低い声の出し方は?3つのテクニックとトレーニング方法を解説
声
2024/01/11
歌の悩みで高い音がでないという話はよく聞きますが、低い音が苦手という人も多いのではないでしょうか。
「低い声の曲の歌い方が分からなくて喉を傷めがち」
「高い声と違って低い声は練習しても出ない」
このように思っている人もいるでしょう。
しかし、男性、女性に関係なく、低い声は練習次第である程度習得できるものです。
本記事では、低い声の出し方の練習方法と3つのテクニックをご紹介します。
低い声が出せるようになると歌える曲の幅も広がります。歌うのがもっと楽しくなるので、ぜひ最後まで読んでみてください。
当記事で紹介している練習法を動画で観たい方はこちらからご覧ください。
低い声の出し方とは?キレイに出す3つのテクニック
この章では、低い声をキレイに出す3つのテクニックを紹介します。
- 声帯を閉じながら発声するエッジボイスを使う
- 喉をリラックスさせる
- 鼻腔の響きを意識する
それぞれ詳しく解説します。
1. 声帯を閉じながら発声するエッジボイスを使う
エッジボイスとは、喉の奥から息を吐きつつ、軽く声を出そうとしたときに出るガラガラとした音のする発声です。軽くうがいをするように、喉の奥で声よりも「音を出すようなイメージ」を持つと出しやすいと思います。「ボーカルフライ」とも呼ばれ、その音が「揚げ物」を調理するときの音に似ているため、そのように表現されます。
低音域の拡大はこのエッジボイスを使うとコツが掴みやすく、また、ミックスボイスなどの高音発声時にも役立つため、練習しておくメリットが盛りだくさんです。
2. 喉をリラックスさせる
低い声を出すときは体に余計な力が入ってしまいがちですが、声をキレイに響かせるには体の力を抜いて喉をリラックスさせた状態が理想です。
体や喉の力を抜くことで、声を共鳴させやすくなるメリットがあります。
低音域は、中音域や高音域の声と比較すると発声が小さくなってしまいがちです。そのため、少ない力で、効果的に共鳴させることが大切です。
低音域での発声の一つに「デスボイス」と呼ばれるものがあります。
ハードロックやメタルといった激しいジャンルで用いられますが、喉に力が入っていると発声しづらいため、実際は聞こえているよりも喉に負荷がかかっていないことが特徴です。
ボイストレーニングや歌い出す前は、肩を回したり、軽く揺らしたりして、意識的に体の力を抜くようにしましょう。
3. 鼻腔の響きを意識する
低い声を出す際には、鼻腔の響きも意識しましょう。
レッスンでは、美空ひばりさんや吉田美和さん(DREAMS COME TRUE)の低音の声をサンプルとして参考にすることが多くあります。
このお二人の低音の声は、マイク乗りの良い明瞭さと硬さがあります。これはいくつか存在する共鳴腔(声の響きを増幅させる空間)の一つである鼻の響き(鼻腔共鳴腔)のバランス量が多いためです。
ただし、アナウンサーがニュース原稿を読むなど、安心感や落ち着きといった印象を与える際には、鼻腔共鳴は向かないともいわれています。
鼻腔の共鳴量を減らし、口(口腔共鳴腔)や喉(咽頭共鳴腔)の共鳴量を増やすと、丸く太い響きを作ることができます。
これらの使い分けは曲やトラック(カラオケ)、場面によって考慮すると良いと思います。
低い声を出しやすくするトレーニング方法
低い声を出しやすくするトレーニング方法のポイントは、現在出すことのできる最低音をしっかり発声できるようにすることです。これがまずは第一ステップとなります。
身体の柔軟性を高めるために、前屈をするのと同じイメージです。最初は前屈のたびに背中や腰に痛みを感じますが、だんだん軽減され、いつの間にか前に倒せる距離が長くなっていくと思います。
低音域の拡大も同様に、今は息っぽく、弱い発声となってしまう最低音でも、先述したテクニックを駆使しながら続けることでだんだんクリアに出すことができるようになります。
さらに、日々、最低音を出し続けていると練習を始めた当初よりも低い声が出せるようになると期待できます。
低音域を使ったスケール練習はもちろん、現在出すことのできない歌のメロディを使った反復練習がおすすめです。
低い声の3つの魅力
低い声には、高い声にはないさまざまな魅力があります。
基本的に低い声は、相手の耳に心地よく、落ち着いている雰囲気も演出できるので、歌以外に人との対話シーンでも良い効果が期待できます。
ここでは、低い声に隠された魅力を3つまとめてみました。
魅力1. 安心感を与える
低い声は高い声に比べて、相手に落ち着いた雰囲気を与えます。ビジネスシーンでも相手に安心感や安定感が伝わるため、対話シーンではゆっくり低い声で話すことがすすめられているくらいです。
女性も男性の低い声に魅了される傾向があるので、低い声は習得しておくだけで、多くのよい効果が得られるでしょう。
魅力2. 歌に深みが出る
バンドやオーケストラでは、ベースやヴィオラやコントラバスといった低音を担当する存在は欠かせません。これは、低音が入ることで音に深みと安定感が出るためです。
歌でも、低い声が出せると歌に深みが出ます。高音だけでなく、低音を使いこなすことができれば、選曲の幅が広がるだけでなく、聞き手の印象に残る歌が歌えるようになるのです。
魅力3. 大人っぽい雰囲気が演出できる
低い声は相手に落ち着いた渋い印象を与えるので、大人な雰囲気を演出できます。
高い声に比べ、冷静さや安定感などが伝わるため、主張にも説得力が生まれるでしょう。
また、安定して落ち着いたイメージを与えるため、ビジネスシーンなど信頼を得たいときに効果的です。
声を低くする方法はある?
声を低くするためには、まずは”出せるようになりたい低さの声”をイメージできることが大事です。
英単語の発音において、聞いたことのない音を発音することが難しいのに似ています。
出せるようになりたい低さの声を出している歌手やアナウンサーを見つけ、どんな声質であるのか、口や喉はどれくらい開いているか、鼻腔共鳴はなされているかといったポイントを真似するところから始めてみます。
低い声は出せるのに息っぽく明瞭さがない場合は、エッジボイスや共鳴腔を使った響かせ方のエクササイズが効果的です。
一方、理想の低さの声が全く出せない場合は、低音域を拡大する必要があります。
低音域の発声で何より大事なのは、喉の筋肉がリラックスできていることです。
首を回しながら声を出すなど、喉の筋肉が緊張しにくい状態を作って発声してみるとコツが掴みやすいです。
低い声の出し方をマスターして歌を楽しもう
低い声は、歌を歌うときはもちろん、ビジネスシーンでもいろいろと良い効果をもたらしてくれます。
低い声を出す方法は、高い声を出すことやほかの歌の技術を習得する上でも、役に立ちます。
毎日の練習で身につく技術ですし、全体的な歌唱力の向上にもなるので、ぜひ、低い声の習得を目指してみてください。
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