ベーススラップのやり方や練習方法・上達のコツを徹底解説
演奏テクニック
2021/06/08
ベースを始めたばかりの人の最初の難関となりがちなスラップ奏法ですが、上達のコツをつかむことで、初心者の方でもリズム良く音を出すことができるようになります。
今回は、ベーススラップの基本的なやり方や種類のほか、練習方法や上達のコツについて紹介していきます。
ベーススラップの基本的な演奏方法とは
ベーススラップ(スラップ奏法)とは、指でベースの弦を引っ張ったり、叩いたりする動作を組み合わせた演奏方法です。
このうち、人差し指で弦を引っかけてはじく動作を「プル」、親指で弦をたたく動作を「サムピング」と呼びます。
ベーススラップには、個性的で派手なサウンドが演出できるという特徴があり、ステージ内で効果的に取り入れると、曲の華やかさよりを引き立たせることも可能です。
ベーススラップには、この「プル」や「サムピング」をはじめとしたさまざまなテクニックがあり、それらを組み合わせることでステージ映えするかっこいい演奏ともなります。
次項では、ベーススラップの主なテクニックについて紹介していきます。
ベーススラップの主なテクニック
ベーススラップには、次のような5つのテクニックがあります。
◇主なベーススラップのテクニック5つ
- サムピング
- プル
- サムアップ
- ロータリー
- ダブルプル
以下、具体的にこれら5種類のベーススラップのテクニックについて紹介します。
1. サムピング
サムピングでは、親指で低音弦をたたいて振動させ、音を出します。打楽器のような音が出るのが特徴です。
サムピングの基本形は、右手を握った形で親指を立てた形です。音を出す際には、親指の第一関節の側面を弦にあてるイメージとなります。
2. プル
人差し指で高音弦を引っかけて、垂直方向にはじくことで音を出すプルでは、サムピングに比べて派手な音が出やすい傾向があります。
プルはサムピングと比べて音が出しやすいため、習得がやさしいのが特徴です。
プルで演奏する際には、サムピングの状態を元にし、人差し指の形はカギ状の形になるよう意識しながら、指の腹より少し外側にあたる場所を弦に引っ掛けるイメージで音を出してみるとよいでしょう。
3. サムアップ
弦を下からすくいあげるようにして演奏するのがサムアップです。
サムピングとサムアップを組み合わせることで、エイトビートの演奏も可能です。
4. ロータリー
ロータリー(奏法)とは、サムダウンとサムアップ、プルの3つのテクニックを組み合わせたものです。
ロータリーでは、単純な速さが出しやすく、派手な響きが特徴ですが、難易度の高いテクニックであるため、習得に時間がかかります。
5. ダブルプル
ダブルプルとは、連続してプルを行う奏法を指します。一般的なプルとは異なり、人差し指のほかに中指も使って演奏します。
ロータリーと同様に難易度が高く、習得に時間がかかる奏法です。
ベーススラップの練習方法は?上達するためのコツを紹介
ここからは、ベーススラップを練習する際により効率よく上達するためのコツについて紹介します。
短時間で効率的な上達を目指すためのコツ3つについて取り上げますので、参考にしてみてください。
◇ベーススラップ練習時に効率よく上達するためのコツ3つ
- サムピング時は右腕の回転を意識する
- プルの際は人差し指の力を抜いてみる
- シンプルな曲を演奏してみることで基本のマスターを目指す
以下、具体的にベースラップ練習時に効率よく上達するためのコツ3つを紹介します。
1. サムピング時は右腕の回転を意識する
サムピングをする際は、遠心力や手首の力をきかせながら、右腕の回転を意識して演奏するとよいでしょう。
右腕を回転させる際には、ドリルのように回すことをイメージします。弦をたたいたあとの親指は振り抜いて、次の弦で止めるようにしてみましょう。
なお、手首には力を入れすぎないようにすることで、音をきれいに出すことも可能です。
2. プルの際は人差し指の力を抜いてみる
プルの動きをする場合には、人差し指の力を抜くようにしてみましょう。
特に、思っていたよりも音量が大きすぎたり、タイミングよく音を出せなかったりする場合には、人差し指の力を極力入れずに、基本的なフォームを崩さない状態で音を出してみましょう。
3. シンプルな曲を演奏してみることで基本のマスターを目指す
ベーススラップにも慣れ、簡単なフレーズが演奏できるようになってきたところで、シンプルなフレーズを多く含む楽曲にチャレンジしてみるとよいでしょう。
この方法は、基本の演奏法を習得する場合にもおすすめですので、ぜひ自分のレベルに合った、上達に適した練習曲を選んでみてください。
ベーススラップをマスターすることによるメリット
ベーススラップをマスターすることによるメリットには、次の3つが挙げられます。
◇ベーススラップをマスターすることによるメリット3つ
- 音量にばらつきがなくなる
- スラップの際のリズムが安定する
- 高速なフレーズ演奏も可能となる
以下、具体的にこれら3つのメリットについて紹介します。
1. 音量にばらつきがなくなる
ベーススラップをマスターすることで、腕に不要な力を加えなくても、統一した音量で演奏することができるようになります。結果として、余計な力を加えることがなくなるため、全体の音量を揃えることができるようになるのです。
より音量に統一感を出すためには、最小の力で弦をはじくイメージを持つのがよいでしょう。
2. スラップの際のリズムが安定する
ベーススラップ習得の2つ目のメリットとして、スラップを行う際のリズムが安定することが挙げられます。リズムが不安定になる原因には、正しいベーススラップがマスターできておらず、腕に余分な力が入りすぎていることや、正しい腕の動かし方ができていないことがあります。
よりリズムを安定させる練習をしたい場合は、メトロノームなども上手に活用するとよいでしょう。
3. 高速なフレーズ演奏も可能となる
スラップ奏法では、連続した動作が多いため、簡単に高速なフレーズ演奏をすることができます。
よりかっこいい高速フレーズを目指すのであれば、腕の使い方にもこだわってみましょう。正しい腕の使い方や適切な力の入れ方をマスターすることで、さらに存在感のある高速フレーズを弾くことができますので、ぜひチャレンジしてみてください。
効率的な練習方法でベーススラップのコツをつかみ上達に近づこう
難しさが先行し、習得中に挫折する人も多いスラップ奏法は、上達のコツをつかむことでマスターすることが可能です。ぜひこの機会に今回ご紹介した練習時のコツを参考に、正しいフォームや無理のない力加減を覚えた上で、かっこいいベーススラップの演奏を目指してみてください。
なお、独学での習得が難しい場合は、スクールに通うのもおすすめです。短期間で効率のよい上達を目指すのであれば、自分の現在のレベルにあったレッスンを受けられるスクール利用を検討してみましょう。