ギターのチューニングの種類と必要な道具まとめ
ギターのメンテナンス方法
2021/06/12
ギターを正しい音で演奏するためには、チューニング(調律)が必要です。ギターの弦6本それぞれを決められた高さに調節します。チューニングにはいくつか種類があるので、それぞれマスターし、演奏する楽曲に合わせることが大切です。
今回はギターのチューニングの種類や、チューニングをするときに必要な道具、楽曲に合わせたチューニングのコツについて解説します。
ギターのチューニングの種類
ではさっそくギターのチューニングの種類から紹介していきましょう。チューニングには色々と種類がありますが、大まかに分けると4種類あり、そのなかでさらに細かく分かれています。
1. レギュラーチューニング
最も基本となるチューニングがレギュラーチューニングです。楽譜に何も指定がなければこのチューニングでOKと考えてよいでしょう。
レギュラーチューニングは、以下のとおりです。
- 6弦=E(ミ)
- 5弦=A(ラ)
- 4弦=D(レ)
- 3弦=G(ソ)
- 2弦=B(シ)
- 1弦=E(ミ)
2. 半音下げチューニング
ヘビーなサウンドを作るのに適している半音下げチューニングをすると、覚えたコード名を変えることなく半音下げた状態で演奏できます。名前の通り、すべての弦を半音下げるチューニング方法です。
半音下げチューニングは、以下のようにチューニングします。
- 6弦=E♭(ミ♭)
- 5弦=A♭(ラ♭)
- 4弦=D♭(レ♭)
- 3弦=G♭(ソ♭)
- 2弦=B♭(シ♭)
- 1弦=E♭(ミ♭)
3. ドロップチューニング
音をヘビーに演出できるドロップチューニングは、ギターで多用されるチューニング方法です。6弦ギターの場合、1弦から5弦に対して6弦のみを1音下げてチューニングします。
ドロップDチューニング
ドロップチューニングのなかでも使われることが多いチューニングです。
90年代に流行し始めたチューニング方法で、一番低いEの音をより低くすることでさらに音を重くする効果があり、今ではロックの定番チューニングにもなっています。レギュラーチューニングから6弦の音をDの音に下げる方法です。
ドロップDチューニングは、以下のようにチューニングします。
- 6弦=D(レ)
- 5弦=A(ラ)
- 4弦=D(レ)
- 3弦=G(ソ)
- 2弦=B(シ)
- 1弦=E(ミ)
ドロップC#チューニング
すべての弦を半音下げた状態から6弦だけをさらに下げるチューニングです。
ドロップC#チューニングは、以下のようにチューニングします。
- 6弦=C#(ド#)
- 5弦=G#(ソ#)
- 4弦=C#(ド#)
- 3弦=F#(ファ#)
- 2弦=A#(ラ#)
- 1弦=D#(レ#)
ドロップCチューニング
すべての弦を1音下げた状態から6弦だけをさらに1音下げるチューニングを指します。
ドロップCチューニングは以下のとおりです。
- 6弦=C(ド)
- 5弦=G(ソ)
- 4弦=C(ド)
- 3弦=F(ファ)
- 2弦=A(ラ)
- 1弦=D(レ)
ドロップBチューニング
すべての弦を1音半下げた状態から、6弦をさらに1音下げるチューニングです。
ドロップBチューニングは、以下のようにチューニングします。
- 6弦=B(シ)
- 5弦=F#(ファ#)/G♭(ソ♭)
- 4弦=B(シ)
- 3弦=E(ミ)
- 2弦=G#(ソ#)/A♭(ラ♭)
- 1弦=C#(ド#)/D♭(レ♭)
ドロップB♭チューニング
すべての弦を2音下げた状態から6弦をさらに1音下げるチューニングです。
ドロップ B♭チューニングは、以下のようにチューニングします。
- 6弦=A#(ラ#)/B♭(シ♭)
- 5弦=F(ファ)
- 4弦=A#(ラ#)/B♭(シ♭)
- 3弦=D#(レ#)/E♭(ミ♭)
- 2弦=G(ソ)
- 1弦=C(ド)
ドロップAチューニング
すべての弦を2音半下げた状態から6弦をさらに1音下げます。
ドロップAチューニングは、以下のとおりです。
6弦=A(ラ)
- 5弦=E(ミ)
- 4弦=A(ラ)
- 3弦=D(レ)
- 2弦=F#(ファ#)/G♭(ソ♭)
- 1弦=B(シ)
ドロップA♭チューニング
すべての弦を3音下げ、6弦をさらに1音下げるチューニングです。
ドロップA♭チューニングは、以下のようにチューニングします。
- 6弦=G#(ソ#)/A♭(ラ♭)
- 5弦=D#(レ#)/E♭(ミ♭)
- 4弦=G#(ソ#)/A♭(ラ♭)
- 3弦=C#(ド#)/D♭(レ♭)
- 2弦=F(ファ)
- 1弦=A#(ラ#)/B♭(シ♭)
4. オープンチューニング
1〜6弦の開放音を決められたコードに合わせるチューニング方法で、よくアコースティックギターのチューニングに使用されます。メジャー系のオープンチューニングとマイナー系のオープンチューニングに分かれ、メジャー系はロックやブルース、マイナー系はマニアックなマイナーペンタとニックスケールと相性のよいチューニング方法です。
オープンGチューニング
レギュラーチューニングをから6弦・5弦・1弦を1音下げるチューニングです。
オープンGチューニングは、以下のとおりです。
- 6弦=D(レ)
- 5弦=G(ソ)
- 4弦=D(レ)
- 3弦=G(ソ)
- 2弦=B(シ)
- 1弦=D(レ)
オープンAチューニング
レギュラーチューニングから4弦・3弦・2弦を1音上げたチューニングです。
オープンAチューニングは、以下のようにチューニングします。
- 6弦=E(ミ)
- 5弦=A(ラ)
- 4弦=E(ミ)
- 3弦=ラ(ラ)
- 2弦=C#(ド#)
- 1弦=E(ミ)
オープンDチューニング
レギュラーチューニングから6弦・2弦・1弦を1音下げ、3弦を半音上げるチューニングです。19世紀から使われているチューニングで、とくにブルースと相性がよいといわれています。
オープンDチューニングは、以下のようにチューニングします。
- 6弦=D(レ)
- 5弦=A(ラ)
- 4弦=D(レ)
- 3弦=F#(ファ#)
- 2弦=A(ラ)
- 1弦=D(レ)
オープンEチューニング
レギュラーチューニングから5弦・4弦を1音上げ、3弦を半音上げるチューニングです。
オープンEチューニングは以下のようにチューニングします。
- 6弦=E(ミ)
- 5弦=B(シ)
- 4弦=E(ミ)
- 3弦=G#(ソ#)
- 2弦=B(シ)
- 1弦=E(ミ)
オープンGmチューニング
レギュラーチューニングから6弦・5弦・1弦を1音下げ、2弦を半音下げるチューニングです。
オープンGmチューニングは以下のとおりです。
- 6弦=D(レ)
- 5弦=G(ソ)
- 4弦=D(レ)
- 3弦=G(ソ)
- 2弦=B♭(シ♭)
- 1弦=D(レ)
オープンAmチューニング
レギュラーチューニングから4弦・3弦を1音上げ、2弦を半音上げるチューニングです。
オープンAmチューニングは以下のようにチューニングします。
- 6弦=E(ミ)
- 5弦=A(ラ)
- 4弦=E(ミ)
- 3弦=A(ラ)
- 2弦=C(ド)
- 1弦=E(ミ)
オープンEmチューニング
レギュラーチューニングから5弦・4弦を1音上げるチューニングです。
オープンEmチューニングは、以下のようにチューニングします。
- 6弦=E(ミ)
- 5弦=B(シ)
- 4弦=E(ミ)
- 3弦=G(ソ)
- 2弦=B(シ)
- 1弦=E(ミ)
オープンDmチューニング
レギュラーチューニングから6弦・3弦・2弦・1弦を1音下げるチューニングです。
オープンDmチューニングは、以下のとおりです。
- 6弦=D(レ)
- 5弦=A(ラ)
- 4弦=D(レ)
- 3弦=F(ファ)
- 2弦=A(ラ)
- 1弦=D(レ)
変則的チューニング
変則チューニングは、ほかの弦楽器やそれぞれの国の文化から生まれたチューニングをギターに転用したものです。それぞれ特徴的な独特の響きを持っています。
DADGAD(ダドガド)チューニング
レギュラーチューニングを基準として、6弦・2弦・1弦を1音下げるチューニングで、アイリッシュ系サウンドに使われます。
DADGADチューニングは、以下のとおりです。
- 6弦=D(レ)
- 5弦=A(ラ)
- 4弦=D(レ)
- 3弦=G(ソ)
- 2弦=A(ラ)
- 1弦=D(レ)
DADEAD(ダデッド)チューニング
レギュラーチューニングを基準に6弦・2弦・1弦を1音下げ、3弦を1音半下げたチューニングです。
DADEADチューニングは、以下のようにチューニングします。
- 6弦=D(レ)
- 5弦=A(ラ)
- 4弦=D(レ)
- 3弦=E(ミ)
- 2弦=A(ラ)
- 1弦=D(レ)
DGDGCDチューニング/オープンGsus4チューニング
レギュラーチューニングを基準に6弦・4弦・1弦を1音下げ、2弦を音半下げたチューニングです。透明感を感じさせるチューニングです。
DGDGCDチューニングは以下のようにチューニングします。
- 6弦=D(レ)
- 5弦=G(ソ)
- 4弦=D(レ)
- 3弦=G(ソ)
- 2弦=C(ド)
- 1弦=D(レ)
DGDGADチューニング
レギュラーチューニングを基準に6弦・5弦・2弦・1弦を1音下げたチューニングです。
DGDGADチューニングは、以下のとおりです。
- 6弦=D(レ)
- 5弦=G(ソ)
- 4弦=D(レ)
- 3弦=G(ソ)
- 2弦=A(ラ)
- 1弦=D(レ)
GBDGBDチューニング/Gチューニング
レギュラーチューニングを基準に6弦を1音半下げ、5弦を1音上げ、1弦を1音下げるチューニングです。
GBDGBDチューニングは、以下のようにチューニングします。
- 6弦=G(ソ)
- 5弦=B(シ)
- 4弦=D(レ)
- 3弦=G(ソ)
- 2弦=B(シ)
- 1弦=D(レ)
ギターのチューニングの種類別必要な道具
ギターのチューニングに必要な道具を解説します。なかにはチューニングが一度でできる便利な道具もあるので、初心者の方にもおすすめです。
チューナー
チューニングを正確にするには、なんといってもチューナーが必要となります。チューナーはカードタイプ・エフェクタータイプ・クリップタイプと種類も豊富です。スマホのチューナーアプリを使ってもよいでしょう。
音叉
特定の音を出し、その音とギターの音を聞き比べてチューニングする際に使います。チューナーの方が簡単にチューニングできますが、耳を鍛えるためにも使えるようにしておくとよいでしょう。
PITCH-KEY
あらかじめチューニングの設定を器具にしておくと、弦に取り付けるだけで簡単にチューニングができます。毎回チューニング変更するのが面倒だと感じる方や、チューニングに慣れていない初心者におすすめです。
弦
チューニングを変えることで弦が緩くなることがあります。レギュラーゲージの弦では演奏しづらいことがあるので、チューニングに合わせた弦を楽器店で相談してみましょう。
楽曲に合わせたギターチューニングのコツ
チューニングを変えることでギターの音色の印象が大きく変わってきます。楽曲に合わせたチューニングをするためには、原曲のチューニングがどのようになっているかを確認しましょう。
ギタリストによって好むチューニングは異なり、楽曲によって使い分けている人がほとんどです。また、楽譜にチューニングの指定がある場合もあるので、必ずチェックしましょう。
楽曲や楽譜に合わせてチューニングしながら、自分に合うチューニングを見つけていくことをおすすめします。
チューニングのさまざまな種類をマスターして音を使いこなそう
チューニングの種類は、今回紹介しただけでもかなりの種類があります。実際にどんな音になるかは、ご自身のギターで試してみてください。
さまざまな種類のチューニングを試すことで、チューニングをするコツも習得できますよ。
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