腹式呼吸の簡単なやり方は?簡単な方法や腹式呼吸の効果を解説!
上達への近道
2024/04/15
「歌が上手くなりたい!」
「もっと歌うときの声量をアップしたい!」
上記のような悩みをお持ちの方におすすめしたいのが、腹式呼吸です。腹式呼吸は、歌やヨガなどで用いられている呼吸法です。
腹式呼吸にはさまざまなメリットがあり、息を吐く量をコントロールできることから歌唱における表現力をアップさせたり、健康面でもよい影響をもたらしたりします。しかし、「腹式呼吸って難しそう……」と思っている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、腹式呼吸の簡単なやり方をわかりやすく紹介します。また、腹式呼吸の効果や、歌うときになぜ腹式呼吸が大切なのかについても解説しています。
腹式呼吸をマスターして上手に歌えるようになりたい方は、ぜひ参考にしてください。
腹式呼吸とは
腹式呼吸は、横隔膜が上下に動く呼吸法です。言い方を変えると、そこまで筋肉に動きのある呼吸ではないため、燃費が良く、効率よく呼吸することができるのです。
呼吸は、腹式呼吸と胸式呼吸に分けられます。普段私たちは無意識に腹式呼吸と胸式呼吸を使い分けています。リラックス状態である睡眠中におこなっているのが腹式呼吸、普段緊張する場面では胸式呼吸となっていることがほとんどです。
腹式呼吸はお腹が前に膨らむイメージ、胸式呼吸は息を吸ったときに胸が横に膨らむようなイメージです。
腹式呼吸と胸式呼吸の違いを、以下の表に示します。
腹式呼吸 | 胸式呼吸 | |
主に使う筋肉 | 横隔膜 | 肋間筋 |
優位になる神経 | 副交感神経 | 交感神経 |
呼吸するときの動き | 腹部が膨らんだり
へこんだりする |
胸部が膨らんだり
へこんだりする |
取り入れる空気量 | 多い | 少ない |
腹式呼吸と胸式呼吸では、呼吸するときに使う筋肉や、優位になる神経などが異なることがわかります。
歌うときはメロディや表現によって腹式呼吸と胸式呼吸を使い分けられることが理想です。
腹式呼吸の簡単なやり方
腹式呼吸は、正しいやり方でおこなうことが重要です。この章では、正しく、できるだけ簡単に実践できる方法を紹介します。
腹式呼吸の簡単なやり方は、以下の通りです。
- 背筋を伸ばす
- ゆっくりと息を吐き切る
- 鼻からゆっくりと息を吸う(その際、肩が上がらないよう気を付ける)
- 口からゆっくりと息を吐く
1~4の動作を繰り返します。1日5回程度から始め、慣れたら10~20回おこないましょう。
また、腹式呼吸をするときのポイントは、以下の通りです。
- 息を吸うときは、おへその下あたりに空気をためるイメージでおこなう
- 息を吐くときは、お腹をへこませてすべて出し切るイメージでおこなう
- 息を吐くときは、吸うときの倍くらいの時間をかける
- 慣れるまでは仰向けでおこなう
腹式呼吸は、鼻から吸って口から吐き、お腹をしっかりと動かすことが大切です。仰向けでの腹式呼吸に慣れてきたら、座った状態や立った状態でおこなってみましょう。
【簡単】腹式呼吸の練習法
腹式呼吸に慣れていない場合は、仰向けの状態で練習するのがおすすめです。
以下の手順に沿って練習しましょう。
- 仰向けになる
- 胸と下腹部に手を当てる
- 鼻からゆっくりと息を吸い、胸は動かさないように意識しながらお腹を膨らませる
- 口からゆっくりと息を吐き出し、お腹をへこませる
息を吸うときは3秒程度、吐くときは6秒程度が目安です。
仰向けで問題なくできるようになったら、座った状態や立った状態でおこないましょう。座位や立位では、少しだけ前傾姿勢(前屈み)でおこなうと簡単にコツが掴めます。
腹式呼吸の練習は、毎日少しずつでもよいので継続することが大切です。1日5回程度から始め、徐々に回数を増やしていきましょう。
腹式呼吸の3つの効果
腹式呼吸は歌うときに役に立つだけでなく、体にとってもよい効果があります。
腹式呼吸は、胸式呼吸よりも空気を多く取り込めます。そして、吐き出す量やスピードをコントロールしやすいことが特徴です。また、副交感神経が優位になるため、さまざまなメリットや効果をもたらします。
腹式呼吸によって得られる主な効果は、以下の3つです。
- リラックス効果がある
- ストレスを軽減する
- 呼吸がコントロールしやすくなる
それぞれ解説していきます。
1.リラックス効果がある
腹式呼吸にはリラックス効果があります。
腹式呼吸で深い呼吸を繰り返していくと、副交感神経が優位になり、心身の緊張が和らぎリラックスした状態へと導いてくれます。
ヨガや瞑想で腹式呼吸が用いられるのはこのことが理由です。(一方、筋トレやピラティスなどでは胸式呼吸が用いることを推奨されます)
具体的には以下のような状態です。
- 血管が拡張する
- 心拍数を下げる
- 筋肉がゆるむ
- 腸のぜん動を促す
日々の生活のなかで緊張やイライラを感じたときには、腹式呼吸をすることでリラックス効果が得られ、気持ちが楽になるでしょう。また、毎晩の習慣として、寝る前に腹式呼吸を練習してみるのもおすすめです。
2.ストレスを軽減する
腹式呼吸は、ストレスを軽減する効果もあります。先述したように、腹式呼吸によって副交感神経が優位になるためです。
ストレスを抱えている状態では、交感神経が優位になっています。交感神経が過剰に働くと、血管が収縮して血流が低下し、さまざまな不調を引き起こします。
ストレスを感じているときは、意識的に腹式呼吸を取り入れて自律神経を調節し、ストレス軽減につなげましょう。
3.呼吸がコントロールしやすくなる
腹式呼吸を意識して使えるようになると、呼吸をコントロールしやすくなり、安定した発声につながります。
腹式呼吸による発声は喉に負担をかけないため、はっきりと通りやすい声が出るようになるでしょう。また、高音の発声時に役立つ「ミックスボイス」は、裏声を地声のように聞かせる発声方法ですが、呼吸をコントロールすることが不可欠です。
腹式呼吸によって呼吸を上手にコントロールすることは、歌の上達においても欠かせない要素だといえます。
歌うときに腹式呼吸が大切な理由
腹式呼吸にはさまざまなメリットがあり、マスターすることで歌の上達にも大きく影響します。歌を上手に歌うためには、安定した呼吸が必要となるためです。
歌うときに腹式呼吸が大切である理由は、以下の2つです。
- 肺活量アップにつながる
- 息継ぎをコントロールできるようになる
詳しく見ていきましょう。
肺活量アップにつながる
腹式呼吸ができるようになると、肺活量アップにつながります。
歌うときには、肺活量が重要なポイントとなります。肺活量が増えると吐く息の量も増え、ロングトーンが安定したり、太い声が出せるようになったりするためです。
腹式呼吸は、横隔膜を動かす筋肉を鍛えることにもつながります。この筋肉が鍛えられると、肺が大きく膨らむようになり、肺活量がアップする効果があります。
肺活量がアップすると、長いフレーズでも途切れずに歌えるようになるため、ぜひ腹式呼吸を身につけましょう。
息継ぎをコントロールできるようになる
腹式呼吸ができるようになると、体幹が安定し、体を上手に使えるようになります。すると姿勢の改善にもつながり、声量や呼吸量を調整できるようになることで、息継ぎのコントロールも可能になるのです。
胸式呼吸の場合は、喉や声帯に力が入りやすくなりますが、腹式呼吸はリラックス効果があるため、適度に力が抜けた状態になります。無駄な力が入ることなく、息継ぎをコントロールできるでしょう。
(胸式呼吸は言葉数が多く、テンポの早い歌を歌う際に役立ちます)
腹式呼吸で歌えているか確認するには?
腹式呼吸は、歌を上手に歌うために欠かせない呼吸法です。しかし、腹式呼吸ができない、できているかわからないという方もいるでしょう。
腹式呼吸で歌えているか確認するには、以下のような方法があります。
- 息を吸うときにお腹が膨らんでいる
- 息を吐くときにお腹がへこんでいる
- いつもより息が長く続いている
- ロングトーンを安定して出せる
上記を参考に、自分が腹式呼吸で歌えているかどうか確認してみましょう。
腹式呼吸のやり方をマスターして上手に歌おう!
腹式呼吸の簡単なやり方と練習方法、さらに腹式呼吸の効果や歌唱における重要性について解説しました。呼吸には腹式呼吸と胸式呼吸があり、私たちは普段、無意識にどちらの呼吸もおこなっています。歌唱時には、意識して使い分けられることが理想です。
腹式呼吸と胸式呼吸では、呼吸するときに主に使う筋肉や、優位になる神経が異なります。歌を歌うときには、リラックス効果があり、呼吸をコントロールしやすくなる腹式呼吸が欠かせません。また腹式呼吸は、肺活量がアップしたり息継ぎがコントロールしやすくなったりするという理由からも、非常に大切だといえます。
腹式呼吸は、4つのステップで簡単におこなえます。慣れないうちは仰向けになり、鼻からゆっくりと息を吸って、口からゆっくりと吐きましょう。胸ではなく、しっかりとお腹が膨らんだりへこんだりしているかがポイントです。
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