ピアノは大人になったら上達しないと言われる3つの理由

ピアノ上達方法・テクニック

2021/06/21

投稿者: 磯崎 由佳

ピアノは大人になったら上達しないと言われる3つの理由

「ピアノは子どもの頃から習わないと上達しない」という言葉を耳にしたことがある人は多いかもしれません。

ピアノを趣味として始めたいと思っても、この言葉のせいで「大人だからもう上達はできないかな…」と踏みとどまった経験がある人もいるでしょう。

しかし実は、ピアノは大人になってから始めても、正しく練習すれば十分に上達することは可能です。

今回は、大人になってからピアノを始めると上達しないと言われる理由と、大人がピアノを上達するためのポイントについて解説します。

ピアノは大人になったら上達しないと言われる理由

大人になってからピアノを習い始めても、中級以上の曲を弾きこなせるようになる人は大勢います。

それでは、どうして大人になったらピアノが上達しないと言われているのでしょうか。まずは、その理由について見ていきましょう。

1. 基礎の取得に時間がかかるから

一般的に6歳くらいからピアノを始めた人でも、高校生まで続けないと、思い通りにピアノが弾ける状態にならないと言われています。

このように、ピアノは基礎を取得するまでに多くの時間を必要とし、「思い通りにピアノが弾ける状態」になるまで長い間練習しなくてはいけません。

大人になってからピアノを始めると、基礎が身につくまで時間がかかってしまうため、なかなか上達しないと言われてしまうのです。

また、ピアノに欠かせない絶対音感やリズム感などは、幼少期にピアノに触れることで身につく能力です。

大人はこういったピアノの地盤がない状態で練習をスタートしなくてはいけないので、ピアノが上達しないと言われてしまいます。

2. 練習時間が限られるから

練習時間が限られてしまう点も、大人のピアノが上達しないと言われている大きな理由です。

放課後の時間を自由に練習へ充てられる学生とは違い、大人は仕事や家事などとピアノの練習を両立しないといけません。

1日のうちピアノに充てられる時間が限られてしまい、毎日練習できないこともあるでしょう。

ピアノは「1日練習しないと3日戻る」と言われているほど、毎日の練習が欠かせない楽器です。

練習時間が限られたり取れなかったりする大人は、そのぶん上達が遅いと考えられているのです。

3. モチベーションの維持が難しいから

大人がピアノを始めるときにモチベーションを維持しにくい点も、上達しないと考えられる大きな理由です。

子どもとは違い、大人がピアノを練習するときは「毎日○時間練習しなさい」と声をかけてくれる人はいません。

大きな発表会に出ることもありますが、そういったイベントを目指さずに自分のペースで練習を進めたいと思う人もいるでしょう。

目標や周囲からの声かけがないと、毎日一人で黙々とピアノを練習することに苦痛に感じたり、モチベーションが保てなくなったりすることも珍しくはありません。

その結果、練習頻度が下がってしまい、なかなか上達できなくなってしまうのです。

ピアノは大人になっても上達可能

ピアノを習う男性

紹介してきたように、大人になってからピアノを始めることには、上達しにくいさまざまな理由が存在しています。

しかし、たとえ大人であってもピアノの上達を目指すことは可能です。

ここでは、その理由について詳しく見ていきましょう。

ピアノの上達に年齢制限はない

先述したように、子供の頃から練習していなければ、ピアノが弾けるようにならないという訳ではありません。

なかには、定年退職後の趣味としてピアノを始め、数か月で好きな曲をマスターしている人もいます。

このように、ピアノを始める年齢に制限はまったくなく、やる気と練習時間さえあれば、大人でもピアノを弾けるようになることは十分に可能です。

たしかに、音感やリズム感を身につけたいのであれば子どもが有利です。

そのため「ピアノは幼少期から始めるべき」という言葉には一理ありますが、プロのピアニストを目指さない限りは、始める時期を気にする必要はありません。

「ピアノは幼少期から始めるべき」という言葉は、音楽教室が集客するための戦略のひとつでもあります。

この言葉にとらわれず、どの年齢の人でもやりたいと思ったときが「ピアノを始める最適なタイミング」だということを知っておきましょう。

初心者の大人がピアノを上達するためにかかる期間

初心者の大人が基礎から勉強を初めた場合、どれくらいの期間があればピアノが弾けるようになるのでしょうか。

ピアノの上達がどのような状態を指すのか、練習時間どれくらい取れるのかによっても異なりますが、大体3~6か月もあれば初級レベルの曲はマスターできると考えられています。

ただし、仕事や家事などで忙しい場合は、1年くらいの期間がかかることもあります。

難しいイメージがあるピアノですが、大人でも半年足らずで両手の演奏ができるようになるのです。

ピアノを大人から始める際の上達ポイント

鍵盤に触れる手

ピアノの練習を大人になってから始めるときは、ポイントを押さえて効率的に練習することが大切です。

ここからは、大人がピアノを練習するときの上達ポイントを紹介します。

1. しっかりと目標を設定する

ピアノの練習を始めるときは、まず明確な目標を設定しておきましょう。

「1年でこの曲を弾けるようになる」「1年後の発表会に出る」など、明確な目標があればモチベーションを維持しやすくなります。

大人がピアノを始める場合、成果や賞の獲得などを意識せず、単に自分が楽しむことが目的であるケースも少なくはありません。

その場合も、目標がないと毎日練習する習慣がつきにくいため、必ず目標設定をしましょう。

2. 基礎から勉強する

音符や記号などの基礎から勉強することを面倒に感じてしまい、すぐにピアノを弾き始めたいと思う人もいるかもしれません。

しかし、上達を目指すなら必ず基礎から勉強を始めましょう。

正しい姿勢や運指、音符や記号の意味をしっかりと理解してから演奏練習に入ると、スムーズな上達が目指せます。

「早く上達したいから基礎を飛ばそう」と思わずに基礎をゆっくりと固めることが、かえって早い上達の近道になってくれます。

3. 片手や遅めのテンポからスタートする

ピアノ初心者の大人が、いきなり両手で演奏することは絶対に不可能です。

曲を練習するときはいきなり両手で練習せずに、片手ずつ弾き始めてそれぞれの手の動きをしっかりと覚えてから両手練習に入りましょう。

また、練習の際はいきなり原曲のスピードに合わせるのではなく、遅めのテンポからスタートするといいでしょう。

確実に弾けるテンポで練習し、少しずつ原曲に近づけていくとスムーズに上達できます。

4. ピアノ教室に通う

大人が独学でピアノを勉強することは可能ですが、よりスムーズな上達を目指すのであれば、ピアノ教室でプロの講師に指導してもらうことをおすすめします。

独学だと、行き詰まったときに正しい対処法がわからずに挫折しやすいですし、間違ったクセがついてしまう恐れがあるためです。

ピアノ教室に通えば正しい練習方法で効率的に上達できますし、モチベーションも維持しやすくなるでしょう。

週に1回でもいいので、プロに見てもらう時間を作ると上達のスピードがグッと早くなります。

大人になってもピアノの上達は目指せる!

「ピアノは子どものうちに始めないと上達しない」といわれることも多いですが、大人になってからピアノを開始しても、上達することは十分に可能です。

個人差はありますが、大人から始めても、半年前後で初級レベルの曲を両手で弾けるようになります。

ピアノを始めたいと思ったときは年齢を気にせず、ぜひチャレンジしてみてください。

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