ギターの保管方法の大切な5つの基本ルールを紹介
ギターのメンテナンス方法
2021/06/08
ギタリストにとって大切なギターは、正しい方法で保管しておくことが非常に重要です。
適当な方法で保管していると、ギターが奏でる音色にも影響してしまうことがあります。
今回はギター保管の際の大切なルールや保管に必要な環境、ギターの保管方法が音色に与える影響などを徹底解説します。
この機会にご自身のギターの保管方法を見直しましょう。
ギターの保管方法!大切な5つのルール
大切なギターをいい状態で保管するために保管の大切なルールを守りましょう。
1. ケースのグリップを上にして立てる
一番手頃で安全な保管方法は専用ケースに入れる方法ですが、ケースに入れているからといってどんな置き方をしていいわけではありません。
ギターケースはヘッドストックを上にしてラックに掛け、ケースのグリップを上にして立てた状態で保管します。
複数のギターを持っている場合でも、全てのギターを立てかけて保管してください。
ケースに入れているからといって横積みで置いていてはいけません。
ギターケースはハードとソフトがありますが、より安全なのはハードです。
ギターのハードケースはギター保管に最適な環境を作るために作られています。
また環境によって湿度が異なるため、ハードケースの中に湿度調節剤を入れておきましょう。
湿度調節剤と消臭剤のどちらの効果も得られるものもあります。
2. フックやスタンドを使用してもOK
ギターを日常的に弾く習慣がある方は、ケースに入れて保管をしていない場合もあるでしょう。
その場合はウォールフックやギタースタンドを使用してもOKです。
必ずヘッドストックを上にした状態で吊り下げるかスタンドに立てるようにしてください。
このようにして保管すれば、ギターがインテリアの一部になります。
壁に立てかけるだけでは振動があった場合にすぐ倒れてしまって危険です。ウォールフックを使う場合は、フックの耐荷重をチェックし、ギターを吊るす前にしっかり固定できるか確認してください。
3. 保管庫を使用すればより安心
自宅に設置できるギター専用の保管庫もあります。
保管庫は調湿機能があるため、常にギターにとって最適な湿度を保ってくれるものです。
また金属部分の錆を防ぐため、ギターの劣化を防いでくれます。
保管庫は扉が透明で、内部でギターを吊るす形になっているので、インテリアにもなるギター好きにはたまらない保管方法です。
鍵付きのものもあるので、万が一の場合の盗難防止にも役立ちます。
ただケースに比べると場所を取ることと、ケースやスタンド、フックと比べると価格が高いのがデメリットです。
4. 保管前に手垢や汗を拭き取る
目には見えなくても、演奏をすれば手垢や汗でギターは汚れてしまいます。
手垢や汗を放置していると錆や劣化につながるので、保管前にはきちんとケアしましょう。
演奏時に常に触っている弦は一番汚れやすい場所です。
クロスで弦を包んで、1本ずつ拭きます。
保管場所に移すときも弦に触れないように気をつけましょう。
指板はクロスにオイルを染み込ませて拭くことで、木材の乾燥を防ぐことができます。
フレットは金属磨き用のクロスを使用して磨きましょう。
ボディはギターの素材によってお手入れ方法が変わってきます。
購入時に確認をしておき、適したポリッシュで磨いてください。
ラッカー塗装がされているギターの場合は、ラッカー用のポリッシュもあります。
5. 保管前に弦を緩める
フックやスタンドを使って保管する場合で、すぐに弾くのであればそのままでもいいのですが、しばらく弾く予定がないのであれば弦は緩めておきましょう。
ペグを1・2回半回すだけで大丈夫です。
見た目には分かりませんが、弦を張っている状態では1本に対し80kgの圧力がかかっているといわれています。
そのためそのまま保管すると、ネックが引っ張られてしまい曲がってしまう可能性があるのです。
ただ全く圧がかかっていない状態では反対に反ってしまう可能性があるため、ペグ1・2回半くらい緩めるのがちょうどいいと言われています。
ギターの保管に必要な環境
ギターを適切に保管するために必要な環境について解説します。
1.湿度
ギターの保管に適した湿度は40〜50%です。
湿度が低すぎると指板が割れてしまったり、表面板が割れてしまったりする恐れがあります。
またネックが弦に引っ張られやすくなり、曲がってしまって修理が必要になり、または処分しなければならない可能性もあるのです。
逆に湿度が高い場合はカビが生えたり、ネックが逆反りしたり、弦が錆びるなどの現象が起きてしまいます。
またアコースティックギターの場合は音に大きく影響する可能性もあるので、湿度は大敵です。
大切なギターを長く愛用するためにも、ギターを保管するときは最適な湿度が保てるようにしましょう。
2.温度
ギターの保管に適した温度は20〜25度程度です。
人が快適に過ごせている温度なら基本的には問題ありません。
それよりも保管場所の温度を通年で一定にしておくことが大切です。
日本は気温の変化が激しいのでなかなか難しいですが、できるだけ温度変化のない場所に保管するようにしてください。
3.直射日光を避ける
ギターを直射日光に当ててしまうのは絶対にNGです。
特にウォールフックやスタンドを利用して保管している方は、直射日光に十分気をつけましょう。
ケースに入れている場合でも、直射日光に当てることで温度が上がるなど、湿度が変化しやすくなります。
4.夏場の注意点
日本の夏は高温多湿で、ギターの保管には良くありません。
仕方ない部分もありますが、人が快適に過ごせる温度の部屋に置いてこまめにケアすることが大切です。
ウォールフックやスタンドを使っている場合、エアコンの直風が当たらないようにしてください。
風で乾燥してしまい、エアコンをつけていない時との温度変化が大きくなってしまいます。
5.冬場の注意点
冬場は空気が乾燥するうえ、暖房器具を使うことで部屋がさらに乾燥します。
何もしないでいると、ギターもどんどん乾燥していきます。
ウォールフックやスタンドを使ってインテリアのように保管しているのであれば、加湿器をつけて部屋の湿度を保ちましょう。
ただ蒸気が出るタイプの加湿器なのであれば、蒸気がギターに当たらないようにしてください。
ハードケースに入れて保管している場合は湿度調節剤を入れて保管することをおすすめします。
湿度調節剤を入れておけば、空気がどれだけ乾燥してもケース内の湿度を保つことができるのです。
ギターの保管方法が音色に与える影響
ギターは湿度によって音色が大きく変わります。
正しい湿度で保管できていればいいのですが、最適な湿度よりも高かったり低かったりすると、ボディの振動板の重さに変化が起きて音が変わってしまいます。
湿度が低い場合、木が乾燥してギター自体も軽くなります。
軽くなるとボディ板が振動しやすくなり、高音が目立乾いた音になるのです。
あえてこの音を好む方もいますが、普段より音が乾いている、明るく聞こえるのが気になる場合は、通常よりもギターが乾燥している証拠です。
逆に湿度が高いとギターが重くなってボディが振動しづらくなってしまい、こもっているような音が出ます。
特にアコースティックギターは湿度の影響が音色に出やすいです。
大切なギターは正しい保管方法で守ろう
適当に保管してしまうと、大切なギターでも修理が必要になるなど、使い物にならなくなってしまう可能性があります。
修理にお金がかかるのも大変ですが、大切なギターを処分するしかなくなってしまったらショックなはずです。
いつまでも使い続けられるように、ギターは正しい方法で保管するように心がけてください。
「総合的にギター技術を向上させたい」方は、Beeミュージックスクールの無料体験レッスンへ