歌における腹式呼吸のメリットとは?できているかわからないといった疑問にも回答!

歌の練習

2024/03/22

投稿者: 西 貴正

歌における腹式呼吸のメリットとは?できているかわからないといった疑問にも回答!

「歌うときは腹式呼吸の方がいいって本当?」
「腹式呼吸を意識するとちゃんと歌えない……」
「歌うときに腹式呼吸はいらないのでは?」

この記事を読んでいる方の中には、上記のような疑問やお悩みをお持ちの方もいるのではないでしょうか?

歌う際にしっかり腹式呼吸を意識すると、得られるメリットがいくつもあります。

この記事では、歌における腹式呼吸の効果やメリット、練習方法などについて解説します。腹式呼吸を使った正しい歌い方を知ることで、カラオケをもっと楽しめるようになるので、ぜひ最後まで読んでみてください。

当記事で紹介している練習法を動画で観たい方はこちらからご覧ください。

歌における「腹式呼吸」のメリットとは

腹式呼吸

ここでは腹式呼吸を習得することでどんなメリットがあるのか詳しく解説します。

そもそも腹式呼吸とは?胸式呼吸との違いもあわせて解説

よく「胸式呼吸」と「腹式呼吸」が比較されますが、腹式呼吸とは肺の下にある横隔膜を使って息を吐いたり、吸ったりする呼吸法です。

一般的には「腹式呼吸」が歌うことにおいて必須といわれていますが、実は胸式呼吸にもメリットはありますし、腹式呼吸が不向きな表現もあります。

普段私たちはどちらか一方だけを使って呼吸をしているわけではなく、無意識にどちらの呼吸も使っているんです。

そのため、歌において大切なポイントは「使い分けする」ということ。

使い分けることで、表現の幅が広がります。

「胸式呼吸」と「腹式呼吸」の大きな違いは「燃費」です。

胸式呼吸は、吸った息の多くが無意識に吐き出されてしまうのに対し、腹式呼吸はコントロールしながら吐き出すことができます。

そのため、音を長く伸ばす「ロングトーン」や、ブレス(息継ぎ)できる箇所が少ないメロディを歌う場合には、コスパよく呼吸する必要があるため、腹式呼吸がおすすめです。

一方、胸式呼吸にもメリットがあります。

よく「胸式は呼吸が浅い」といわれますが、その分、素早く息を取り込むことができます。

ダッシュをしなければならない場合や、過呼吸時に向いている呼吸法です。

腹式呼吸だと、肺活量をアップさせることができるのでメリットは多いのですが、息を吸うのにある程度の時間が必要となります。瞬時に息を吸わなければならない場合に、呼吸が間に合うかどうかが重要なポイントといえます。

腹式呼吸が歌にもたらす効果とメリット

歌うときに腹式呼吸ができるようになると、歌声が安定しやすくなります。

歌を歌うときは、あらゆる場面において、吐き出す息の量をコントロールする必要があります。

しかし、胸式呼吸だと吐き出す息の量を調節するのが難しく、呼吸する際に肩や胸が引き上げられ、喉が緊張した状態になるので声帯にも負担がかかってしまいます。

 そのため、息の量をコントロールできる腹式呼吸のほうが、歌を歌うのに向いているといえます。

また健康面でもメリットが多く、副交感神経を優位にさせる働きがあるため、リラックス効果があるともいわれています。ヨガや瞑想でも用いられるのはこのためです。

 

最初は意識的に腹式呼吸をおこなう練習が必要ですがコツを掴むだけであれば難しくはありません。私たちは無意識に胸式呼吸と腹式呼吸を使い分けています。そのため、コントロールできるようにすると、歌うときに得られるメリットが大きくなるのです。音を長く伸ばすロングトーンが出しやすくなり、堂々とした印象を抱かれることでしょう。

腹式呼吸の練習方法

それでは、腹式呼吸の練習方法をご紹介します。

そこまで難しいことはありません。

  1. 背筋を伸ばした姿勢を保ち、おへそのあたりに手をそえる
  2. 鼻からゆっくり空気を吸い込み、おへそのあたりが膨らんでいることを確認する
  3. なるべくお腹が膨らんでいる状態をキープする(このとき、口や喉を開けた状態でキープすることで、よりお腹が膨らんでいる状態で静止できるようになります)
  4. 苦しくなった時点で、可能な限り時間をかけてゆっくり息を吐き出す(具体的には、息を吸うのに4秒、吐くのに8秒くらいかけるとよいでしょう)

可能ならさらに限界まで吸う、可能な限り止める、ゆっくり吐くを繰り返すことで高い効果を得られます。

 

腹式呼吸と歌に関するよくある質問

Q&A

最後に腹式呼吸と歌に関するよくある質問にお答えします。

歌いながら腹式呼吸をするにはどうすればいいですか?

はじめのうちはゆったりした曲で練習することをおすすめします。

言葉数の多い、テンポの早い曲はブレス(息継ぎ)が難しく、胸式呼吸の方が歌いやすいためです。

なるべく言葉数の少ない、比較的簡単に歌えると感じる曲を選び、腹式呼吸ができている状態を確認する余裕を持つことが大切です。

腹式呼吸ができているかわからない場合どうしたらいいですか?

腹式呼吸を練習し始めたばかりのときは、歌の中で活用できているか自分では判断できないこともあります。

そんな場合は、「ロングトーン」を発声してみましょう。ロングトーンとは、音を長く伸ばす発声のことです。出しやすい高さの音で「あー」と伸ばしてみてください。

腹式呼吸ができていれば声が揺れず、安定して伸ばすことができます。

また、お腹にも注目しましょう。お腹がすぐに引っ込んでしまうのは胸式呼吸となっているかもしれません。

腹式呼吸の場合は、逆にお腹を前に膨らませるように息を吐くことで成功率が上がります。

さらに手っ取り早いのが「前傾姿勢」です。

体を少し前に倒している状態では肩や胸が上下しづらく、自然に腹式呼吸ができるようになります。

この状態で歌ってみると、腹式呼吸のコツがわかりやすいはずです。

最初は、姿勢を真っ直ぐにしたときに成功しなくても、継続して練習することで必ず習得できるので、諦めずにコツコツ続けていきましょう。

腹式呼吸のメリットを理解して歌を歌おう!

歌い方や、表現方法によっては腹式呼吸でないと難しい場合や、喉に負担がかかるケースもあります。特に、「ロングトーン」を用いるメロディや、短いスパンで息継ぎが必要なメロディなど、呼吸のコントロールが必要な場合には恩恵を受けられます。また、普段会話時には使わないような大きな声を出したい場合、ある程度呼気の量を増やす必要もあり、腹式呼吸が便利です。

もし腹式呼吸をマスターせず、息を吐き出す量を無理やり増やそうとして大声になってしまうと、声帯に負担がかかる可能性があります。

喉を傷めないことはもちろん、魅力的な歌唱をしたいのであれば、腹式呼吸の習得がおすすめです。正しい歌い方を身につける第一歩として、まずは腹式呼吸の練習から始めてみましょう。

人は普段、基本的に胸式呼吸を使っていますが、腹式呼吸のコツを掴むことはそれほど難しいわけではありません。自然に歌唱時に使えるようになるまで、意識して練習に取り入れてください。

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