ベースがバンド内で果たす役割と重要性について解説
ベース初心者入門
2021/06/08
バンド音楽はベースがないと成り立たないと言っても過言ではありません。
ギターのように目立つ訳でもなく、低音のため初心者には重要性がわかりづらいベースですが、実は低音・リズム・ハーモニーと、バンド音楽の土台を支える大変重要なポジションです。
本記事ではベースの役割や重要性と、ベースの種類について解説します。
ベースがバンド内で果たす4つの役割
ベースはバンド内で低音域を支えるだけでなく、リズムやハーモニーのサポート、ソロパートの演奏など、さまざまな役割を果たしています。
4つの役割を解説します。
1. 低音域(曲のボトム)を支える
ベースはギターでは出せない低音が演奏できることから、バンド内では曲のボトムを支えています。バンドサウンドで低音域や重低音を担うベースが欠けてしまうと、途端に曲全体の締まりや厚みが無くなってしまいます。これは特に生演奏で顕著に感じられ、ライブの臨場感や盛り上がりは、ベース音の音圧が全身に響くことで生みだしていると言えます。
2. リズム隊としてリズムをとる
バンドのベースとドラムを合わせて“リズム隊”と呼びます。ドラムのビートで音の強弱をつけて、ベースで音の長短を区切ることで、曲全体のリズムを支えています。リズム隊が不安定なバンドは、曲全体のまとまりを感じられないため、ボーカルやギターの良さが伝わりません。リズム隊の安定はバンド全体の実力を底上げするためにも、大変重要です。
3. ルート音(根音)で曲の調和を支える
複数の和音を同時に演奏するものがコードです。そのコードの最も低い音を「ルート音(根音)」と言います。ベースは主にルート音の演奏を担当しています。ベースのルート音が、ギターのコードとコードの間を流れることで、コード感が生まれ、曲全体の調和を支えています。
4. メロディラインやソロパートも対応できる
ベースは基礎を支えるだけでなく、メロディやコードの演奏、ソロパートなど、バンドの主役も担うことができます。ベースでコードを弾けば低音が曲にムードを与えるほか、ジャズでは低音を活かしたソロ演奏も、聴衆を魅了するパフォーマンスとして取り入れられています。ダブルストップやスラップなど、様々な演奏法を駆使すれば主役としても十分に存在感を発揮できます。
ベースの種類と特徴
実はベースには様々な種類があります。ここでは、代表的なエレキベース、アコースティックベース、ウッドベースの特徴について解説します。
エレキベース
ロックバンドなどで多く用いられているのが、電気を使って音を出すエレキベースです。さらに、エレキベースは電気回路別に「アクティブベース」と「パッシブベース」の2種類に分けられます。
アクティブベース:
電池を内蔵しベースの中にあるイコライザーを動かして演奏します。幅広い音作りができる点が特徴です。
パッシブベース:
電池を内蔵せず、アンプに繋いで音を出します。温かみのある音色が特徴です。
パッシブベースはさらに細かく種類が分かれます。
ジャズベース:
音がシンプルで最も初心者向けのベース。弦の振動を音に変換するシングルピックアップが上下2箇所にあり、音の出方がはっきりとわかりやすい点が特徴です。
プレシジョンベース:
元祖エレキベース。ネックが太く、迫力や丸みのある音色です。ピックアップが2つに連なっているハムバッキングが1つついています。音の調整がしやすいと言えます。
多弦ベース:
通常、ベースの弦は4本ですが、5本以上弦があるタイプです。音域が広がる分、様々な曲に対応できますが、その分ネックも太くなるため、上級者向けのベースと言えます。
変形ベース:
ジャズベースやプレシジョンベース以外の形のものも数多く存在します。演奏に慣れてきたら、音色や弾きやすさだけでなく、見た目など個性でベースを選んでみても良いでしょう。
アコースティックベース
アコースティックギターのように、ボディーに丸い穴のある木製のベースがアコースティックベースです。電気を通さなくても音を出せ、生音も比較的大きいため、弾きたい時にすぐに演奏できるところがメリットと言えます。また、バンドなどの生演奏の際は、アンプに通して音量を増幅させることもできます。ナイロンやブロンズなど、弦によって音の変化が楽しめる点も特徴です。木の温かみを感じられる豊かな音色は、カントリー系のバンドと相性が良いでしょう。
ウッドベース
ウッドベースとは、オーケストラなどで使われるコントラバスのことです。2メートル近い大きさと、ヴァイオリンに似たフォルムが特徴と言えます。演奏方法が多彩で、弓で弾くアルコ奏法、指で弾くピチカート奏法、弦を叩きつけるスラップ奏法などがあります。ジャズやボサノバなどのバンドで活躍するベースで、ダブルベースや弦バスなどと呼ばれることもあります。
ベースの役割から見えてくる重要性
ベースはその名の通り、バンドの土台や基礎と言える重要な役割を担っています。バンド内におけるベースの重要性について解説します。
バンドサウンドを支える土台
バンドサウンドは、ベースとドラム(リズム隊)のリズムを土台として積み重なっていきます。
そのため、リズム隊さえ正確な演奏をしていれば、その他のメンバーが多少間違ったり、テンポが遅れたりしても、曲らしく聞こえるといっても過言ではありません。
ですので、ベースはバンドに居ないと曲が成立しないと言えるほど、重要なポジションです。
曲のノリやすさを左右する
バンドの中でリズム隊が安定していれば、ノリの良さと楽しさを感じさせる“グルーブ”を生み出すことができます。
特に、ドラムはビートの強弱のみとなりますが、ベースの場合、音の長さをコントロールすることで、曲全体の表情を変えることができます。
一流のベーシストになれば、会場の手拍子を誘導するなど、曲のノリそのものをコントロールすることさえできるようになります。
曲を進行させる
ベースは主にコードの根底となるルート音を奏でています。
そのため、もし、ギターの演奏が止まったとしても、ベースのルート音さえ流れていれば曲の進行上は問題がありません。
また、ボーカルはルート音で音程を取っているため、ベースが無くなると正確に歌うことが困難になります。
このように、曲全体の進行役もベースは担っています。
楽曲を彩る
歌うようにメロディアスなベースラインを演奏できるようになれば、楽曲に個性を持たせるだけでなく、ソロパートを演奏することも可能です。
「ベースは縁の下の力持ち」というイメージを覆すこともできるでしょう。
守りと攻めどちらも対応できるベーシストはそれだけで目立つだけでなく、バンド自体の差別化も図ることができるでしょう。
ベースはバンドの土台!脇役も主役もこなせるポテンシャルの高さが魅力
ベースは、バンド音楽の基礎を支える重要なポジションです。
リズム隊としてドラムとリズムを刻む、ボトムでボーカルやギターを支える、低音でライブの臨場感を生み出すなど、ベースが居ないとバンドは成り立ちません。
また、ベースと言ってもエレキベースやウッドベースなど種類が豊富にあるので、バンド音楽に合ったものを選ぶと良いでしょう。
ベースをマスターすれば、音楽にグルーブを生み出し、ソロパートで観客を魅了することも可能です。
バンドを支えつつ、主役としても活躍したいなら、ベースが最適なパートと言えるでしょう。