ジャズピアノ初心者の基本練習や教本選びのポイントを解説
ピアノ初心者入門
2021/06/21
おしゃれで大人な雰囲気のジャズを「自分でも演奏してみたい」と考える人は多いものです。
なかでも自在にメロディーを奏でられて存在感があるピアノは、ジャズの中でも非常に人気の楽器です。
しかし、実際にジャズピアノをはじめたいと思っても、どのような練習をすればいいのかわかりにくいと感じている人もいるのではないでしょうか。
今回は、これからジャズピアノを始める初心者に向けて、基本練習の方法や教本選びのポイントについて紹介します。
ジャズピアノ初心者の基本的な練習方法
基本的にジャズは、以下のような構成で演奏されます。
- イントロ
- テーマとなる原曲のメロディー
- 各奏者のアドリブ
- 4小節もしくは8小節ごとに奏者が交代
- 原曲のメロディー
- エンディング
ご覧の通り、ジャズでは各奏者がアドリブでソロ演奏をしていきます。決まった楽譜がないジャズピアノのアドリブは、どのような方法で練習していけばいいのでしょうか。
まずは、ジャズピアノ初心者におすすめの基本的な練習方法を紹介します。
1. 正しくテンポを刻む練習をする
ジャズピアノの基本は、とにかく正しいテンポをキープできるように訓練することが大切です。
フリーテンポのとき以外は、基本的にどの奏者も同一のテンポを基本にキープしつつ、それに合わせてソロのアドリブ演奏をしていきます。
ちなみにジャズの基本的なリズムは三連符です。
この三連符の前2つをくっつけて3つ目にアクセントを持ってくることを「スイング」といい、ジャズを演奏するときはすべてスイングのリズムを用います。
初心者がいきなりスイングのノリを身につけるのは難しいため、まずは正しいリズムを刻む練習をしましょう。
【テンポの練習】
- メトロノームをテンポ60に合わせる
- 表拍(1、3拍)で聞いて、足で表拍を踏み、手で裏拍(2、4拍)を叩く
- 裏拍で聞いて、足で裏拍を踏み、手で表拍を叩く
しっかりとテンポの感覚がついてきたら、次はスイングの感覚を身につけていきましょう。
【スイングの練習】
- メトロノームを表拍に聞いて、足で表拍を踏み、手でスイング裏拍を叩く
「タン・タン・タン・タン・タン」→「タータ・タータ・タータ・タータ」 - 左手を表拍、右手をスイングした裏拍でピアノを弾いてみる
- メトロノームをスイングした裏拍に聞いて、手で表拍を叩く
文字で見るとシンプルな練習ですが、実際にやってみると意外に難しく感じるかもしれません。
ジャズピアノの基本となる練習なので、まずはここからマスターしていきましょう。
2. スケールの練習をする
スケールは、日本語に直すと「音階」という意味を持っています。
音楽はメロディーとコード(和音)、リズムで成り立っていますが、このうちメロディーを構成するのがスケールです。
ジャズでよく使われているスケールとしては以下のようなものがありますが、ほかにもさまざまなスケールがあるので、余裕があれば覚えておきましょう。
- メジャースケール
- マイナースケール
- ビバップスケール
- ペンタトニックスケール
- ブルーススケール
スケールの練習は、ピアノの練習の基本となります。まずは片手ずつスムーズにスケールを弾けるように練習し、慣れてきたら両手で弾く練習をしてみてください。
3. 基本コードを覚える
コード(和音)とは、同時に2音以上を演奏したときのハーモニーのことを指します。
基本的には3つの音程を使用し、もっとも低い音(ルート音・根音)と心地よく響くほかの音で成り立っています。
コードを覚えると、初心者でも曲を形にできるようになってきます。
- メジャーコード
- マイナーコード
- セブンスコード
- マイナーセブンス
- メジャーセブンス
以上のようなコードが基本的なものとして挙げられますが、ほかにもコードは無数に存在しています。
初心者のうちは、メジャーコードとマイナーコードの種類を覚えるところから練習をはじめましょう。
なお、コードを変化させながら曲を展開してくことを「コード進行」と言います。
コード進行には一定の基本ルールがあるので、コードを覚えられたらコード進行についても学んで練習しておきましょう。
4. 曲を覚えてアレンジしてみる
ジャズピアノはアドリブの演奏が目玉になりますが、音楽や曲についての知識がまったくない状態でアドリブ演奏をすることは難しいです。
そのため、まずは「ジャズスタンダード」と呼ばれる定番曲を練習してみることをおすすめします。
いい曲やいいフレーズを知っていれば、それだけアドリブのレパートリーや表現力が向上します。
曲が覚えられたら、メロディをアレンジしてみたりスイングしてみたりしましょう。
リズムを変える、音を加える、コードを変更するなど、さまざまなアレンジ方法を試してみてください。
ジャズピアノには正解も間違いもないので、自分らしく楽しめる演奏を追及していきましょう。
ジャズピアノ初心者が教本を選ぶポイント
ジャズピアノの教本としては、さまざまな書籍が販売されています。多くの教本の中からご自分に合ったものを選ぶためには、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 自分のレベルに合った教本を選ぶ
- ソロ用の楽譜とセッション向けの楽譜から選ぶ
- 演奏したい楽曲が練習できるものを選ぶ
- イメージを掴みたいなら音源付きの教材を選ぶ
ピアノ初心者なら基礎から学べる教本、より高レベルな演奏を目指すなら音楽理論から学べる教本など、購入者のレベルによって最適な教本は異なります。
また、一人で演奏したいのか、セッションしながらワイワイ演奏したいのかでも、選ぶべき教材は違ってくるでしょう。
まずはご自身のレベルや目的を明確にして、無理のない難易度の教本を選んでいきましょう。
モチベーションをキープしたいなら、弾きたい曲を学べる一冊を選ぶことも大切です。
ジャズは特有のリズム感やノリがあるため、よりイメージを掴みたいなら音源付きの教本を選んでおくことをおすすめします。
ジャズピアノ初心者におすすめの教本
最後に、ジャズピアノ初心者におすすめの教本を紹介します。これから練習をスタートする人は、ぜひ参考にしてみてください。
レベル別におすすめの教本は、以下の4冊です。
『はじめよう! ピアノでコード弾き 超かんたん編』リットーミュージック
「そもそもピアノ自体が初心者」という場合は、この教本がおすすめです。
徹底して簡単にまとめられているので、しっかりと実践すれば音符が読めない人でもコードが弾けるようになります。
まずはピアノに慣れたいという人は、ここから始めていきましょう。
『あきない!ハノン』宮前 幸弘
楽しみながら音程やスケール、コードなどを身につけられる教本です。
「ピアノに少し慣れてきたけど、スケールやコードなどがまだ理解できていない」という人におすすめです。
ジャズはもちろんのこと、ポップスの演奏トレーニングができます。
『ジャズ・ハノン』シンコーミュージック
ピアノの練習法のひとつ「ハノン」をジャズピアノ練習用の内容にアレンジした教本です。
「ある程度ピアノについての知識がある」という人におすすめです。
ストイックな内容で難しく感じることもあるかもしれませんが、確実に段階を踏んでジャズピアノの技術を身につけられます。
ジャズ・スタンダード・バイブル
「ピアノやコードについての知識がある程度あるけど、ジャズピアノは初めて」という場合は、本書がおすすめです。
ジャズピアノの演奏家からは「黒本」と呼ばれ、ジャズスタンダードをしっかりと学べます。ジャズピアノを練習する人は必ず持っておきたい定番教本です。
初心者のジャズピアノ練習は、ピアノ教室がおすすめ!
ジャズピアノにはアドリブ演奏が多いため、「どのように練習したらいいかわからない」とお悩みの初心者は決して少なくありません。
ジャズピアノには「テンポ」「スケール」「コード」などの押さえておきたいポイントがあるので、順を追ってひとつずつ身につけていくことをおすすめします。
ジャズピアノの練習は独学でも可能ですが、プロの講師に指導してもらえば早く上達できますし、表現の幅も広がるでしょう。
ジャズピアノを始めたいと思っている初心者は、ぜひBeeピアノ教室までご相談ください。
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