カラオケ後に喉が痛い!原因と対処法、喉を痛めない歌い方も解説
上達への近道
2024/02/14
「カラオケに行くと必ず喉が痛くなるのはなぜ?」
「歌いすぎて喉が痛いけど、どうやって治したらいい?」
このような疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
カラオケで気持ちよく歌うためには、喉のコンディションを整えておくことが大切です。喉の痛みを感じているのにそのまま無理して歌い続けると、喉の炎症を引き起こしてしまうおそれがあります。
今回は、カラオケ中やカラオケ後に喉が痛くなる原因と対処法、喉を痛めない歌い方のコツを解説します。また、自宅で簡単にできる喉を鍛えるトレーニングも紹介します。カラオケを楽しむためにも、ぜひ参考にしてください。
カラオケで喉が痛くなる3つの原因
カラオケの最中やカラオケを楽しんだあとに「歌いすぎて喉が痛い……」と感じたことのある方もいるのではないでしょうか。カラオケで喉が痛くなる原因として、以下の3つが挙げられます。
- 叫ぶように歌っている
- 喉の筋肉がストレッチされていない
- よくない環境で歌っている
それぞれの原因について、詳しくみていきましょう。
1. 叫ぶように歌っている
カラオケで喉が痛い原因として多いのが、叫ぶように歌っているケースです。
「叫ぶ」というのは、たくさんの量の息を、声帯が受け止めきれないにも関わらず、大きな声を出そうと無理に声を出し続けている状態です。
その結果、声帯が痛んでしっかり閉じることができなくなります。
また、喉がしっかり開いていない状態で無理に歌うと、喉を痛めるおそれがあります。息が漏れてカスカスしたり、ガラガラ声になってしまうことも。
声量豊かに歌うことはカッコ良いですよね。
ですが、声量の大きさは「声の大きさ」や「息の量」ではなく「響きの量」なのです。倍音についてしっかり理解するとよい声を出しやすくなりますので、ぜひ下記の記事もあわせて参考にしてみてください。
【あわせて読みたい】倍音とは?活用方法や「よい声」を作る方法をプロがわかりやすく解説
無理に大きな声を出そうとせずとも、声を響かせるコツを掴めば、喉に負担をかけずに声量豊かに歌うことができるようになります。
喉の筋肉がストレッチされていない
喉の筋肉がストレッチされていない状態で歌うと、喉を痛めることがあります。
声を出すのにも筋肉が関わっているためです。
スポーツをする前は怪我をしないよう柔軟体操をしますよね。
発声でも同じことがいえます。
音程を取るための筋肉、低い声や高い声を出すための筋肉、声のボリュームをコントロールする筋肉。
歌うときには様々な筋肉が同時に頑張ってくれます。
これらの筋肉が固い状態のまま負荷をかけてしまうと、痛んでしまう可能性があります。
結果、声が出せなくなったり、痛くなったりするのです。
それらの筋肉に不必要な負荷をかけることなく、歌を楽しむための準備運動があります。
スポーツと考え方は同じで、「ストレッチ」が大切なんです。
ストレッチには筋肉をしなやかにしたり、血流を良くし、温めてくれる効果があります。
歌う前に少しの時間で良いので、喉を労わってあげる意識を持ちましょう。具体的なストレッチ方法については、「歌う前、歌った後にストレッチをする」の章で詳しく解説していますので、あわせて確認してみてくださいね。
喉によくない環境で歌っている
喉によくない環境で歌うことも、喉を痛める可能性があります。
声を出すのには筋肉のほか、あらゆる粘膜も関わっています。
これらの大敵は「乾燥」です。
カラオケの部屋は密室であるため、空調などの影響から乾燥しがちといえます。
また、タバコやアルコール摂取などはダイレクトに喉の粘膜や気道を乾燥させてしまいます。
喉の粘膜が乾燥してしまうと声帯が振動せず、声が出にくくなるため、頑張って声を出そうとしてしまいます。
その結果、喉周辺の筋肉に強い負荷をかけてしまい痛めてしまうのです。
カラオケ中やカラオケの翌日に喉が痛くならないようにするには?
「カラオケの後やカラオケの翌日に喉が痛くなってしまった」あるいは「カラオケ後に喉が痛くならないようにしたい」ときは、どのように対処すればよいのでしょうか。
自分で簡単にできる対処法は、以下の通りです。
- 歌う前、歌った後にストレッチをする
- 温かい飲み物を飲みながら歌う
- 部屋の環境を良くする
- のど飴やハチミツを舐める
具体的にみていきましょう。
歌う前、歌った後にストレッチをする
喉の痛みを和らげるために一番簡単なストレッチは「リップロール」です。
リップロールとは、唇を閉じながら適度に息を吐き「プルプルプル・・・」と震わせる、エクササイズの一つです。
これを声を出しながらやると、声帯や唇の血流を良くし、喉周辺の粘膜や筋肉を温めてくれることから、喉が痛むのを防ぐ効果が期待できます。
声帯にかかる負荷を抑えながら声を出すことができるので、声も出しやすくなります。
歌いたい歌をリップロールで歌ってみるのも効果的です。
また、音程を取るための筋肉、低い声や高い声を出すための筋肉、声のボリュームをコントロールする筋肉といった具合に、役割によって活躍する筋肉が異なります。
それぞれピンポイントにストレッチすると効果は高いのですが、この辺りは専門家であるボイストレーナーの指示のもと、自分に合ったストレッチを見つけると安全です。
温かい飲み物を飲みながら歌う
喉の筋肉や粘膜が良いコンディションであることも、歌うのに重要なポイントです。
ストレッチをしてしなやかに活躍できる状態や血流が良い状態をキープさせるために、温かい飲み物を飲むことをおすすめします。
冷たい飲み物は血流を滞らせてしまいますし、アルコールは声帯をむくませてしまい、発声の際にかかる負荷を高めてしまいます。
カラオケなどでオーダーできる飲み物のなかでおすすめなのは、温かいお茶です。
もしハチミツを入れることができるのであれば、紅茶やハーブティーがベストです。
【あわせて読みたい】【現役ボイストレーナー解説】喉にいい飲み物・食べ物11選!
部屋の環境を良くする
歌う部屋の環境を良くすることも、喉への負担を軽減してくれます。
カラオケは密室であるため、空調の影響から乾燥してしまいがちです。
乾燥抑止のため、適度に換気をしたり、可能であれば加湿を意識してみてください。
持ち歩くことができるサイズの加湿器もおすすめです。
もし部屋を加湿することが難しい場合は、熱い飲み物の湯気を利用することもできます。
湯気で鼻の粘膜や喉を温めることで、喉周辺の筋肉や粘膜が保湿されます。
のど飴やハチミツを舐める
のど飴を舐めることはカラオケ中、カラオケ後どちらも手軽に取り入れられるケアの方法の一つです。
とくにおすすめなのは、ハチミツの成分が含まれたもの。マヌカハニーやプロポリスといった殺菌・消炎作用の高いもので作られたのど飴は効果的です。
また直接ハチミツを舐めるのもおすすめです。
一日小さじ1ほどのハチミツを摂取することは、喉の粘膜の殺菌・消炎効果が期待できますし、保湿効果もあります。
毎日の喉ケアの一つとして取り入れてみましょう。
【あわせて読みたい】【現役ボイストレーナー解説】喉にいい飲み物・食べ物11選!
カラオケで喉を痛めない歌い方のコツ
ここまで喉が痛くなる原因や対処法をご紹介しましたが、それらを実践できない場面もあると思います。
そんなときは歌い方で気を付けるポイントがあります。
カラオケで喉を痛めない歌い方のコツは、以下の3つです。
- マイクをうまく使う
- 高音で力が入るなら無理せず裏声で歌う
- 鼻で呼吸をする
それぞれ解説していきます。
マイクをうまく使い正しい姿勢で歌う
カラオケで喉を痛めないために、マイクをうまく使いましょう。
カラオケのマイクは、どんな方が歌っても声を拾いやすく、非常に高性能であることが多いそうです。
とはいえ、カラオケの音量が大きく、自分の声が聞こえづらいときもありますよね。
そんなときはカラオケの音量を下げるか、マイクの音量を上げるなどし、頑張って大きな声で歌おうとするのを控えることが喉を痛めない方法の一つです。
乾燥している部屋で大きな声を出そうとすると、吐く息の量が増え、声帯や喉周辺の筋肉に負荷をかけてしまいます。
可能なら「声の大きさ」ではなく、「響きの量」を意識した発声を意識しましょう。
【あわせて読みたい】倍音とは?活用方法や「よい声」を作る方法をプロがわかりやすく解説
高音で力が入るなら無理せず裏声で歌う
高音域に入ると喉に力が入ってしまう方は、無理せず裏声(ファルセット)で歌うことも喉を痛めない方法の一つです。
裏声は弱いから使いたくないという方もいるかもしれません。
しかし、裏声で丁寧に歌うのも、表現の一つとして魅力的です。
高音域を無理して歌うとカスカスした声になってしまう可能性もあるので、選択肢の一つと考え、取り入れてみてください。
【あわせて読みたい】裏声の出し方のコツとは?裏声を鍛えるメリットもわかりやすく解説!
ファルセットとは?出し方の3つのコツとおすすめの練習方法を解説
また歌う際は、鼻で呼吸することを意識しましょう。
あまり知られていないのですが、口呼吸は喉の粘膜を乾燥させるといわれています。
おすすめは「鼻呼吸」。
鼻で呼吸すると鼻や喉の粘膜が潤います。
歌う際の息継ぎ(ブレス)では、鼻から息を吸うことを意識してみてください。
「はっ」と口から息を吸ったときと比べると、発声に影響が少ないことが実感できると思います。
普段から意識しておくのも重要!おすすめのトレーニングとケア3選
喉を痛めない歌い方のコツについて解説しましたが、カラオケ中だけでなく、日頃から喉を痛めないよう意識しておくことも重要です。ここでは、自宅で簡単におこなえるトレーニングやケアを紹介します。カラオケを楽しむためにも、ぜひ積極的に取り入れてみてください!
ストレッチ
日頃からストレッチをおこない、喉の周辺筋をしなやかにしておくことが大切です。
首の前面を伸ばしたり、首の後面を揉むなど、普段から柔らかくしておいたり、血流を良くしたりしておきましょう。
ただし、喉周辺には小さく脆い組織もたくさん集まっています。
例えば喉仏(甲状軟骨)を無理やり動かしたり、首の前面を揉むことは絶対に避けましょう。
効果的なストレッチを知りたい方は、専門家であるボイストレーナーや整体師さんなどにアドバイスをもらうことをおすすめします。
腹式呼吸
普段から腹式呼吸を意識することもおすすめです。
私たちが普段無意識でおこなっている呼吸は、大抵「胸式呼吸」と呼ばれるものです。
息を吸うとき、肩が上がっているなら胸式呼吸といえます。
少し前傾姿勢で息を吸ってみてください。
そのときお腹が膨らむなら腹式呼吸ができている状態です。
無意識に腹式呼吸ができるようになると、発声のしやすさはもちろん、喉にとっても様々なメリットが得られます。
「歌には腹式呼吸がよい」というのは聞いたことのある方も多いと思いますが、それは「息の吐く量やスピードがコントロールしやすい」ためなのです。
歌うことにおいて、必ずしも腹式呼吸を推奨しているわけではありませんが、カラオケで叫ぶように歌ってしまう方は、腹式呼吸を身につけてみるのもよいでしょう。
加湿
部屋を適度な湿度に保った状態にしておくことは喉だけでなく、体調管理をする上でも大切だといわれています。
加湿器を上手に利用することに加え、なるべく冷たい飲み物より温かい飲み物を飲んだり、ハチミツなどを採り入れることもおすすめです。
人混みの中にいた方や、感染症が流行しているときなどは鼻うがいや吸入器を使い、殺菌を心がけるのも効果的です。
外出することが多い方は、マスクをすることをおすすめします。
マスクの中には濡れたガーゼを挟んだ、保湿能力の高いものもあります。
また、携帯用の加湿器や吸入器を利用することも有効です。
喉の痛みが治らないときは
カラオケ後の喉の痛みは、時間の経過とともに改善していくことがほとんどです。
筋トレやスポーツをしたときに筋肉痛になるように、一時的なケースの可能性が高いからです。
しかし、喉の痛みが改善しないときは、我慢せず病院に行くことをおすすめします。喉の粘膜や声帯が炎症を起こしている可能性があるため、できれば耳鼻咽喉科を受診しましょう。
「音声外科」など、声に関する部位を診ていただける先生にかかっても良いと思います。
なかには「カラオケが原因だからこのまま様子を見よう」と思う方もいるかもしれませんが、痛みが長引いている場合はほかの疾患が隠れている可能性もあります。自己判断せず、医師の診察を受けましょう。
喉を痛めずにカラオケを楽しみたいならボイトレ教室がおすすめ
カラオケ中やカラオケ後の喉の痛みについて解説しました。普段からトレーニングをしたり、ケアをしたりするなど喉を大切にしながら、歌うことを楽しんでくださいね。
もし自分だけで練習するのが難しい場合は、ボイトレ教室に通うのも1つの方法です。プロの講師が、喉が痛くならない歌い方を指導してくれます。
Beeボーカルスクールは、さまざまなボイトレコースを用意しています。なかでもカラオケ好きの方におすすめなのが、カラオケ上達コースです。発声練習や歌唱練習のほか、高得点をとるために必要なビブラートやこぶしなどのテクニックも丁寧に解説しています。無料体験レッスンをおこなっているため、まずはお気軽にお問い合わせください。
「喉を痛めずにカラオケを楽しみたい!」そんな方は、Beeミュージックスクールの無料体験レッスンへ