指を独立して動かすためのトレーニング法やコツを紹介
ピアノ上達方法・テクニック
2021/07/30
ピアノの練習で「指が思い通りに動かない」と悩んでいる人は多いでしょう。
指を上手く動かすためには、それぞれの神経が独立していて、ある程度の筋肉も必要なので、毎日の練習が大切になります。
本記事では指を独立して動かすために必要なトレーニングやコツについてまとめました。
指を独立して動かせるようになると、曲の難易度もあげられるようになるので、ぜひ参考にしてみてください。
指の独立がピアノ演奏を上達させるカギ
ピアノを上達させたいのなら、指を独立して動かせるように練習する必要があります。
しかし、人差し指から小指までの4本は、骨と筋肉をつなぐ腱で繋がっている状態です。
そのため、1本だけ指を動かそうとすると、他の指も引っ張られるように一緒に動いてしまいます。
また、脳も1つの神経細胞から複数の指へ指令をおくる仕組みなので、体の構造上、指を独立して動かすことは大変難しいことがわかるでしょう。
昔は腱の結合を切断する手術までするピアニストもいたといわれるほどです。
ただ、手術まではしなくても、練習を重ねることで、初心者でも指の独立性をあげることはできます。
焦らず根気強く指の練習を続けて、少しずつ上達を目指していきましょう。
指を独立して動かすには焦らず片手ずつ練習する
最初は、指の独立性の練習といわれても、何からすればよいのか分からないという人もいるでしょう。
まずは片手ずつ、利き手から練習することをおすすめします。
片手ずつ集中して練習することで、感覚を掴みやすくなるので両手を使ったときにスムーズに弾けるようになるのです。
ここでは、片手、両手それぞれ練習するときのポイントを紹介します。
最初は時間がかかるように感じますが、結果的に早く上達する方法なので、ぜひ参考にしてください。
片手で練習するときは利き手から
1本ずつ確認しながら、止まることなくスラスラ弾けようになるまで頑張りましょう。
まず、運指や音の名前など、可能な限り楽譜に情報を集約するようにします。
そして通常は右手から練習して左手に移りますが、弾きやすい利き手からはじめるのもおすすめです。
利き手ではない方の指は動かすことが難しいですが、反復練習を続けることでスムーズに弾けるようになります。
両手で練習するときはゆっくり弾く
片手ずつスムーズに弾けるようになったら、両手を使って練習をします。
楽譜をしっかり見ながら、タイミングを合わせてゆっくり弾いていきましょう。
楽譜は音の組み合わせとタイミングが明確に示されているので、楽譜通りに弾いていけば必ず上達するはずです。
ピアノ演奏で指を独立して動かすコツ
指を独立して動かす練習は片手ずつ動かすことでしたが、他にも練習方法のコツがあります。
ここでは、さらに指を独立して動かせるようになる練習方法とコツをまとめました。
最初は時間がかかっても、少しずつ上達を実感できるようになるので、毎日続けてみましょう。
確実にゆっくり弾く
指の神経を独立させ、必要な筋肉をつけるには「ゆっくり弾く」ことが効果的です。
曲は難易度が低いものを選んで練習しましょう。
ただ、ゆっくり弾くだけでなく、指1本1本の動きに集中して、思い通りに動いているか確認しながら弾きます。
すると、特に3、4、5の指を動かすには、しっかり意識する必要があることに気づくはずです。
このゆっくり弾くという練習方法によって、独立性と同時に指の筋肉も鍛えられていきます。
筋肉は速い動きより、ゆっくりした動きを確実に繰り返すほうがつきやすいのです。
注意点は無駄な力を入れず、腕や鍵盤を弾いていない指は力を抜いておくことです。
速く弾く練習もする
指の独立性と筋力を鍛えることに集中するのなら、ピアノはゆっくり練習するだけでも十分です。
ただ、完璧なリズム感や曲のイメージが出来上がっている人以外は、速く弾く練習もする必要があります。
ゆっくり弾くだけではリズム感が鈍ってしまい、曲のテンポを戻したときについていけない可能性があるからです。
また、ゆっくり弾くのと速く弾くのでは、動きの質が全く違います。
そのため、基本の練習はゆっくり弾いても、ときどきはその曲のテンポに戻して弾く練習をしましょう。
トレーニングは正しい姿勢と毎日の積み重ねが重要
ピアノは毎日少しずつでも練習することで上達するものです。
ただ、指の独立性はある程度の筋肉も必要なので、いきなり1日の練習量を増やすなど無理をすると、指や手に過度な負担がかかる場合もあります。
そこで、ここでは毎日の練習をする上で注意する点などをまとめてみました。
弾くときは正しい姿勢を保つ
ピアノ演奏を上達させるには指を独立させるだけでなく、基本の正しい姿勢を保つことも大切です。
手首や指に無駄な力を入れず、適度に脱力して弾くことで、指も動かしやすくなります。
弾いている最中も鍵盤から指が離れたときに、指が上がりすぎないよう気を付けるなどスムーズな動きを意識するようにしましょう。
練習の詰め込みすぎに注意
ピアノを上達させるコツは、毎日少しずつでも練習を続けることです。
趣味で弾く程度なら1日に何時間も練習する必要はないので、集中力が続く時間だけと決めてやることをおすすめします。
毎日やることで、昨日は上手くできなかったフレーズがスムーズに弾けるようになるなど、自分の成長を感じ取れるようになります。
そうなってくると続けることがより面白く感じられるので、毎日数分でもピアノに触るようにしましょう。
指練習の王道「ハノン」もおすすめ
指の独立性をつけるトレーニングには「ハノンピアノ教本」もおすすめです。
「ハノンピアノ教本」はフランスの作曲家が出版した練習曲集で、音階や分散和音の練習や短いパターンの繰り返しなどがたくさん盛り込まれています。
ピアノのお稽古の定番にもなっている練習曲で、各指がまんべんなく動くように作られているので、指の動きの練習には最適です。
ただ、練習用に特化したものなので、弾いていて楽しくなるような曲ではありません。
練習するのがお子さんの場合、飽きてしまう可能性があるので、大人の練習用と考えたほうがよいでしょう。
はじめは1~20番の1段目ずつをゆっくり練習し、感覚を掴んできたら少しずつ速く弾いてみてください。
ハノンはテンポを気にせず、速くでもゆっくりでも自由に弾ける点が魅力です。
繰り返し弾いているうちに指の筋肉もほぐれるので、ウォーミングアップ曲として利用するのもよいでしょう。
練習を重ねれば指の独立性を上げられる
ピアノを弾く人なら誰でも指を自在に動かすことが難しく感じるものです。
しかし、毎日、練習を重ねていけば、年齢に関係なく必ず指の独立性や必要な筋肉はついていきます。
片手ずつからはじめて、ゆっくり弾くという練習は、多くの人が試して効果を実感した方法です。
好きな曲で少しずつ練習して、指の独立性をあげていきましょう。
もし、練習を重ねても、うまく動かせないときは、音楽教室でプロのレッスンを受けてみるのも1つの方法です。
薬指や小指は傷めやすいので、急激に長時間がんばりすぎないように様子を見ながら練習しましょう。
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