リップロールの基本的なやり方やおすすめの練習法を紹介

歌の練習

2021/06/15

投稿者: 西 貴正

リップロールの基本的なやり方やおすすめの練習法を紹介

発声練習にはさまざまなものがありますが、初心者からプロの歌手まで実践している方が多いのがリップロールです。

リップロールとはどんなものなのか、どのようにおこなうのか、メリットややり方について解説します。

音を取りにくい、喉を傷めやすいなどの悩みも、リップロールを事前におこなうことで改善できるかもしれません。

リップロールを習得するメリット

リップロールは、簡単にいうと唇をプルプルと震わせるだけの発声練習ですが、実はさまざまなメリットがあります。普段いきなり歌い始めているという方は、歌う前のリップロールがおすすめです。

ここでは、リップロールで得られるメリットを3つ紹介します。

1. 音程を取りやすくなる

リップロールの状態で音程を上下させると、声帯で音程を取れるようになります。

普通に歌うよりもリップロールをしながら音を取る方が難しいですが、これは声帯を開閉させて音程を細かく調節しているためです。普段音を外してしまう方は、この声帯の開閉が苦手な可能性があります。

リップロールをして声帯の使い方をマスターすれば、普通に歌うときにもスムーズに音を取りやすくなるでしょう。

また、リップロールで出される音は自分の耳によく届きます。自分が今音を取れているのか、音を外しているのかの判断もつきやすくなります。

気づかない内に音を外している、録音した自分の歌声を聞くと音痴に感じるという場合にも、リップロールによる練習は大切です。

2. 喉に負担をかけず歌いやすくなる

歌っていると喉が痛くなってしまう原因はさまざまです。たとえば、喉に力が入りすぎている、吸う息の量が足りずに無理やり息を使っているといった事が挙げられます。

このような場合、喉が緊張して、声帯に必要以上に負担がかかってしまいがちです。多くの息を吐くことで、声帯が乾燥して喉が痛くなったり、声帯が振動しにくくなったりする場合もあります。

リップロールをおこなうことで、喉や口周りの緊張がほぐれ、余計な力が抜ける効果が期待できます。

また、リップロールで使う息の量は歌うのに適した量です。そのため、リップロールの息の吐き方をマスターすれば、歌うときに必要以上に息を吐いて喉を傷めることもなくなるでしょう。

3. 地声と裏声を切り替えやすくなる

音程の高低差がある歌を歌うときに、地声と裏声の切り替えがうまくいかず、にちぐはぐな歌い方になってしまう場合もリップロールが役立ちます。

リップロールでは、一定の息を吐きながら声を出す練習ができます。これが地声と裏声の切り替えをスムーズにする練習になるのです。

裏声に切り替える際に声が不安定になったり、小さくなったりする方もいます。

リップロールで一定の息を吐きながら音程を上げたり下げたりすることで、スムーズな切り替えの感覚を掴めるようになってくるでしょう。

高音になると緊張で喉が締まってしまう場合も、リップロールがおすすめです。

リップロールの基本的なやり方

歌う男性

ここでは、リップロールの基本的なやり方を紹介します。

慣れれば簡単にすぐできる発声練習ですが、正しいやり方をきちんと理解しておく必要があります。

唇を閉じて口から息を吐く

唇を閉じた状態で、口から息を吐きましょう。唇から自然と息が漏れて、唇が小さくプルプルと振動するのがわかるはずです。

このとき頬に空気を溜め込みすぎていたり、そのままの口の形でおこなったりするとスムーズに続けられません。

頬はややすぼめて、アヒルのように唇を少し前に突き出しておこなってみてください。それだけでかなりスムーズにリップロールができるようになります。

上手にできたら、次は声を出しながらリップロールを繰り返しましょう。

唇を振動させて音程を調節する

唇をプルプル振動させながら声を出し、高い音、低い音をつなげて発声してみてください。

鼻歌を歌うようにリズムに合わせてもよいですし、音階に合わせて徐々に音を上げていくのでもOKです。

自分のやりやすい方法で、どの音でも安定してリップロールができるようになるまで練習しましょう。

腹筋を意識して息を吐く

うまくリップロールができない場合は、腹筋を意識してください。息を吸うときにお腹が膨らんでいるか、発声する際にお腹に力が入っているかを注意深くチェックしましょう。

お腹に手を当てながらリップロールをおこなうのがおすすめです。

お腹の力を上手に使えるようになると、リップロールもスムーズにできるようになっていくでしょう。

リップロールができないときの対策方法

リップクリーム

リップロールは簡単そうに見えますが、慣れない間はなかなかコツを掴みにくいものです。

ここでは、リップロールが上手にできないときの対処方法を紹介します。

唇が震える感覚を掴む

いきなり長くリップロールを続けようとするのではなく、短いリップロールを繰り返しましょう。まずは、唇が震える感覚を掴むことが大切です。

どのように息を吐けば唇が震えるのかがわかってきたら、徐々に吐く息を長く伸ばしていきましょう。

最初と最後で唇の震え方が違う場合は、吐く息の量が不安定になっている証拠です。最初から最後まで一定の震え方になるよう、息の量をコントロールしてください。

口角に指を当てておこなう

どうしても唇が震えない、音程を変えようとすると唇が離れてしまうという場合は、両手の指を左右の口角に当ててみてください。

口角を少し抑えながらリップロールをおこなうと、指を使わない場合よりもかなりリップロールを続けやすくなります。

この方法で長くリップロールを続ける、音程を取れるようになるまで続けるという練習方法をしてから、指を話してリップロールを試してみましょう。

頬に空気が入ってしまう場合は、口角ではなく頬に手を添えて、膨らまないよう調整してリップロールをおこなうのがおすすめです。

リップクリームで保湿する

「前までできていたのに、いきなりリップロールができなくなった」という場合、唇の乾燥が原因かもしれません。唇が乾燥しているときは息が漏れやすく、リップロールを上手に続けられなくなります。

リップクリームなどでさっと保湿してから、リップロールを試してみるとよいでしょう。乾いているときよりもスムーズにおこなえます。

また、声帯が乾燥していると音を取りにくくなったり、喉を傷めたりする原因になります。喉が渇いているときや、乾燥した環境で歌う場合は、意識して水を飲むことも大切です。

喉と一緒に唇も保湿でき、リップロールをおこないやすくなります。

リップロールを取り入れてもっと上手に歌おう

発声練習の基本であるリップロールを紹介しました。

リップロールはプロの歌手もおこなう、効果的な発声練習です。音程が取りやすくなる、喉をリラックスさせることができる、口周りの緊張がほぐれるなど、リップロールにはさまざまなメリットがあります。

慣れるまでには練習が必要ですが、コツコツ続けることで、歌の上達につながります。音が取りにくい、喉が痛くなりやすいといった悩みをお持ちの方は、ぜひリップロールを試してみてください。

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