譜読みの基礎知識や早く読めるようになるコツを紹介
ピアノ初心者入門
2021/06/21
初見の曲を一通り弾けるようにする作業が譜読みです。譜読みをする際は、曲全体の雰囲気や特徴を理解するようにし、一度、通して弾いてしまうのが早くできる方法です。
譜読みが苦手な場合は何度も練習をするほか、五線譜の音を覚える、リズムの取り方を見直すのもよいでしょう。基本的な譜読みの方法と早く読めるコツを紹介します。
そもそも譜読みとは?曲を一通り弾けるように練習すること
ピアノや楽器の「譜読み」とは、初めて弾く曲の楽譜を見て、一通り楽曲を演奏できるようにする作業のことです。
「一通り弾ける」に対するイメージは以下の2種類があります。
- 一定の速度で曲を通して弾ける(音や強弱の間違いがあっても良い)
- 音符や強弱を間違わずに通して曲を弾ける(テンポはゆっくりでかまわない)
講師から譜読みをするよう言われた場合などは、譜読みに対するイメージを事前に共有することが大切です。どちらのイメージに近いのか、事前に確認しておくとよいでしょう。
譜読みを習得する練習法
効率的に譜読みをするためには、いきなり曲を弾かずに、楽譜の全体像を把握することが大切です。譜読みを習得するコツと方法を解説します。
演奏前に楽譜の全体像を把握する
演奏前に楽譜全体を眺める時間を設けましょう。楽譜を眺める際は、端から見ていくのではなく、下記を参考に、ざっくりと全体を見るようにします。
必要に応じてペンなどで書き込みをしてさらに理解を深めましょう。
- 曲に共通する項目はないか
- パターン化された音符の動きはないか
- 転調する部分はないか
- 難しそうなリズムはないか
- 音の強弱
- 和音の確認
- 拍子の確認
- 調性の確認
- 繰り返しの確認
これらを一通り確認することで、曲のテーマやイメージが掴めるようになるでしょう。
また、難しそうなリズムは事前に手拍子で確認する、曲で重要となる強弱部分に印をつけて見落とさないようにするなどの工夫をすることで、スムーズに練習できます。
片手で練習する
譜面の確認が終わったら、片手から練習していきましょう。片手ずつ練習することで間違いが発見しやすくなり、正しい演奏が身に付きます。
和音や強弱、表現通りの演奏ができているか、丁寧に確認しながら練習を進めていきましょう。
両手で練習する
左右それぞれの練習が終わったら、両手合わせて練習をしましょう。早く弾くことは意識せず、ゆっくりと自分のペースで練習して問題ありません。
また、左右合わせると上手く弾けないからといって、何度も同じフレーズを繰り返すのはやめましょう。通して弾くことに慣れてくると、苦手な部分も明確になります。
譜面を確認しながら、根気よく続けましょう。つまづく箇所が少なくなったら、テンポを保って練習してください。
注意:譜読みの方法は講師によっても指導が異なる
譜読みを最初から両手で練習して曲の全体像を掴んでから、片手ずつ苦手な箇所を練習するという方法もあります。
譜読みを片手から始めるか、両手で始めるかは講師によっても意見が分かれるポイントです。それぞれのメリット・デメリットは下記の通りです。
譜読みの方法 | メリット | デメリット |
両手で始める | 譜読みを効率化できる | 表現が大雑把になる |
片手ずつ始める | 正しい表現が身に付く | 時間がかかる |
なお、通っている音楽教室で譜読みする場合は、講師に指示を仰ぐことをおすすめします。
譜読みを早くするコツはブラインドタッチにあり
譜読みが早くできるようになるためには、いくつかのコツがあります。なかでも、ブラインドタッチは演奏のベースとなる技術なので、必ず身に着けましょう。
手元を見ずに演奏する
譜読みを早くするためには、楽譜のみを見ながら演奏をするのが一番です。演奏中は鍵盤や手元を見ないようにしましょう。
ブラインドタッチは、何度も練習することでできるようになっていきます。もし難しい場合は、5指固定で弾ける簡単な曲を練習して、徐々に慣らしていきましょう。
最初から暗譜しない
譜読みと暗譜は別々に行いましょう。最初から楽譜を暗記しようとすると、覚えようとする分時間がかかってしまいます。
譜読みの際は、覚えようとはせず、曲の全体像や雰囲気を把握することに努め、何度も楽譜を見ながら練習を繰り返しましょう。
繰り返すうちに自然と曲が頭と耳に定着するため、そのあとに暗譜をする方が効率的です。
少し先の楽譜を見る
音楽を止めずに演奏をするためには、楽譜の少し先を見ることを繰り返さないといけません。最低でも1音先を見て演奏するようにしましょう。
また、音符は一つひとつ目で追うのではなく、指の動きの固まりとして見るとよいでしょう。慣れてきたら、1小節先を把握しながら演奏すると、さらに譜読みが早くなります。
後戻りをしない
出来ない箇所やつまずく部分があっても、まずは1曲通して演奏してしまいましょう。
戻っては直しを繰り返していると、1曲終わらせるのに多くの時間がかかってしまいますし、曲全体のイメージを掴むことができません。
間違わない程度にゆっくりで良いので、まずは1曲通して演奏し、苦手な箇所は譜読みが終わってから順次練習していきましょう。
譜読みが苦手なときに試したい4つの方法
最後に、譜読みが苦手な人に試してほしい4つの方法をご紹介します。
1. 楽曲を聞いてみる
譜読みをしても頭の中で曲のイメージが出来上がらない場合は、演奏している曲の音源も一緒に聞いてみましょう。
譜読みは練習をしないとなかなか身に付くものではありません。初心者は、楽譜を見ながら模範演奏も一緒に聞いたほうが理解しやすいでしょう。
2. 五線譜を覚える
楽譜を見ても音と鍵盤の場所がイメージできない、楽譜に音符の音を書かないと分からないときなどは、先に五線譜の音を覚えましょう。
- 五線の間の音:「ファ・ラ・ド・ミ」と並んでいる
- 五線の上の音:「ミ・ソ・シ・レ」と並んでいる
このように、楽譜を見た瞬発的にどの音でどの鍵盤を押さえればよいか理解できるように訓練しましょう。
3. 拍子やリズムを覚える
音符が読めても、リズムが分からないと、どんな曲なのか理解できません。拍子記号を見て1小節に何分音符がいくつ入るのか理解できるようにしましょう。
- 4分の4拍子…1小節に4分音符が4つ
- 4分の2拍子…1小節に4分音符が2つ
次に、拍子に合わせてリズム(音符の長さ)を取れるようにしましょう。リズムは声に出して読み上げるとよいでしょう。
- 4分音符…タン
- 8分音符…タ
- 16分音符…チ
拍子を取りながらリズムを口に出すことで、曲全体のイメージがわかるようになります。
4. 曲数をこなす
最後に、譜読みは何度も繰り返すことで上達します。出来ないと思わず、最初は数をこなして慣れましょう。
最初から完璧を求めず、間違えても繰り返し譜読みをすることで段々と上達していきます。
また、教本を使っている場合は、2から3冊程度同時に進めてもよいでしょう。
曲の構造を理解し、まずは一通り弾いてみよう
譜読みでは最初から鍵盤で音を出すのではなく、まずは楽譜全体を見て曲の構造やテーマを明らかにすることが大切です。
演奏の際は手元と鍵盤は見ずに、楽譜のみに集中し、まずは一通り弾ききることを目標にしましょう。
譜読みがどうしても苦手な場合は、基本が身についていない可能性もあります。基礎を見直すほか、何度も繰り返し練習することで、譜読みが早くできるようになるでしょう。
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