裏打ちのリズムとは?習得するメリットや身に着け方を解説
上達への近道
2021/06/26
歌の表現を広げるためには裏打ちについてもしっかり理解しておく必要があります。
裏打ちは通常の表打ちとは違いリズム感を鍛えなければしっかり刻めませんが、裏打ちをマスターすることで裏打ちの歌を歌いやすくなるだけでなく表打ちの歌を歌う力も高められます。
そもそも裏打ちとは何なのか、裏打ちを習得するメリットは何なのか、裏打ちの練習方法について解説します。
裏打ちのリズムとは?
まずは裏打ちについて理解を深めましょう。
なんとなく聞いたことはあるけど正しい知識はない…というままだと、歌唱力が伸び悩んでしまうかもしれません。
より上手く歌を歌いたい方は裏打ちについても正しく理解しましょう。
裏打ちは自分でリズムを取らなければならない
四拍子の音楽の場合、一小節に「1、2、3、4、」と音が埋め込まれていきます。
裏打ちとはこの「、」の部分のことです。
数字の部分をカウントするのは表打ちで、これは音楽を聞いていれば自然とリズムを刻めます。
ですが裏打ちの場合は自分でカウントの間を見つけて拍を探す必要があります。
表打ちだけなら簡単ですが、裏打ちは慣れるまでリズムを見つけるのが難しく、とくにリズム感のない人は地道なトレーニングをしなければなりません。
日本語のアクセントは表打ち
裏打ちがとくに難しいとされる理由の一つに、「日本語のアクセントは表打ちだから」というものがあります。
日本語は言葉の頭が強調されることが多く、言葉の後ろの方を意識せずに話している人がほとんどです。
一方で英語などは言葉の後ろを強調することが多く、裏打ちのリズムが取りやすいとされています。
また、日本の伝統的な音楽や舞踊などもほとんどが表打ちで、手拍子をする際も表打ちがメインです。
コンサートで裏打ちの曲なのに表打ちで手拍子をしてしまう、裏打ちの曲に上手く乗れないといったこともよく起こります。
レゲエやジャズには裏打ちの曲が多い
裏打ちの曲がどんなものかイメージしにくい方は、レゲエやジャズを聴いてみてください。
レゲエやジャズには裏打ちのものが多く、聞いてみるとその違いがよくわかります。
これらの曲を聞きながら表打ちと裏打ちでそれぞれ手拍子してみてください。
裏打ちの手拍子の方がよりしっくりくるので、裏打ちについて理解するだけでなくリズム感を鍛えるのにも役立ちます。
裏打ちのリズムを習得するメリット
表打ちの歌を歌いたいなら裏打ちは知らなくてもいいのでは?と思う方もいますが、上手に歌を歌うには裏打ちを習得することは大切です。
裏打ちを習得するとどんなメリットを得られるのかを解説します。
多くのリズムをカバーしやすくなる
表打ちは基本的に理解できているとして、四拍子の場合それでカバーできるのは「1、2、3、4、」の数字の部分のみです。
しかり裏打ちも理解できれば「、」の部分までしっかり補うことができます。
単純に考えて、表打ちのみの倍の音をカバーできる計算です。
裏打ちを意識して表打ちの歌を歌えば二倍のリズムを刻みながらより細かい部分まで意識して歌えます。
音楽を聞く感性が磨かれる
裏打ちを意識して音楽を聞くと、表打ちだけではわからなかった部分も見えてきます。
裏打ちの部分で鳴っている楽器や裏打ちを強調するような歌詞のつけ方、裏打ちが映える曲調などを理解できます。
音楽を聞く感性、センスを磨けるため、より音楽を聞くのが楽しくなるでしょう。
裏打ちを強調する歌い方やリズムの取り方を取り入れやすくなるため、歌の上達にもつながります。
即興での歌唱にも対応しやすくなる
先ほど説明した通り、裏打ちを理解すると表打ちの倍のリズムを把握できます。
そのためいろいろなメロディーに即座に対応しやすくなり、アドリブや即興にも強くなります。
とくにジャズでは即興の演奏が有名ですが、歌でもアドリブに対応する力は重要です。
盛り上がったときに違和感なく歌い方を変えたり、自分流の表現力を高めたりするのにも裏打ちは大きく活躍してくれます。
裏打ちのリズムを習得する方法
裏打ちのリズムはどのようにして習得できるのか、おすすめの練習方法を紹介します。
リズム感がなくてもこのような練習を地道に続けることで裏打ちを理解し、自分のものにすることは可能です。
メトロノームを使う
基本的な練習方法としてメトロノームを使う方法があります。
メトロノームで四拍子を刻み、音と音の間に手拍子をしてみましょう。
最初は表打ちのリズムにつられてしまう方も多いですが、慣れてくると自然と裏打ちのリズムを刻めるようになります。
テンポや拍子を変えてもすぐに裏打ちに対応できるように、毎日コツコツ練習していきましょう。
メトロノームはわざわざ購入しなくても無料のアプリがたくさんありますので、気軽にいつでもどこでも練習できます。
体でリズムを刻む
手拍子は簡単な練習方法ですが、体の多くの部分を使うことでより体に裏打ちのリズムを刻み込めます。
右手で表打ち、左手で裏打ちを同時に繰り返す、裏打ちで足をたたく、裏打ちでジャンプをするなど、体全体を使って裏打ちのリズムを刻んでみましょう。
慣れてきたら裏打ちの曲を歌いながら体を動かしてみてください。
歌いながら裏打ちで体を動かすことでより体にリズムを覚えさせやすくなります。
裏打ちの歌を聞く
メトロノームでの練習は地味で続かない、体を動かす練習は家でしかできない…というデメリットがあります。
外出中や移動中にも裏打ちのリズムをマスターしたい場合は、とにかく裏打ちの歌をたくさん聞くようにしましょう。
先ほど紹介したようにレゲエやジャズには裏打ちの歌が多いですが、日本のロックやポップスにも裏打ちを採用している歌はたくさんあります。
普段なんとなく聞いている歌も裏打ちを意識するだけでかなり印象が変わります。
裏打ちの歌を聞いてリズムの取り方を覚えるだけでなく、表打ちの歌の裏拍を取ってみるのもおすすめです。
裏拍を意識して歌う
裏打ちの歌でも表打ちの歌でも、裏拍を意識して歌うことでリズム感をしっかり鍛えられます。
表打ちの歌の場合裏拍はスルーしてしまいがちですが、この部分の音もしっかり聞いて歌うようにしましょう。
裏打ちの歌を歌う場合はより慎重に、リズムを間違えないように音を拾っていってください。
裏打ちは表打ちと違って自分で意識してリズムを取らなければならないという難しいポイントがありますが、それさえ習得できれば歌える歌のレパートリーも広がり、リズムに乗って歌うのがもっと楽しくなります。
裏打ちをマスターしてもっと上手に歌えるようになろう
裏打ちについて解説しました。
レゲエやジャズの基本である裏打ちのリズムですが、歌の印象を変えるためにロックやポップスで裏打ちが取り入れられることも多いです。
普通の表打ちのリズムで歌っているとその歌の良さを発揮できなかったり、上手にリズムに乗れなかったりといった状態になってしまいます。
紹介したような練習を重ねて、裏打ちもしっかりマスターした上でリズムを大切に歌いましょう。
「裏打ちをマスターしたい」方は、Beeミュージックスクールの無料体験レッスンへ