歌の表現力をアップに欠かせない3つの要素とコツを解説
上達への近道
2021/06/18
歌は、ただ音符通りに歌うだけでは不十分です。表現力を磨いてこそ、本当に人を感動させる歌を歌えます。
しかし、表現力は目で見たり耳で聞いたりしてすぐわかるものではありません。練習方法がわからない、という人も多いでしょう。
そこで本記事では、歌の表現力を左右する要素や練習方法を紹介します。
きちんと歌えているのに感情がこもらない、表現力がないとお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
歌の表現力は何で決まるのか、3つの要素
歌の表現力を左右する要素は、以下3つです。
- 基本的な技術
- 歌詞の理解
- 声の抑揚
これらの要素をバランスよく伸ばすことで、歌により深みが増します。
ここでは、3つの要素それぞれについて、詳しく解説します。
基本的な技術
表現力を磨くには基本的な歌唱テクニックも重要です。
音符通りに歌えていないと、音を外した部分が大きく目立ち、いくら感情をこめても相手に伝わりにくくなってしまいます。
「上手く歌えないかもしれない」「下手だと思われたらどうしよう」「息継ぎのタイミングがわからない」など、不安な感情は歌にも表れます。このような不安が聴いている相手に伝わると、歌が本当に伝えたいことを伝えられません。
基本的な歌唱技術を磨けば、表現力のある歌い方ができるようになるだけでなく、自分の歌に自信がついて安定して歌えるようになります。
身につけるべき歌唱技術は、しゃくりやこぶり、ビブラートなどさまざまです。まずは安定して歌えるようになることを目指して、練習を続けましょう。
歌詞の理解
表現力は、歌詞の理解によっても大きく左右されます。ただ歌詞をなぞっているだけでは、その歌の良さを伝えることはできません。
歌詞を書いた人が何を伝えたいのか、どんなシチュエーションなのか、自分と重なる部分がないかなどを、しっかり考えることが大切です。
歌詞の喜怒哀楽をきちんと理解し、1つのフレーズからどんなことを読み取れるのか、歌全体にどんな印象を受けたのかを自分でしっかり把握しましょう。
歌をしっかり解釈することで、歌詞に感情移入できるようになります。歌詞の理解が増すたび、より深みのある歌い方ができるようになるでしょう。
声の抑揚
表現力をアップさせるテクニックのなかでも、比較的わかりやすいのが声の抑揚です。
ずっと同じテンションで歌い続けるのではなく、抑えるべきところと強調すべきところを見極めましょう。
声の抑揚には、歌詞の理解も関わってきます。歌詞をきちんと理解して解釈すれば、どの部分を強調すべきか、どの部分を抑えるべきかが見えてくるためです。
「歌いだしは控えめに、サビは強く」といった歌い方が分かりやすいでしょう。これだけでも歌にメリハリが出て、抑揚のない歌い方から脱出できます。
歌の表現力をアップさせるコツ
歌の表現力をアップさせるためにできることを3つ紹介します。
強弱をつける、歌詞を大切にする、アーティストの真似をするなど、すぐにできることばかりです。
自分の歌い方に満足していないという方は、ぜひ取り入れてみてください。
強弱を意識して歌う
歌の強弱を意識して歌うのも、表現力のひとつです。
一番強調したいのは、歌の中でも一番キーが高い部分です。高い音程をとるのに苦戦する方も多いですが、とくに盛り上がる部分なので、しっかり強調して歌いましょう。
さらに、いきなり声量を上げるのではなく、徐々に強くしていくことでより盛り上がる歌い方ができます。
一番盛り上がる部分に到達するまでに、どの部分から声量を上げていけばよいのかを逆算しましょう。一曲のなかで、強弱をコントロールすることが大切です。
歌詞の内容を大切にする
喜び、悲しみ、怒りなど、歌には作り手のさまざまな思いが込められています。歌詞の内容を大切にして、きちんと理解しましょう。
歌詞が伝えたいことを理解できれば、どのように感情を表現すればよいのかも見えてきやすくなります。感情移入できるポイントがあれば、より歌いやすくなるでしょう。
歌い込みたい歌がある場合は、歌詞を何度も読み込んだあと、朗読するのもおすすめです。
歌っているときは、息継ぎなどにも注意を払わなければなりませんが、朗読なら、より歌詞の内容に集中できます。
表現力豊かなアーティストの真似をする
表現力が豊かだと感じるアーティストの歌い方を真似るのもおすすめです。自然と、感情を乗せた歌い方のコツが掴めてきます。
表現力の豊かなアーティストが、どの部分でどんな歌い方をしているのか、どんな強弱をつけているのか、どんな表情で、どんな姿勢で歌っているのかなどをよく観察し、徹底的に真似してみましょう。
歌い方の真似をするときは、特定のアーティストだけでなく、複数のアーティストを観察するのがおすすめです。歌い方の引き出しを増やすことで、自分だけの表現力を見つけやすくなります。
歌の表現力がない人の原因と解決策
録音した自分の歌を聞くと、表現力がまったく感じられない…という方には、どこに問題があるのでしょうか。
表現力がない人の原因と解決策を解説します。
無表情で歌っている
自分が歌っているところを録音するだけでなく、録画してみてください。
無表情なままだと、歌詞を理解して強弱をつけて歌っていても、感情が読み取りにくく、表現力が大幅に低下してしまいます。
幸せを歌っている歌なら口角を上げて、悲しみを歌っている歌なら悲しそうになど、顔の表現も身につけましょう。
表情を豊かにすると、自然と歌声に乗る感情も引っ張られていきます。
歌い方に抑揚がない
歌の表現力をアップさせるには、声の抑揚が大切だということは説明しました。しかし、できているはずなのにあとから聞くとずっと平坦に聞こえる…という場合もあります。
そんなときは、自分が思っているよりもオーバー気味に抑揚をつける必要があるかもしれません。
歌い方がオーバーだと感じるアーティストの歌い方を参考にしてみるのもおすすめです。
歌詞をなぞっているだけ
歌詞を理解できていないと、表現力を高められません。ただ歌詞をなぞっているだけの歌い方だと、面白味がないためです。
たとえ歌詞に共感できなかったとしても、何を伝えたいのか、どんな感情を抱いているのかは、歌詞をきちんと読めばわかるはずです。
また、自分が共感しやすい歌詞の歌を選ぶことも、表現力アップにつながるひとつの方法といえます。
嬉しいことがあったときはハッピーな歌、悲しいことがあったときは失恋を歌った歌など、自分の気分に合う、感情が乗せやすい歌を選ぶとよいでしょう。
表現力に磨きをかけてもっとうまく歌おう
カラオケなら、音程が取れていて、声量が十分にあり、自分のキーに合っているだけでも高得点を取れるかもしれません。しかし、人に伝わる歌を歌うことはできないでしょう。
表現力アップのためには、基礎的な技術を磨いていく必要があります。「上手に歌えているはずなのに、自分の歌声に物足りなさを感じる」という方は、歌に強弱をつけることや歌詞を理解すること、さらに表情を豊かにする練習を繰り返しましょう。
表現力を磨くことで、より人に伝わる素敵な歌を歌えるようになります。
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