を見ながら演奏しなければなりません。相対音感の練習として、とても効果的な練習です。
慣れないと難しいため、最初は簡単な曲から始めるとよいでしょう。徐々に難易度を上げていけば、難しい曲でも楽譜を見ただけある程度弾ける能力が身につきます。
普段から生活のなかにある音を意識する
絶対音感の持ち主でない限り、普段生活していて聞こえてくる音を「これはドだな」とか「シかな」といった音名に置き換えて考えることは少ないのではないでしょうか。
しかし、相対音感を鍛える場合は、意識的に音を意識することが大切です。
具体的には、聞こえてきた音に対して、それが12音階のうちのどの音か考えます。
まだ相対音感が鍛えられていないうちはうまくいかないかもしれませんが、意識するだけでも変わってくるのでおすすめです。
サイレンの音やお店のベルなど、はっきり聞こえる音から意識するとよいでしょう。
聴音用教材を購入する
聴音に特化した教材が楽器屋さんやAmazonなどのネットショップには多く販売しています。
初心者から上級者向けまでの幅広い種類があり、内容をチェックして自分に合った教材を購入しましょう。
また、多くの教材にはCDが付いており、誰かに弾いてもらわなくても練習することができます。
音大を受験する方の多くが聴音用教材で音感を鍛えるトレーニングをするので、とても効果的な練習方法と言えます。
スマホアプリを使う
聴音用の教材を購入して、CDを聴いて五線紙に書くトレーニングは少しハードルが高い方はスマホアプリを活用しての練習をおすすめします。
お手持ちのスマホでストアを開いて「音感」と検索すると、有名な企業や個人がリリースした音感を鍛えるアプリが多くヒットします。
相対音感は毎日練習することが大切
相対音感は使われないと徐々に弱くなっていく能力です。
音楽を聴くときに楽器のパート別に聴くだけでも効果的なので、毎日相対音感を使うように心掛けてはいかがでしょうか。
相対音感はトレーニング次第で身につく!
絶対音感は幼い頃から専用のトレーニングをしないと身に付けることの難しい能力です。
大人になってからも絶対音感に近い能力が身に付く可能性はあるとされていますが、確立したトレーニング方法がないため、困難といわざるを得ません。
しかし、相対音感は大人になっても鍛えることができます。
耳コピしたフレーズを即座に演奏する、楽譜の無い曲のコードやフレーズを聞き取って楽譜を作成するスピードや正確性がが大きく上がるのでおすすめです。
音楽活動をしていて音感に自信のない方、これから楽器を始めたい方は併せて相対音感を鍛えてみてはいかがでしょうか。
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