ファルセットとは?出し方の3つのコツとおすすめの練習方法を解説

2024/01/11

投稿者: 西 貴正

ファルセットとは?出し方の3つのコツとおすすめの練習方法を解説

「ファルセットってどうしたら上手に出せるの?」
「もっと楽に高い声を出せるコツはある?」

このような疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

ファルセットは、歌うときには欠かせない発声の1つです。ファルセットが出せるようになると、歌の表現の幅がぐっと広がります。曲のレパートリーも増えて、歌うことがより楽しいと感じられるでしょう。

この記事では、ファルセットについて詳しく解説します。出し方のコツや練習方法、さらにおすすめの練習曲も紹介しています。ファルセットを身につけてきれいな高音で歌いたい方は、ぜひ参考にしてください。

ファルセットとは|裏声との違いも解説

ファルセットとは、イタリア語で優しくて柔らかい高音域の声、またはその発声技術を指します。吐息と合わさったような、繊細な歌声のイメージで、「仮声」とも訳されます。

裏声と聞くと、ファルセットをイメージする方もいるかもしれませんが、実は裏声にはいくつかの種類があり、ファルセットはその一つなのです。

【あわせて読みたい】裏声の出し方のコツとは?裏声を鍛えるメリットもわかりやすく解説!

裏声の種類は4つ!

実は裏声にはいくつかの種類があります。裏声の種類は大きく分類すると以下の4つです。

  • ファルセット
  • ヘッドボイス
  • ミドルボイス
  • ホイッスルボイス

この4つの裏声はそれぞれ出し方などが異なるため、上手に使い分ければさまざまな曲が歌えるようになるでしょう。詳しく解説します。

1. ファルセット

ファルセットは、透明感のある響きが特徴です。吐息とともに発声するようなイメージで、繊細さが表現できることからバラードで多く使われています。十分に息を吐き出す必要があり、呼吸が浅いと上手くいきません。しかし、一度身につけてしまえば、初心者でも表現の幅が広がりやすいといった特徴があります。また、全ての裏声はファルセットをベースにしているといっても過言ではありません。他の裏声発声を習得するには、ファルセットが必須となります。

2. ヘッドボイス

ヘッドボイスは、頭の上から声を出すようなイメージの裏声です。オペラなどでは頭声(とうせい)とも呼ばれます。ファルセットよりも芯のある声で、息漏れが少ない発声方法ですが、速くかつ多くの息を必要とします。

ヘッドボイスを習得すると、安定的にはっきりした裏声を出せるようになるでしょう。またファルセットと比べると、地声の延長上にあるような強い響きに聴かせることができます。

3. ミドルボイス

ミドルボイスとは、地声では出すことのできない高音域を地声の強さを保ちながら出せる発声方法です。ミドルボイスは、ヘッドボイスと併せてミックスボイスと呼ばれることもあります。

ミドルボイスは、地声と裏声をなめらかに切り替える必要があるのです。裏声に切り替わりやすいポイントを「換声点(Change Point)」と呼びます。これを削除することが、ミドルボイスの習得の近道となります。

ミドルボイスを身につければ、地声で出すことのできない高音域において、地声のような太さのある声で歌うことができるため、さまざまな歌に挑戦できるでしょう。

4. ホイッスルボイス

人間が出せる最も高い音をホイッスルボイスといいます。「超ハイトーンボイス」や「超高音発声」とも呼ばれ、声帯をほとんど振動させずに発声する上級者向けのテクニックの1つです。

マライアキャリーやミニーリパートン、MISIAが代表的で、習得すれば大きなインパクトを与えられます。ただし、初心者が無理をすると大抵は力んでしまい、声帯や周辺筋を傷める原因となるため注意しましょう。

ホイッスルボイスは他の発声と比較しても特に脱力している状態が求められます。逆にいうと、ホイッスルボイスの発声時は、声量豊かな発声の割に、ほとんど負荷のかからない楽な状態であるということです。

ファルセットの出し方は?3つのコツを紹介

ファルセットを出すコツは、喉に力を入れずにリラックスすることです。ファルセットを出すコツは、以下の3つが挙げられます。

  • 力まず息を吐くことを意識する
  • 喉の開き方を変える
  • 息のスピードを意識する

それぞれ分かりやすく説明していきます。

1. 力まず息を吐くことを意識する

ファルセットはとにかく力まずに息を吐くことが大切です。力みすぎると声が割れたり、筋肉を痛めてしまう可能性があるからです。

喉に負荷なく息を吐くのに「リップロール」が有効な手段の一つになります。リップロールとは、唇を震わせるエクササイズのことです。リップロールに慣れると、吐く息の量とスピードが安定することが期待でき、ファルセットも出しやすくなります。

2. 喉の開き方を変える

ファルセットは、喉の開き方で声色に様々な変化を与えることができます。

たとえば、喉を大きく開けると、オペラのような太くまるい声になり、狭くすると鋭い声を発することができます。曲によって使い分けてみると、表現の幅が広がります。

3. 息のスピードを意識する

息を吐くスピードを意識することによって、声の強さに影響を与えることができます。

早く吐くイメージだと輪郭のはっきりした強い印象に、ゆっくり吐くイメージだと囁き声のような声色で歌うことができるのです。

ファルセットが上達する練習のポイント

スマホを使って歌を練習する女性

ファルセットは、先述したコツを意識しながら繰り返し練習するのが上達への近道です。また、練習方法にもポイントがあるため、しっかりと押さえた上で取り組みましょう。

ファルセットを練習するときのポイントは、以下の5つです。

  • リラックスする
  • しっかり息を吐き出す
  • いろいろな子音や母音を試す
  • 出しやすい音程から始める
  • 地声とファルセットを切り替える

それぞれ詳しく説明します。

リラックスする

ファルセットを出すときは、力まずに発声しましょう。高い声を出すときには力が入りがちですが、そうすると喉にも余計な力がかかってしまうためです。

練習を始める前に、まず体をほぐしてリラックスしましょう。首や肩を軽く回すなど、軽くストレッチするのがおすすめです。

しっかり息を吐き出す

息の使い方もファルセットの習得には欠かせないポイントです。ファルセットはたくさん息を使わなければならないため、吐き出し方が弱いと上手く発声できません。しっかりと最後まで息を吐き切りましょう。

いろいろな子音や母音を試す

まずは「ha」や「fu」など、息が漏れやすい子音を使ってで練習し、慣れたら違う子音や母音で練習しましょう。母音が変わっても、リラックスした状態で長く発声するのがポイントです。いろいろな子音や母音を試して、ファルセットを自在に扱えるようになりましょう。

出しやすい音程から始める

ファルセットを練習するときに、必ずしも高い音域でおこなう必要はありません。むしろ普段地声で出している低〜中音域をファルセットで歌うことで、違った魅力ある声を表現することができます。無理に高い声を出さずに自分が出しやすい音程から始め、慣れてきたら少しずつ音程を上げていきましょう。息を多く使う「ha」など息が漏れやすい発声で、出しやすい音程から練習するのがおすすめです。

地声とファルセットを切り替える

先述したように、ファルセットは裏声の1つです。地声と裏声をスムーズに切り替えられるようになると、歌においてコントロールしやすいでしょう。

切り替えの練習には、1オクターブほど音が離れた音階で練習することが有効です。

  1. 低い「ド」の音で「ah(あー)」と発声する
  2. 次に裏声で、高い「ド」の音で「ah(あー)」と発声する
  3. 1と2を半音ずつ上げながら繰り返す

このとき、上手く音程がとれなくても気にする必要はありません。慣れるまでは切り替えに集中するのがポイントです。

地声とファルセットを高速で切り替えて歌う「ヨーデル」という歌唱方法を聞いたことがある人も多いと思います。

このイメージで練習するとコツが掴みやすいです。

ファルセットが出せないときはボイトレ教室もおすすめ

ファルセットを出すコツや、練習のポイントを紹介しました。しかし、正しい方法で出すためには、独学では限界があるでしょう。また、高音が出せるようになっても、喉に負担をかけるような歌い方ではよくありません。

このようなときは、ボイトレ教室に通うのがおすすめです。ボイトレ教室でしっかりと基礎から学ぶことで、きれいな高音が出せるようになります。

Beeボーカルスクールは、ボイトレ未経験の方も安心して通える音楽スクールです。経験豊富なプロの講師陣が一人ひとりに合わせてレッスンします。確実にファルセットを身につけたい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

【男女別】ファルセットの練習におすすめの曲

歌を練習する女性

ファルセットで上手に発声できるようになったら、次は実際に曲を歌ってみましょう。しかし、いざ練習しようとしても「ファルセットの練習に向いている曲ってあるの?」と疑問を持つ方もいるでしょう。

ここでは、ファルセットの練習におすすめの曲をご紹介します。ぜひ練習するときの参考にしてください。

男性におすすめの練習曲

男性がファルセットを練習するのにおすすめの曲は以下の通りです。

  • 奏 / スキマスイッチ
  • 不思議 / 星野源
  • 白日 / King Gnu

それぞれ見ていきましょう。

奏 / スキマスイッチ

スキマスイッチの代表曲である「奏」は、ファルセットの練習におすすめしたい1曲です。テンポがゆっくりなバラード曲で、音域もそこまで高くありません。初心者でも比較的歌いやすい曲だといえます。特にサビは、しっかりと感情を込めてファルセットで歌ってみましょう。

不思議 / 星野源

星野源さんは音域がそれほど高くなく、ボイトレにおすすめの歌手の1人です。数ある名曲の中でも「不思議」は、地声で歌う部分とファルセットで歌う部分が明確に分けられています。ぜひ歌いこなせるようになりましょう。

白日 / King Gnu

King Gnuの「白日」も、ファルセットが印象的な名曲です。ボーカルの井口さんはきれいな高音が特徴で、とても練習になる1曲だといえます。ただし、曲自体の難易度は高めです。最初から1曲すべて完璧に歌おうとせず、部分的に練習するとよいでしょう。

女性におすすめの練習曲

女性がファルセットを練習するのにおすすめの曲は以下の通りです。

  • 三日月 / 絢香
  • カブトムシ / aiko
  • 366日 / HY

1つずつ見ていきましょう。

三日月 / 絢香

カラオケでの人気も根強い絢香さんの「三日月」は、おすすめの練習曲です。音域が低めでテンポもゆっくりなので、取り組みやすいでしょう。しかし、呼吸のコントロールの面では難易度が高く、初心者では息が続かない可能性もあります。呼吸を意識して歌ってみましょう。

カブトムシ / aiko

aikoさんの代表曲である「カブトムシ」も、裏声を出す練習に向いています。特にサビの最後の部分では、きれいなファルセットとともに豊かな表現力も必要です。音程がとりづらいところもありますが、ぜひマスターしたい1曲だといえます。

366日 / HY

失恋ソングの定番として人気のHYの「366日」は、地声と裏声の切り替えに苦手意識のある方におすすめしたい曲です。バラード曲の中では早いフレーズで、前半と後半で音域に差があります。ある程度上手に裏声が出せるようになったら、ぜひ挑戦してみましょう。

正しい練習方法を知ってファルセットを習得しよう

裏声の1つであるファルセットは、柔らかい響きと繊細な歌声が特徴です。習得すれば、より豊かな表現で歌えるようになるでしょう。

ファルセットは高ければよいというわけではなく、吐息と声を混ぜるようなイメージで発声します。必ずしも腹式呼吸である必要はありませんが、息の量やスピードで聞かせ方が変わるので呼吸を意識することも大事です。

また、体の緊張をほぐしてリラックスするのも重要です。無理に高い声を出そうとすると喉を傷める原因になるので、余計な力を入れずに呼吸法を意識して取り組みましょう。

練習しても思うようにファルセットが出せないときは、ボイストレーニングを検討するのも1つの方法です。ボイトレ教室では、プロの講師があなたの目的や目標に合ったトレーニングを提供してくれます。正しい練習方法を知れば、喉に負担をかけずに高音が出せるようになるでしょう。

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