自分の声を聞くことにより得られる2つの効果まとめ

2021/08/18

投稿者: 西 貴正

自分の声を聞くことにより得られる2つの効果まとめ

他人の声に耳を澄ますことはあっても、自分の声をあらためて聞く機会というのはなかなかありません。

しかし、歌の練習をしている方にとって、自分の声を聞くことにはいくつかのメリットがあります。

そこで今回は、自分の声を聞くことによって得られる効果やメリット、自分の声を聞く方法、聞くときの注意点についてまとめました。

自分の声を聞くことによる効果・メリット

自分の声をあらためて聞くことには、大きく分けて2つの効果・メリットがあります。

1. 周囲に聞こえている自分の声を知ることができる

「自分の声なんて、いつも聞いているけど?」と思う人もいるかもしれませんが、実は自分が聞いている「自分の声」と、他人が聞いている「自分の声」はまったくといっていいほど違います。

たとえばスマホやビデオカメラなどで撮影した自分の動画を見た時、「私ってこんな声してる?」とびっくりした経験がある方は多いのではないでしょうか。

「こんなの私の声じゃない!」とショックを受ける方もいるかもしれませんが、実は録音された声こそが、周囲の人が聞いているあなたの声なのです。

なぜ自分で聞こえる声と、他人が聞く声が異なるのかというと、音の伝わり方に原因があります。

口から発せられた音は、空気を伝わって自分の耳に到達します。これを「気導音」といいます。

それと同時に、発声したときの声帯の振動が頭蓋骨を通じて伝わります。これを「骨導音」といいます。

発声した本人は、気導音と骨導音の両方を聞いていますが、他人には気導音しか聞こえません。

骨導音が聞こえるか否かの差が、自分が聞く「自分の声」と、他人が聞く「自分の声」に大きな違いを生み出しているわけです。

なお、空気を介して伝わる気導音と、骨から伝わってくる骨導音では、後者の方がダイレクトに伝わるぶん、クリアで良い「音」に聞こえます。

そのせいか、録音した自分の声(気導音)に違和感を覚える方は多く、ある調査では録音した自分の声を「嫌い」と答えた人が8割にも上ったそうです。[注1]

しかし、バンドボーカルや弾き語りで他人に自分の歌を聴いてほしいと思っている方は、他人に聞こえる自分の声から目をそらすわけにはいきません。

他人に「聴いていて心地いい」と思ってもらうためには、他人に聞こえる自分の声を客観的に評価し、「心地良い声」に磨き上げなければならないからです。

最初は聞き慣れない「自分の声」にストレスや違和感を覚えるかもしれませんが、それを乗り越えて冷静に評価できるようになれば、他人から絶賛される魅力的な歌声を作り上げることができるでしょう。

[注1]BOOKウォッチ:「自分の声」が嫌いでは相手の心はつかめないですよ

2. 自信をもって歌えるようになる

「歌うことは好きだけれど、自分の声にいまいち自信を持てない」という方は、1人だと伸び伸び歌えても、他人の前だと萎縮して声が出にくくなってしまいます。

声量が小さくなってしまうのはもちろん、緊張して筋肉が凝り固まってしまうと、腹筋や表情筋がうまく使えなくなり、声帯に余計な負担をかけてしまうおそれがあります。

自分に自信を持って歌えるようになるには、自分の声をひたすら聞き、理想の声に近付けていくことが大切です。

声帯の長さや骨格などは持って生まれたものなので変えることはできませんが、発音や滑舌はボイストレーニングによって変化させることが可能です。

自分の声としっかり向き合い、「嫌い」と思う部分を解消すれば、人前でも自信を持って歌えるようになります。

自分の声を聞く方法

スマホに声を録音する女性

では、他人に聞こえる自分の声を聞くにはどうすればよいのでしょうか。

ここでは、今すぐできる自分の声を聞く方法を3つご紹介します。

1. スマホアプリで録音する

最近のスマホのほとんどには、デフォルトで録音機能が搭載されています。

たとえばiPhoneなら「ボイスメモ」、Androidなら「音声レコーダー」等の機能がプリインストールされています。

これらの機能をオンにした状態でスマホに向かって話しかけたり、歌ったりすれば、簡単に自分の声を録音し、聞き直すことができます。

プリインストールされていない機種でも、AppStoreあるいはGooglePlayストアで無料の録音アプリをインストールすれば、今すぐ自分の声を録音・再生することが可能です。

もちろん、スマホの動画撮影機能でも代用できます。

2. ボイスレコーダーで録音する

スマホを持っていないという方は、ボイスレコーダーで録音するという方法もあります。

無料のスマホアプリに比べるとコストはかかりますが、ステレオ録音やハイレゾ対応などのハイスペックな製品を選べば、自分の声をよりクリアに録音することが可能です。

また、スマホアプリの場合、途中で着信があると録音が途切れてしまいますが、ボイスレコーダーなら自分でスイッチをオフにしない限り、ずっと録音できるところが利点です。

ただ自分の声を確かめるだけでなく、今後ボイトレや歌の練習にも使いたいという場合は、スマホの有無に関係なく、ボイスレコーダーの購入を検討してもよいでしょう。

3. 下敷きやファイルホルダーを使って聞く

スマホもないし、わざわざボイスレコーダーを買うのもちょっと…という場合は、下敷きやファイルホルダーを使って自分の声を聞く方法を試してみましょう。

やり方は簡単で、2枚の下敷きまたはファイルホルダーを、左右の耳の前に持っていき、顔にぴったりくっつけます。

やや斜めになってもかまいませんが、下敷きやファイルホルダーで耳を塞いでしまわないよう注意してください。

その状態で発声すると、口から出た音は即座に耳に入らず、部屋の壁などに反響してから耳に届くようになります。

骨導音をシャットアウトすることはできないので、完全に他人が聞いている声を再現することはできませんが、気導音が耳に届くまでの時間が長くなるぶん、他人が聞いている音に近い「自分の声」を聞くことができます。

自分の声を聞くときの注意点

録音アプリ

自分の声をあらためて聞くにあたり、あらかじめ注意しておきたいポイントを2つご紹介します。

1. 自分の声だと思わずに聞く

普段聞いている自分の声と、録音した声には少なからずギャップがあります。

そのため、あらためて自分の声を聞くと、人によっては大きなショックを受けてしまい、冷静に自分の声を聞けなくなってしまう場合があります。

そんなときは、無理に「自分の声だ」と受け止めなくてもOKです。「これは自分以外の誰かの声だ」と思って聞けば、第三者として冷静に自分の声を評価できるようになります。

2. 悪いところばかりではなく良いところも見つける

自分の声に違和感を覚えていると、つい粗探しばかりしてしまい、自己嫌悪に陥ってしまうことがあります。

しかし、自分の理想の声と違っていたとしても、客観的に聞いてみれば、必ず良いところも見つかるはずです。

「滑舌はいい」「声に張りがある」など、1つでも良いところを見つければ、改善すべきところだけでなく、伸ばしていくべきところもわかってくるでしょう。

自分の声をあらためて聞くと見えてくるものがたくさんある

他人に聞こえる自分の声を、自らが聞く機会というのは意外と少ないので、あらためて録音した自分の声を聞くと、違和感や失望を感じる方も多いかもしれません。

しかし、ライブや弾き語りをする人にとって、他人に聞こえる自分の声を知ることは、非常に重要なポイントです。

自分の声を客観的に評価し、長所と短所を冷静に見極めれば、他人が聞いて心地良い理想の歌声へと変えることができます。

「自分の声をどうしても客観的に聞くことができない」「悪いところは分かったけど、どう改善していいかわからない」という場合は、ボイトレ教室に通い、プロの指導を受けてみるとよいでしょう。

Beeミュージックスクールでは、生徒さんひとりひとりの希望やニーズに合わせて、最適なカリキュラムやメニューによる指導を実施したします。

歌がうまくなりたいという方はもちろん、自分の声が好きになりたいという方も、ぜひBeeミュージックスクールまでお気軽にご相談ください。

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