ピアノで絶対音感は身につく?練習方法や注意点を解説
ピアノ上達方法・テクニック
2021/06/11
音楽の技術を習得するうえで重要となるのが、音感です。
才能によるところも大きいのですが、本人の努力次第でどうにかなる範囲までは上達はできます。
とくに、幼いころからピアノの習い事をしていた子どもの場合、絶対音感を身につけられている場合が多いとされています。
今回は、絶対音感の練習方法や注意点について解説します。
絶対音感と相対音感について
音感には、絶対音感と相対音感の2種類があります。
よく混在されがちなので、まずは絶対音感とはどういうものなのか確認して正しく把握しましょう。
絶対音感とは、耳で聴いただけでその音の高さを完璧に言い当てられる能力のことをいいます。
目で見ていなくても、その音のみを聴いただけで確実に当てられます。
一方で相対音感とは、1つの音を特定することでもう1つの音を正しく言い当てる能力です。
1つの音ともう1つの音を比較することで、一方の音が基準とした音からどれだけ高低が離れているのかを認識します。
絶対音感を確実に身につける2つの条件
絶対音感を身につけておけば、楽器の演奏技術をマスターするために大いに貢献してくれるでしょう。
喜ばしいことに、絶対音感は条件さえ満たしていれば誰もがほぼ確実に習得できるといわれています。
その条件とは、以下の2つです。
1.6歳未満であること
絶対音感を身につけるうえで非常に重要となるのが、年齢です。
6歳までの子どもの脳は、凄まじい勢いで発達していきます。
耳の機能が完成される7歳までに訓練することが大切と言われています。
そのなかで、ピアノなどを用いて聴覚を鍛えることにより、絶対音感が身につくのです。
2.まだ相対音感を身につけていないこと
人は生きていくなかで、さまざまな音と出会います。
そのさまざまな音に出会う過程で相対音感が自然と身についていくのです。
相対音感が身についていると、絶対音感の習得は不可能になります。
まだ若い幼少期の子どもであれば、相対音感が身についていない可能性が高いため、絶対音感を習得できる確率が高いといえるでしょう。
絶対音感を身につける4つのピアノ練習方法
これから子どもに絶対音感を身につけてほしいのであれば、ピアノを用いた練習方法をおすすめします。
今回は、その練習方法を4つご紹介します。
1.ピアノを用いて音のピッチやスケールを覚える
音感を鍛えるためには、その音のピッチやスケールについて正しく把握できるようになることが大切です。
ピアノを用いて、単音やシンプルな音楽を鳴らして聴かせてあげましょう。
また、弾かせたり、合わせて歌ったりすることもおすすめです。
音を聴いて、弾いて、歌うことでピッチやスケールは自然と身についていきます。
2.クイズ形式で音を当ててみる
物事を習得するためには、面白さと達成感が大切です。
ピアノの音を聴かせ、その音を当てるクイズをして練習します。
回答する際は、ピアノの音と同じ音を自分の声で発して当ててもらうことがポイントです。
3.演奏を聴かせて再現してみる
ピアノを演奏する技術がある程度身についたら、本格的に耳コピを挑戦してみましょう。
まず、ピアノの演奏を運指を見せずに聴かせてみます。
続いて、その音通りに子どもに弾かせて再現させるのです。
挑戦してまだ間もないころは、単音など簡単なところから始めましょう。
クリアできるようになれば、スケールや和音など段々とレベルを上げていきます。
数小節単位のメロディーを完璧に再現できるようになれば、かなり高いレベルまで音感が習得できているといえるでしょう。
4.日々練習を重ねて音感を磨き上げる
生まれつき絶対音感を持っている人は1%にも満たないとされています。
絶対音感は、生まれつき持っているものではなく、ほとんどの人が努力して後天的に習得する技術なのです。
調律された正しいメロディーを奏でるピアノをしっかりと用意して、正確な音を日頃から聴かせてあげましょう。
正しい音を聴かせること聴覚が刺激され、自然と音感が磨き上げられていきます。
絶対音感は、習得することができれば、失うこともできてしまいます。
実際のところ、絶対音感の維持は難しく、大人になってから持ち続けられている人は限られています。
せっかく身につけた絶対音感を失ってしまわないように、習得したあとも地道に磨き上げていきましょう。
絶対音感をより効率よく勉強する方法
絶対音感は、ほとんどの場合、子どもでなければ習得できません。
大人になってから絶対音感を習得するのは極めて難しいとされています。
相対音感がある程度身についてしまっているために、絶対音感は習得できないためです。
しかし、大人だとしても相対音感を極めていくことはできます。
子どもに絶対音感をより効率よく習得させたい方やこれから相対音感を極めたい方は、ぜひ参考にしてください。
1.自宅で絶対音感を練習するならソルフェージュが重要
絶対音感を1人で練習する際は、ソルフェージュが重要となります。
ソルフェージュとは、楽譜上の音と演奏された音を結びつけるための勉強の総称です。
ソルフェージュは、以下3つによって構成されています。
- 聴音:音を聴き分ける
- 楽典:メロディーの表記やルールについて勉強する
- 視唱:楽譜の情報から実際に歌ってみる
このうち、自宅で手軽にできる方法として聴音がおすすめです。
聴音は、和声長音と旋律長音の2種類があります。
独学で練習する際は、確かな参考資料が必要です。
信頼できる参考書やインターネット上のサイトを必ず用意しましょう。
2.スクールで勉強する
スクールでなら、独学よりも効率よく勉強できる可能性が高いでしょう。
基本的には絶対音感を学ぶためのスクールはほとんどが子ども向けです。
大人向けの場合は、相対音感を学ぶためのスクールとなります。
これまでに多くの経験を積み、確かな実績を持った講師に教われば、スムーズでより効率よく絶対音感が身につくでしょう。
一方で、大人向けの絶対音感スクールは存在しません。
相対音感を練習する大人向けのスクールはありますので、そちらをぜひ検討してください。
相対音感は、誰もが持っている能力です。
メロディーを聴いて心を射つものを感じるのは、相対音感を持っているからだといえます。
絶対音感は無理だとしても、決して諦めずに練習を積み重ねていけば、自分の演奏技術を助けてくれる能力がきっと身に付くでしょう。
ピアノで絶対音感を身につければ多くのことに役立てられる
人は、生きていくなかで確実に音感を獲得していきます。
周囲の音に心が揺らされるのは、音感を持っているためです。
なかでも、際立って特別視されるのが絶対音感です。
絶対音感は子どものうちに勉強していれば、ほぼ確実に習得できます。
絶対音感は、ただ単に音の高低を完璧に当てるだけのものではありません。
習得する過程でさまざまな音や人と触れ合うことで、脳の発育によい影響を与えるとされています。
今後の人生のなかでどういった選択肢を取ることになるかはわかりませんが、今でしか獲得できない絶対音感を身につけておけば、確実にさまざまなかたちで役に立ってくれるでしょう。
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